見出し画像

保育塾ベーシック(第26回)養護の「情緒の安定」について内容に書いてあることを簡単に表し頭をスッキリさせる

この記事は、「保育塾」が配信しているメルマガ「保育塾ベーシック」を、サークルメンバーがまとめて読めるようにしたものです。必要なところは加筆・修正してありますので、メルマガで配信しているものとは多少の違いがあります。サークルメンバーではない人も、途中までは試し読みができます(この記事は最後まで読めます)。


それでは、保育塾ベーシックの第26回目を開始しましょう。


保育塾ベーシックの第25回目では、

保育所保育指針に書いてある「生命の保持」について、「(ねらいと内容の)内容」を一言で表してみましょう。なぜなら長すぎて難しいから。

という話をお伝えしました。



一言で簡単に表すと覚えやすいし、覚えることができなくても確認しやすいです。

「生命の保持」と「情緒の安定」に分けて記録をしたり保育指導案を書いたりしないといけない人は、自分なりに短くまとめたほうが書きやすいですよ。5領域や10の姿に分けて書く必要がある人も同じことです。



では、前回と同じように、今回お伝えしたいことを一言で表すと・・・
◎「生命の保持」と「情緒の安定」に分けて記録する方法

あなたに具体的に考えてもらいたいことは
○「情緒の安定」について(ねらいと内容の)内容を一言で表す

今回は、これを考えていきましょう。



まずは、まとめていない、そのままの文を載せますね。

イ 情緒の安定
(ア)ねらい
① 一人一人の子どもが、安定感をもって過ごせるようにする。
② 一人一人の子どもが、自分の気持ちを安心して表すことができるようにする。
③ 一人一人の子どもが、周囲から主体として受け止められ、主体として育ち、自分を肯定する気持ちが育まれていくようにする。
④ 一人一人の子どもがくつろいで共に過ごし、心身の疲れが癒されるようにする。
(イ)内容
① 一人一人の子どもの置かれている状態や発達過程などを的確に把握し、子どもの欲求を適切に満たしながら、応答的な触れ合いや言葉がけを行う。
② 一人一人の子どもの気持ちを受容し、共感しながら、子どもとの継続的な信頼関係を築いていく。
③ 保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や探索意欲などを高めるとともに、自分への自信をもつことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける。
④ 一人一人の子どもの生活のリズム、発達過程、保育時間などに応じて、活動内容のバランスや調和を図りながら、適切な食事や休息が取れるようにする。

引用:保育所保育指針

前回は、「ねらい」では言っていることが大きすぎてピンとこないから、内容のほうを一言で表してみましょう。というようなことを言いました。もう少し言うと・・・「ねらい」を見ても、「保育者が具体的に何をするか」は分からないんです。

たとえば②の「ねらい」に書いてある「自分の気持ちを安心して表す」を大人に置き換えて考えてみましょう。

「うちの園は、みんなが自分の気持ちを安心して表すことができる職場です。」と言われても、実際に働いてみないと、具体的なことは分かりませんよね。

・休憩時間には、お茶を飲みながらみんなで雑談しています。
・職員会では、活発に意見が飛び交っています。
・週1回、希望者は園長に何でも相談できる時間があります。
・カウンセラーがいて、希望したときにいつでも相談できます。
・もちろん、先輩方も親身に話を聞いてくれます。
・これらを断るのも自由です。

これらのような事実があれば、「自分の気持ちを安心して表すことができる職場なんだろうな」ということが分かります。



保育指針でいうと、保育者が具体的に何をするべきかを見て分かるのが「内容」です。

① 一人一人の子どもの置かれている状態や発達過程などを的確に把握し、子どもの欲求を適切に満たしながら、応答的な触れ合いや言葉がけを行う。

いろんなことが詰め込んでありますね・・・

全部大事でまとめられる気がしませんが

①子ども理解を基にしたやり取り

とでもしておきます。



② 一人一人の子どもの気持ちを受容し、共感しながら、子どもとの継続的な信頼関係を築いていく。

これは分かりやすいです。

後半の「子どもとの継続的な信頼関係を築いていく」の部分は、具体的に何をすればいいかが分からないので、省いてしまいます。

②気持ちの受容と共感



③ 保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や探索意欲などを高めるとともに、自分への自信をもつことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける。

