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F1やオリンピックなど、スポーツ競技の感想をつづっています。 WordPressとno…

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F1やオリンピックなど、スポーツ競技の感想をつづっています。 WordPressとnoteに記事を書いていますが、加筆修正を両方に施すのが困難なので、全部の記事はWordPressをご覧ください。 https://formula1olympic.wordpress.com/

最近の記事

雨も赤旗も止められなかったフェルスタッペン9連勝——オランダGP

フェルスタッペンが母国オランダで3年連続優勝を飾った。シーズン11勝目で、連勝もF1記録に並ぶ「9」に伸ばした。レース1周目の雨も、サージェントのクラッシュによるセーフティーカー(SC)も、終盤の豪雨による赤旗も、フェルスタッペンを阻むことはできなかった。 チームとドライバーの冷静さを思い知る一戦レッドブルのチーム力と、フェルスタッペンの冷静さを思い知る一戦だった。 1周目の後半に突然の雨が降ったとき、ペレスが真っ先にピットに入ったが、チームはすでに雨用のインターミディエ

    • ペレス、タイトル争いの権利を取り戻す今季2勝目——アゼルバイジャンGP

      ペレスが得意の市街地コースで今季2勝目を挙げた。土曜日のスプリントの勝利と合わせて33点を稼ぎ、チームメイトでランキング首位のフェルスタッペンとの点差を「6」に縮めた。前戦オーストラリアの予選クラッシュで失いかけた王座争いの権利を、自力で取り戻した格好だ。 ペレス、終盤にかけてじりじり差を広げるレースはポールポジションのルクレールが1コーナーを制するが、4周目にフェルスタッペン、6周目にペレスに抜かれて3位に落ちた。フェルスタッペンは一時首位に立つも、セーフティーカー出動直

      • 赤旗3回の大混乱。運営を巡り物議を醸すレースに——オーストラリアGP

        フェルスタッペン一閃の首位奪還も、メルセデス2台の健闘も、ハミルトンとアロンソのつばぜり合いも、余韻はすべて吹き飛んだ。今回のレースはF1史上最多となった3回の赤旗と、運営側の判断が物議を醸した1戦として記憶に残るのだろう。 メルセデス、一時は1-2の大健闘スタートでPPのフェルスタッペンの加速が若干遅れる。2番グリッドのラッセルが勢いよく飛び出し、3番グリッドのハミルトンも3コーナーでフェルスタッペンのインをこじ開け、4コーナーでアウトからかぶせると、意外や意外、メルセデ

        • ペレスとフェルスタッペンのタイムバトルにしびれた!——サウジアラビアGP

          ペレスが5秒後方から追い上げるフェルスタッペンとの壮絶なタイムバトルを制し、ポールトゥウィンで今季初勝利を挙げた。直接マシンが交わるバトルではないものの、チームメイト同士のこれだけ熾烈なファステストラップの応酬は近年で記憶にない。久しぶりにいいものを見たと感じた。 2番グリッドのアロンソが好スタートを決めてペレスの前に出たが、4周目にペレスが首位を奪回した。予選のトラブルで15番グリッドからスタートしたフェルスタッペンはセーフティカー導入の幸運もあり、50周レースの24周目

        雨も赤旗も止められなかったフェルスタッペン9連勝——オランダGP

        • ペレス、タイトル争いの権利を取り戻す今季2勝目——アゼルバイジャンGP

        • 赤旗3回の大混乱。運営を巡り物議を醸すレースに——オーストラリアGP

        • ペレスとフェルスタッペンのタイムバトルにしびれた!——サウジアラビアGP

          まさに「SHO TIME」!——WBC決勝、日本が悲願の王座奪回

          (※野球は決して詳しくありませんが、個人の感想としてまとめます) まさに「SHO TIME(ショータイム)」。スーパースターは最後の最後で注目を全部持っていってしまう存在なのだろう。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝の米国戦、日本の優勝を見てそう感じた。 試合終盤の最大の注目は「大谷は本当にリリーフ登板するのだろうか?」ということだった。6回あたりから、大谷はブルペンとベンチを行ったり来たり。自分の打席と、登板の準備を同時並行で進める必要があった。 先発登

