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子どもを叱るときに心がけたい3つのポイント

フォレスト出版編集部の寺崎です。

先日、子どものほめ方には3つのポイントがあるとお伝えしました。

「ほめるのは自然にできるけど、叱るのが苦手」

子を持つ親のなかには、こんなタイプもいるでしょう(自分自身がそうです)。

そんなあなたに今日は「叱り言葉のポイント」を『子どもがまっすぐ育つ言葉かけ大全』(三好真史・著)から引用して、お伝えします。

叱り言葉のポイント

 叱り言葉は、使い方を誤れば、子どもの心を傷つけてしまうものです。
 また、親子の信頼関係に響いてしまうこともあります。
 つまり、ほめ言葉と比較した場合、ずっと慎重に扱う必要があるのです。
 では、どのようにすれば適切な叱り方になるのか、考えてみましょう。

B E F O R E
親:
Aちゃん、部屋の片づけは終わったの?
子:え、まだだけど……。
親:どうしてゲームしてるの! さっき、片づけするって話をしてたじゃ
ない!
子:だって、面倒くさいもん。別に、汚くないし……それに、Bだって片
づけてないじゃん。
親:何言ってるの! これだけ部屋にモノを置いてるんだから、片づけし
ないとダメ! きちんとしなさい!
子:ああ、もう……分かったよ……。
(あー、もう、うるさい!)

三好真史『子どもがまっすぐ育つ言葉かけ大全』より

うーん・・・ありがちですね。この手の「売り言葉に買い言葉」になってしまう親子のやりとり。

子どもに「こうしてほしい」を実行させるには、あまりいい言葉かけではないことはなんとなくわかります。

では、どこをどう改善していけばいいのか。
ポイントをみていきましょう。

叱り言葉のポイント①「即時」か「待ち」かを見極める

 すぐに叱るのか、それとも時間をおくべきかを検討します。
 自分や他人の心身を傷つけてしまうような場合には、今すぐにでもやめさせないといけないことなので、即時に叱りつける必要があります。
 しかし、それ以外の場合では、必ずしも今すぐに叱る必要はないのです。
 じっくりと様子を観察して、後から伝えてもよいのです。
 叱らねばならない状態を把握したときには、今すぐに叱るのか、少し待ってから叱るのかを見極めます。

三好真史『子どもがまっすぐ育つ言葉かけ大全』より

「自分や他人の心身を傷つけてしまうような場合」は、そうそうないかと思います。たとえば、急に道路を飛び出したとか、そうした生命の危険にかかわる行動については「即叱る」がベスト。

ところが、日常生活でよくある(上記の会話文のような)ケースでは、「今すぐ叱らない」が最初のポイントだそうです。

叱り言葉のポイント②「個人」か「きょうだいまとめて」かを見極める

 個人ばかりを叱っていると、「僕だけじゃないのに」と反抗心を抱かせてしまう場合があります。親の立場からすれば、きょうだいのうちの特によくない状態の子どものほうを注意したくなるものです。
 でも、子どもの側からすれば、それが不公平に感じられるものです。
 程度に差はあったとしても、きょうだいをまとめて叱るようにする方法も検討しましょう。

三好真史『子どもがまっすぐ育つ言葉かけ大全』より

これは一人っ子のご家庭では関係のない話ですが、きょうだいがいるケースでは「一人を叱るのか」あるいは「きょうだいまとめて叱るのか」を判別せよということです。」

叱り言葉のポイント③ 厳しさの度合いを見極める

 自分や友達の心身を傷つけるような場合には、烈火のごとく叱る必要があります。道路に飛び出しそうになったり、友達に意地悪をしたり……という場合には、それらについては一刻も早くやめさせなければなりませんから、感情的になってでも叱る必要があります。子どもを思うがゆえの行動です。それでよいのです。
 ただし、それ以外のことに関しては、そう厳しくならなくてもよいものです。
 叱りには、厳しさの度合いがあります。
 子どものやってしまった行為の程度によって、この度合いを調節できるようにしたいところです。

 ささいなイタズラには、優しく叱る。
 ちょっとした過ちには、やや厳しく叱る。
 心ない言葉を発するときには激昂する。

 そうやって、厳しさの度合いを変化させていきます。
 ことの重大さに合わせて、厳しさの度合いを変えられるようにしましょう。

A F T E R
親:Aちゃんも、Bちゃんも、座って。【①待ちの見極め】【②きょうだいまとめて】

 今日は片づけをするって言っていたけど、進み具合はどうかな。
子:(すっかり忘れてた!)ええっと、まだあんまり進んでないかな……。
親:2人なら分かると思うんだけど、せっかく決めたことなのに、あまりできていないのは残念だな。
 自分たちでは、どう思う?【③厳しさの度合いの見極め】
子:……ダメだと思う……。
親:ゲームしたい気持ちは分かる。
 でも、せっかくの自分たちの部屋を、汚いままにしておくのはよくな
いね。勉強するにしても、本を読むにしても、汚い部屋では集中できないも
のなんだよ。
 片づけ、どうする?
子:今からやる。
親:そうか。よし、じゃあ、がんばってみようか。

三好真史『子どもがまっすぐ育つ言葉かけ大全』より

「うーん、でもやっぱり子どもを叱るのって難しい」

そう感じた、そこのあなた。大丈夫です。

本書では「叱り言葉のレベルアップ」として次のやり方をおすすめしています。

叱り言葉のトレーニング

 厳しさを高めるためには、まずは見た目から。
 叱るときには腰に手を当て、胸を張ります。声は低くします。
 そうして、見た目から批判的な親の性格部分を高められるようにしてみましょう。
 さらに、次のようなワークをやってみましょう。
 
【叱り言葉のトレーニング】
◎ニュースの事件について批判する
◎現状に満足していいのか、自分自身を批判する
◎自分の尊敬する人物なら、どのように批判するのかを考える
◎時間や金銭に厳しくなる
◎「最後まで譲らない」というものを1つでももつ


 また、言葉づかいについても、次のような言葉を用いるようにしてみましょう。

「私の意見は〜です」
「決めたことは、最後までやろう」
「本当にこれで満足していいのかな?」

三好真史『子どもがまっすぐ育つ言葉かけ大全』より

以上、叱り言葉のポイントでした。


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