「~自信をもつことができるよう」までの部分は、子どもの姿です。

そして、「~なように」の部分が長いと、「具体的に何をするべきか」の部分が短くなってしまいます。

③の文で言うと、最後の「成長の過程を見守り、適切に働きかける。」が、保育者がするべきことです。

前半も大事なんですけど、後半そのままを採用します。

③成長の過程を大事にした働きかけ



④ 一人一人の子どもの生活のリズム、発達過程、保育時間などに応じて、活動内容のバランスや調和を図りながら、適切な食事や休息が取れるようにする。

これも①と同様、詰め込んでありますね。

④個に応じた食事と休息



まとめて書きますね。

情緒の安定「内容」
①子ども理解を基にしたやり取り
②気持ちの受容と共感
③成長の過程を大事にした働きかけ
④個に応じた食事と休息

「情緒の安定」の内容は、保育者の支援、援助について書いてありますね。だから、「ねらい」を書いて、「内容」を書いて、それについての「保育者の援助」を書くと、「内容」と「保育者の援助」の中身がダブるので、よく分からないことになります。


記録はたとえば、次のように書くことができます。

・みんなは座り始めていたが、どうしても自分で服を着たい様子だったので、「自分で着たいよね」「難しいね」「でも頑張るんだね」などと声をかけながら見守った。ボタンをとめるところは手を貸し、半分だけはめて残りを自分でできるようにした。①②③

子どもに寄り添っていると、自然と①~③の全部をすることになると思います。①~③を分けて記録をすると、不自然になりますね。


前回と今回は、「(ねらいと内容の)内容を簡単に表す」ということをしています。

なぜ「内容を簡単に表す」をしているかというと、「保育指針の文章そのままだと、難しく考えすぎて、何について記録をするか分からなくなってしまうから」です。

本当に簡単に表すことができるのであれば、最初から保育指針に簡単に書いてあります。ですので、今していることはちょっと無理があります。あくまでも、簡単に表すことで書きやすくするためだと思ってください。だから「これが正解」というものはありません。あなたにとって分かりやすいものが正解だというつもりで、気楽にやってください。



では第26回目の課題です。

乳児保育に関わるねらい及び内容より

身体的発達に関する視点「健やかに伸び伸びと育つ」について、内容を簡単に表してみましょう。



ねらいと内容の本文を載せておきますね。

健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力の基盤を培う。
(ア)ねらい
① 身体感覚が育ち、快適な環境に心地よさを感じる。
② 伸び伸びと体を動かし、はう、歩くなどの運動をしようとする。
③ 食事、睡眠等の生活のリズムの感覚が芽生える。
(イ) 内容
① 保育士等の愛情豊かな受容の下で、生理的・心理的欲求を満たし、心地よく生活をする。
② 一人一人の発育に応じて、はう、立つ、歩くなど、十分に体を動かす。
③ 個人差に応じて授乳を行い、離乳を進めていく中で、様々な食品に少しずつ慣れ、食べることを楽しむ。
④ 一人一人の生活のリズムに応じて、安全な環境の下で十分に午睡をする。
⑤ おむつ交換や衣服の着脱などを通じて、清潔になることの心地よさを感じる。

引用:保育所保育指針

5領域や10の姿にたどり着くまで、もう少しかかりますが、幼稚園の先生方もお付き合いください。これができるようになると、記録、保育指導案、事例、要録の全てに役に立ちます。

今回の課題については、保育塾ベーシック(第27回)で詳しく考えていきます。
保育塾ベーシック(第27回)乳児保育に関わるねらい及び内容より身体的発達に関する視点「健やかに伸び伸びと育つ」について内容を簡単に表す

ここから先は

0字

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?