見出し画像

ペレスとフェルスタッペンのタイムバトルにしびれた!——サウジアラビアGP

ペレスが5秒後方から追い上げるフェルスタッペンとの壮絶なタイムバトルを制し、ポールトゥウィンで今季初勝利を挙げた。直接マシンが交わるバトルではないものの、チームメイト同士のこれだけ熾烈なファステストラップの応酬は近年で記憶にない。久しぶりにいいものを見たと感じた。

2番グリッドのアロンソが好スタートを決めてペレスの前に出たが、4周目にペレスが首位を奪回した。予選のトラブルで15番グリッドからスタートしたフェルスタッペンはセーフティカー導入の幸運もあり、50周レースの24周目にアロンソを抜いて2番手に順位を上げた。

この時点で首位ペレスとは約5秒差。昨年のベルギーGPのように、チームメイトを抜いて優勝するのは確実かと思われた。

しかし、ここでペレスが予想以上の好走を見せる。25周目から40周目すぎまで、ペレスとフェルスタッペンはお互いにファステストラップを応酬するせめぎ合いを続けた。特に27、29、31周目は、先にコントロールラインを通過したペレスがファステストを出し、5秒後ろを走るフェルスタッペンがそのタイムを更新する壮絶なつばぜり合いだった。

レッドブル2台と3位アロンソのタイム推移。ペレスとフェルスタッペンのタイムが抜きん出ている
アロンソ攻略後、フェルスタッペンはペレスを追いかけるが、ペレスも好タイムで応戦する
25周目以降、フェルスタッペンはペレスとのギャップを思うように詰められない

最終的にはフェルスタッペンがドライブシャフトの違和感を訴え、徐々にペレスから遅れ始めた。トラブルの要素を含むとはいえ、ペレスは実力でフェルスタッペンの首位攻略を阻止したのだ。

ペレスは開幕前、「自分もチャンピオンを獲りに行く」と語った。ペレスは市街地に強く、レッドブル在籍時代の勝利はすべて市街地で挙げたもの。今年のF1カレンダーはシーズン前半で市街地の開催が多く、後半では常設サーキットの開催が多くなる。ペレスが次戦オーストラリアやアゼルバイジャンを制するなら、本当に王座獲得の有力候補に躍り出るかもしれない。


追記

表彰式前の舞台裏では、フェルスタッペンが最終周にファステストラップをもぎ取ったことについて、レッドブルの2人は一触即発の状態だった。

レッドブル独走が明らかとなるなか、見ている者としてはチームメイトでバチバチやり合うのは大歓迎だ。シーズン通して喧嘩上等で戦ってほしい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?