見出し画像

アングリーバード

僕の名前は、アングリーバード
お姉たんが、ガラスケースの中にいた僕を連れ出して、この家に連れて来てくれたんだ。

そこで出会ったのが、ララたんさ
僕は、ひと目で彼女のことが好きになって
お友達になりたくて、近寄ったんだ。

でも、タイミングが悪かったのかな
ララたんは、とても眠そうだった。

そんなララたんは、目の前の僕のことが
嫌なんだろうな、
って直感でわかったんだ。

でも、僕は、
仲良くなりたくて、
ララたんの胸に飛び込んで行ったよ。

最初は、僕のことを受け止めてくれた
と思ったんだけど、違ったんだ。

ララたんが僕のことを
足でけってきた。

その時、僕は思った。

あ! これは、僕に対する愛情表現なんだ!
ララたんが僕に好意を示してくれている、
ってね。

だって僕は、アングリーバードさ、
怒りは、僕にとって純粋な愛情表現だから。

そう思って、僕もララたんに
愛情で気持ちを返していったんだ。

ララたんは、すごく強いんだ。

僕の愛より強かったんだ
僕は彼女に嬉しく、負けないように
頑張ったよ。

ララたんが喜ぶ(苦しむ)ところを見て、
とても嬉しかった。

僕の愛が、君に伝わったんだね。

だから、最後まで手を抜かなかったよ。

でも、ぐったりするララたんの姿を見て
ちょっと心配になってきて、
これで良かったのかな、
って思ったんだ。

だから、ちょっとだけ ちゅうちょ したんだ。

そうしたら、ララたんが急に
僕の方に向かって来て、
渾身のパンチを出してきた。

それが、僕にクリーンヒットして
あっけなく、ダウン

 僕は、ララたんに負けちゃった。

君の愛は、僕の愛を上回ったよ。

素直に負けを認めて、
ララたんに話しかけた。

そうしたら、驚いたよ
怒りは愛情表現じゃなかった。

クレーンゲームの中でしか暮らしたことのない僕は世間知らずだった。
何もわかってなかった。

僕は、心からララたんに詫びたよ。

そうしたら、僕の目を見つめて
僕のことを理解するって言ってくれたんだ。

僕は、感謝した。

ますます好きになった。

これからも君を大切にする
僕が君を守るよ。

世間知らずのアングリーバードは、
名前以上にヤバい奴でした。

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?