学生×海外居住×非「被扶養者」の税金~確定申告編~

 このページでは、日本国外に居住しており、かつ日本にて確定申告をしなければならない方に参考となるよう、私個人の置かれた状況と対応をベースにまとめています。私は学生の身分を有しておりますが、そうでない方にも参考になるかもしれません。
 また、税務相談を含む「税理士業務」は税理士のみに認められている独占業務であることから、念のためこちらでも具体的な確定申告の中身にはあまり触れないようにしたいと思います。他方、実際に確定申告を行ってみて、不透明な事柄が多いとも感じましたので可能な限りの発信をしたいとも考えています。

私の置かれた状況


 基本的な私の置かれた状況とそれに伴う税金の諸々(主に年金)については、こちらの記事をご覧ください。

収入を得ることになる


 学生で海外居住であることは確定していたものの、その後日本の公的機関から継続的に収入を得ることになり、税金の扱いをどうするべきかという問題に直面しました。こうした状況は、例えば学振の「若手研究者海外挑戦プログラム」に参加されている方にも生じるかと思います。

 私の新しく置かれた状況は以下のとおりとなりました。
・日本の公的機関から生活費と研究費の支給を受けている(所謂、「雇用関係はないが、収入がある」というステータス)
・(上記に関連して)誰の扶養にも入れない状況である
・収入のうち、一部は「雑所得」として扱われる(関係者に確認した結果)

確定申告の必要性の有無


 収入の一部が「雑所得」として扱われ、その所得の税務署への申告は収入を得ている本人にて行うよう、収入を支給している機関から連絡がありました。
 私は関係者に対し、「自分は海外居住の身であるが、この場合でも確定申告の義務があるかどうか」を確認したのですが、これがなかなか曖昧な答え(確定申告をしなくて良いとは誰も言ってくださらない)でした。国民には納税の義務が定められていることは重々承知しているのですが、その義務を進んで果たそうとする時のサポートがあまりない(壁が多い)ことは何とかならないものかなと思います。
 こういう時の問い合わせ先を良くご存知の方がいれば、教えていただきたいです。

税理士さんを頼る


 こうしてはっきりした答えが得られないままでしたが、払うべき税金を払わずにいるのは嫌だったので、税理士さんに問い合わせることにしました。
 そこで、日本国外に居住地を持つ国民が選定する必要のある納税管理人業務に加えて、所得税申告書の作成と提出(いわゆる確定申告)を依頼することになりました。

 税理士さんの選び方は色々あると思いますが、最近はインターネットで無料の相談や見積りをしてくれる税理士事務所が多くあるので、複数のところを比較してみるのが良いと思いました。
 親身な方、聞かれたことにのみ律儀に答える方、返答のスピード、など色々でした。おそらく職業柄、後に残る文面でのやり取りとzoomなどの対面のやり取りを上手に使い分ける方も多かったように思います。いずれにしても、確定申告まで税理士さんとのやり取りは多く発生するので、費用だけでなくこうした相性にも妥協することなく選定すれば、確実に自分で確定申告をするよりもパフォーマンスは良いように思います。

税理士さんを通して確定申告をするにあたり、私が具体的に行ったこと(時系列)

  1. 税理士さんへ確定申告の必要性の有無の相談(確定申告をすることが決まってから税理士さんと本人である私との間の「契約」となりました)

  2. 海外の住所証明などを含む自身の個人情報、一年間の収入明細の証拠書類を税理士さんへ送付(ある場合は源泉徴収票を含む)

  3. 税理士さんからe-taxの登録詳細情報が来たので内容を確認(事務手続きです。私は心配だったので早めに行っていただきました)

  4. 経費申請する項目をExcelでまとめて税理士さんへ送付(確定申告する年の年明けくらい)

  5. 確定申告をした旨の連絡を税理士さんから受け、内容を確認(ここで第一表や第二表が手元に得られます)

  6. 税理士さんから請求書を発行してもらい、納税額と税理士さんへの費用(代行分。見積もりは契約前に出してもらっていました)を支払い

上記の中で、気が付いたことがあれば都度税理士さんに問い合わせて聞くプロセスを取りました。○○は経費になりますか?なども逐一尋ねました。そもそもいくらまで経費にできるんだっけ、納税額ってどういう風に決まるんだっけ・・・というような一般的なところもどんどん聞きました。こういうところは、自分がお金を払っている側なので気兼ねなくでき、勉強にもなったので良かったなと思います。

税理士さんを使うメリット(このnoteを書いた動機)

 大きく分けて2つあると感じています。

*事務手続き、それを準備するための時間や労力の手間が激減する
→上記で記したようなことです。確定申告のためにだけ用意する書類は減りますし、もちろん申請の時間も省けます。何が経費になって何がならないのか、担当の税理士さんに聞くだけですぐに回答を得ることができます。
 もちろん税理士さんに依頼するまでの時間はかかりますが、海外在住であれば必須事項である納税管理人とまとめて税理士さんに頼めば、確定申告単発での時間はそこまでかさまないと考えています。
 もちろん税理士さんに依頼する分の費用はかかりますが、自分で行った場合に費やす時間を考えれば十分ペイすると思います。
*確定申告内容に対し、専門家からのオーソライズが得られる
→こちらも基本ですが大事なことだと思います。時間がかからなくなるだけであれば、あえてそれを数年間自分で行うことで確定申告周りの知識を得たいと考える方もいるかと思います。しかし、自分で確定申告を行う際に調べた情報がインターネットにのみ依存しているのであれば、それが正しいとは限らないことが多々あります。
 例えば、国内在住ではありますが私と同じように博士課程で確定申告をされたたぐれおんさんのブログも大変参考になりましたが、ここで紹介されていた税理士さんに教えてもらった経費として計上する基準などは、私が税理士さんに伺ったものと微細に異なる部分がありました。しかし、これは恐らくどちらかが間違っていると判断できるものではなく(判断するのであれば税務署が行う)、申請者個人のおかれた状況や解釈の問題であれば説明方法によっても異なってくるのだろうと思います。また、たぐれおんさんも私も税理士さんに個別に相談をしているというのは重要で心強いオーソライズになり得るかと思います(仮に税理士さんの解釈が間違っていた場合については契約書などに定めがある場合が多い)。こうしたバックアップがあることも、自分で税理士さんに依頼することで得られるメリットだと感じています。
 得られる情報が多くなっているからこそ、時には対価を払うべき場面も多く、今回税理士さんを頼って確定申告をすることについて記事を書いてみました。

※本掲載内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。





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