          まさに「SHO TIME」!——WBC決勝、日本が悲願の王座奪回

          早くも「ワンチーム」になったアロンソとアストンマーチン

          開幕戦で最大の衝撃はアロンソの3位表彰台だった。上位が潰れたタナボタではなく、メルセデス勢2台とサインツをコース上で豪快にオーバーテイクしたうえでのポディウム登壇で、第2戦以降の表彰台も十分に期待できるレース内容だった。 アロンソの的確なライン取り、相手のタイヤの状態を見据えたうえでの緩急をつけたペース配分はあちこちで言及されているので、F1公式映像や各ツイートへのリンクを掲載しておきたい。 早くもチームをまとめたアロンソ私から追加しておきたいのは、「開幕戦の時点で早くも

          早くも「ワンチーム」になったアロンソとアストンマーチン

          フェルスタッペン完勝、王道への歩みを始めた開幕戦

          フェルスタッペンが開幕戦バーレーンGPを完勝し、タイトル3連覇へ好発進を決めた。スタートでポールポジションから順当に1コーナーを制すると、2位の僚友ペレスに11秒差、3位アロンソに38秒差をつけた。開幕戦勝利は自身初で、チームにとっても開幕戦1-2は初めてだ。予選はフェラーリが健闘したが、レースではレッドブルの速さばかりが印象に残った。 長期政権を視界に入れるフェルスタッペン気は早いが、フェルスタッペンは一時代を築く王道ドライバーへの歩みを始めたように思える。F1のタイトル

          フェルスタッペン完勝、王道への歩みを始めた開幕戦

          まさかのアロンソvsフェルスタッペン?——F1開幕戦フリー走行

          アロンソが絶好調だ。開幕戦バーレーンGPのフリー走行1回目(P1)を2位で発進すると、P2、P3で連続トップタイムを記録した。特にP3の予選シミュレーションは、最終コーナーでフラついたフェルスタッペンを1000分の5秒上回る圧巻のラップだった。 P3最後のスタート前練習でもアロンソはポールポジションの位置から快調に発進した。日曜日にこの光景が繰り返されても不思議ではない。 本サイトでは開幕前テストを踏まえたシーズン予想は掲載しなかった(バカにされそうだから)。しかし、この

          まさかのアロンソvsフェルスタッペン?——F1開幕戦フリー走行

          最後まで戦い抜いたドライバーの大団円——アブダビGP

          フェルスタッペンがポール・トゥ・ウィンの完勝で、自身の持つ年間最多勝記録を「15」に伸ばした。焦点となったドライバーズランキング2位争いはルクレールがハードタイヤで58周レースの後半37周を走り切り、2ストップ作戦を採ったペレスの追い上げを際どく阻止した。メルセデスは振るわずチームランキング3位にとどまり、ハミルトンはキャリア初の年間勝利ゼロに。ベッテルは作戦ミスにより苦しい戦いを強いられたが、引退レースを10位入賞で締めくくった。 王座決定後の消化レースとは思えないバトル

          最後まで戦い抜いたドライバーの大団円——アブダビGP

          「偉大な挑戦者」 ベッテルの引退レースに、幸あれ。

          ついにベッテルが引退レースを迎える。「偉大な挑戦者」として戦い続けたベッテルにふさわしい舞台となるよう、心から願っている。 私にとってのベッテルは、4冠を達成したレッドブル時代よりも、最強メルセデスに挑みかかったフェラーリ時代の人間臭さが心に残っている。ときにミスで自滅し、ときに感情を高ぶらせ、チームとの人間関係に悩みながらも、劇的なレースで勝利をもぎ取る。そんな「挑戦者」としての姿が印象深い。 特にフェラーリ移籍2戦目で最強メルセデスのハミルトンとロズベルグをなで斬りに

          「偉大な挑戦者」 ベッテルの引退レースに、幸あれ。

          ラッセル初優勝の陰で、仁義なきチームメイト関係に揺れたサンパウロGP

          ラッセルが前日のスプリントに続く速さを見せ、グリッド先頭からのトップチェッカーでF1初優勝を決めた。ハミルトンも2位に入り、メルセデスは今季初勝利を1-2で飾った。一方、レッドブル、フェラーリはドライバーズランキング2位を巡ってチーム内でひと悶着あり、今後のドライバー関係に不安をのぞかせるレースとなった。 スプリントで判明した3つの「ネタバレ」以前書いた通り、口の悪いF1ファンは昨年導入されたスプリントを「ネタバレレース」と呼んでいる。タイヤもコンディションも同じであれば、

