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学びの生産性を上げるアウトプット術

今月の半ばに、次の本が刊行予定です。7月頭に校了して、さっそく昨日、見本が仕上がってきました。

非常に斬新な読書術の本ですので、ぜひ楽しみにしていてください。このnoteでも時期を見て、ご紹介したいと考えています。

著者の羽田康祐さんは外資系コンサルティングファームと広告代理店の両方でキャリアを積んできた方です。外資系コンサルティングファームでは合理的に物事を進める方法を、広告代理店ではプランナーやクリエイターなど、多様な人材とプロジェクトを進める方法を学んできたといいます。この両方から得た学びのエッセンスを凝縮して書かれたのが、昨年刊行された次の2冊です。
いずれも、版を重ねており、ロングで売れております。

今回はそのうちの一冊『無駄な仕事が全部消える超効率ハック』の一節をご紹介しましょう。
というのも、冒頭に紹介した新刊『インプット・アウトプットが10倍になる読書の方程式』の“前サブ”の「インプット・アウトプットが10倍になる」と深くリンクしている箇所があるからです。インプットとアウトプットでは、どちらかというとアウトプットのほうを難しいと感じる人は多いハズ。以下では、そんなアウトプットのコツについて語っています。

生きた学びを手に入れる インプット→アウトプット

◎あれこれ学んではいるものの、身になっている気がしない。
◎そのときはわかった気になれても、仕事に活かせていない。

上記のような悩みがあるなら、学びの意識を「インプット重視」から「アウトプット重視」にスイッチすると学びの生産性が上がります。あらゆる仕事は成果を生むためにするのですから「学び=インプット」と考えるのではなく、「学び=アウトプット」と考え、アウトプットに直結するインプットを実践するのです。

ポイント1:インプットした知識を、自分の言葉に置き換える
ポイント2:具体例を探す
ポイント3:アウトプットからフィードバックを得る

ポイント1:インプットした知識を、自分の言葉に置き換える

知識をそのまま理解するだけでは「他人から与えられた知識の暗記」に過ぎません。あなたも学生時代に経験した通り、「暗記」はすぐに忘れてしまうものです。
しかし、インプットした知識を「自分の言葉に置き換えて理解する」というプロセスを踏むと「自分の経験」や「自分を取り巻く環境」などに関連付けて理解することができるので、単なる暗記よりもはるかに忘れにくくなります。また「与えられた知識」という他人事感覚から、「自分の解釈を経た言葉」という自分事に置き換わった知識になるので、自分の言葉でアウトプットしやすくなります(図37)。

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以上をわかりやすく理解するために、例を使って解説しましょう。
ビジネス書には、よく「価値」という言葉が登場します。しかし、あなたは「価値」という言葉に対して、自分の言葉に置き換えないまま読み進めてはいないでしょうか? 筆者の場合「価値」という言葉を次のように自分の言葉に置き換えて理解しています。

価値=相手に提供できる「喜び」の度合い

このように「自分の言葉に置き換えて理解する」習慣をつけると、「他人から与えられた知識」を「自分なりの解釈に置き換えた言葉」にとらえ直すことができるので、記憶の定着度合いが高まります。また、いざ他人に説明するとき「借り物の言葉」ではなく「自分の言葉」で説明しやすくなり、説得力が増していきます。

ポイント2:具体例を探す

たとえば、先ほどの「価値」の具体例としては「商品価値」「企業価値」「価値創造」などが挙げられるでしょう。筆者の例のように「価値」という言葉を「価値=相手に提供できる喜びの度合い」のことと自分の言葉で理解していれば、次のように応用範囲を広げて理解することができます。

商品価値:商品がお客様に提供できる喜びの度合い
企業価値:企業がステークホルダー(関係者)に提供できる喜びの度合い
価値創造:これまでにない新たな喜びを生み出すこと

これは別の言い方をすれば、たった1 つの学びから、自分の言葉でアウトプットできる範囲が大きく広がったことを意味します。つまり、学びの生産性が大きく高まったのです。

ポイント3:アウトプットからフィードバックを得る

アウトプットは、自分なりの考えを目に見える形にして表現する必要があるため、イヤでもまわりの評価が付いてきます。
また、「失敗」もありえるため「インプット重視」の人は及び腰になりがちです。
仕事の世界は「勉強の場」ではなく、「成果を上げる場」です。しかし「ビジネス書を読む」「ビジネス勉強会に参加する」「資格を取る」などインプットを重視する人は、インプットを100%してからでないとアウトプットをしようとしないため、行動がインプットに偏っていることが多いものです。
インプットは失敗がなく、「やった気」にもなれるため、勉強熱心な人には心地よく感じられるはずです。しかし、それがアウトプットにつながらないなら、成果を生み出すことはできず、学びの生産性は低いままです。
一方で「会議で発言する」「提案をする」「勉強会を開く」などのアウトプットは、成果に直結していきます。
また、アウトプットは「人に伝える」という行為を伴うため、周囲からのフィードバックを得やすく、「自分に足りない知識」を見極めやすくもなります。すると「自分に足りない知識」に絞ってインプットをすることができるようになるので、学びの生産性は劇的に高まっていくのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(編集部 石黒)

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