          ラッセル初優勝の陰で、仁義なきチームメイト関係に揺れたサンパウロGP

          ラッセル、混戦のスプリントを制す!——サンパウロGP

          ラッセルがフェルスタッペンとの好バトルを制して、サンパウロGP土曜スプリントの勝利を挙げた。本戦の優勝ではないものの、ラッセルの実力とメルセデスの復活を示す結果。3位のハミルトンがチームメイトを称える笑顔もすがすがしく、彼もずいぶん丸くなったと思った。2位サインツのグリッド降格のため、日曜日の決勝はこの2台が1-2でスタートする。 大番狂わせのマグヌッセンの初ポールと、宴会芸と化したフェラーリのドタバタ昨年導入されたスプリントでは今回が最も激しいレースとなった。理由としては

          ラッセル、混戦のスプリントを制す!——サンパウロGP

          ロコ・ソラーレ優勝!——カーリングのパン・コンチネンタル選手権

          日本のロコ・ソラーレが延長にもつれる韓国との激戦の末、カーリングのパン・コンチネンタル選手権の決勝を制し、初代女王に輝いた。勝利目前で迎えた逆転のピンチでコーチを含む6人全員が心をリセットし、延長戦に向け腹をくくったことが勝利につながった。 ピンチを前に、チーム全員の意識を合わせる日本の6-5で迎えた最終10エンド。韓国のセカンド、ヤン・テイの好ショットでハウス真ん中にストーンを置かれ、スチールのピンチを招いた。相手のナンバーワンとなった石の周囲は邪魔なストーンが多く、簡単

          ロコ・ソラーレ優勝!——カーリングのパン・コンチネンタル選手権

          シルバーアロー復活の芽を摘んだレッドブルのタイヤ戦略——メキシコシティGP

          フェルスタッペンが完勝し、シーズン最多記録を更新する14勝を達成した。メルセデスは序盤にハミルトンとラッセルがレッドブル勢に食い下がったが、レース中盤のハードタイヤ装着が足を引っ張り優勝の目を逃した。フェラーリは主役どころか脇役にもなれず、戦力低下が深刻に。ペレスは地元で3位表彰台に入り満員の観衆を沸かせたが、さらに上の順位もあり得ただけにやや残念な結果だった。 レッドブルに迫るも、ハードタイヤに苦しんだメルセデスレッドブル2台はソフトでスタートし、ペレスが71周レースの2

          シルバーアロー復活の芽を摘んだレッドブルのタイヤ戦略——メキシコシティGP

          格の違いを見せつけた王者たちと、林檎の国の主の来訪(前編)——F1アメリカGP

          4人の王者が躍動し、格の違いを見せつけた。フェルスタッペンはタイヤ交換のトラブルをものともせず追撃にかかり、ハミルトンはシーズン初勝利のチャンスに奮起し、アロンソは中盤のクラッシュを乗り越え、ベッテルも最終周まで闘志を貫いた。逆境にも決して諦めない王者の風格を感じたレースだった。そして、ゴールを見守る「意外な王者」の存在も、来年以降のF1シーンにどう影響するか思いが巡るアメリカGPとなった。 新王者、一閃の追い抜きで7冠王者を下す鈴鹿でタイトル連覇を決めたフェルスタッペンが

          格の違いを見せつけた王者たちと、林檎の国の主の来訪(前編)——F1アメリカGP

          ずぶぬれでレース再開を待った2時間と、舞台裏での重機問題——日本GP観戦記②

          10月7~9日の日本GPを現地で観戦した。またも論評っぽくなってしまうが、観戦記第2弾は2時間に及ぶ赤旗中断と、コース上の作業用重機が危険を招いた問題について考えたい。 デグナー前で見かけたビアンキ追悼の花束8日の予選前にダンロップコーナーからデグナーカーブへ向かうとき、通路脇に手向けられた花束を見かけた。2014年日本GPのダンロップ外側の大クラッシュで脳に重傷を負い、翌年亡くなったビアンキの追悼でファンが供えた花だった。 私は14年の事故はFIAとFOM、主催者による

          ずぶぬれでレース再開を待った2時間と、舞台裏での重機問題——日本GP観戦記②