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いますぐ使える雑談テクニック5選

フォレスト出版編集部の寺崎です。

先日、『面白いほど雑談が弾む 101の会話テクニック』(神岡真司・著)という書籍をベースに書いたnote記事をもとにお話ししたVoicyが予想以上によく聴かれていて、ちょっとうれしいです。

そこで、今日は調子に乗って、本書で「これは使える!」と思ったいますぐ伝える雑談テクニック5選をご紹介したいと思います。

目上の人には「知りませんでした」とボケるとよい

物知りの人がウンチクを披露することがあります。

A「あのさ、じつは○○は○○○が起源なんだよ」
B「あーそれ、知ってます」
A「(なんだ、コイツ)」

ウンチクの披露は一種のマウンティングなわけですが(男性社会に多い現象です)、それに対して「知ってる」と答えるのは、さらなるマウンティングにすぎません。

 誰かにウンチクを語る──というのは、とても気分のよいものです。 

A「 あのねえ、中南米諸国はスペイン語を公用語とする国が多いけど、唯一ブラジルだけがポルトガル語が公用語だろ。きみ、知ってた?」
B「いえ、知りませんでした。それって昔の植民地支配の影響ですか?」
A「 そう、15世紀末に、スペインとポルトガルが喧嘩しないよう協定を結んだんだ」
B「へーっ、岡崎さんって、めっちゃ博識なんですねえ、勉強になります」

 誰かが、ウンチクを語りはじめた時、「そうそう、それ知ってます、そうなんですよね」などと応じると相手はどう感じるでしょうか。
 こちらは共感を示し、仲間意識を醸成したつもりになっているかもしれませんが、相手がかなり詳しい事情通だと「いちいち知ったかぶりでウザイ奴だな」と思われる可能性も高いのです。
 相手が小鼻をピクつかせるなど、ちょっと得意になってウンチクを披露しはじめた時には、注意が肝心です。
「はい、存じてます」などと、かしこぶるよりも、「へーっ、存じませんでした。勉強になりますね」と受けたほうが話は弾むのです。
 目上の人に対しては、「教え」を乞う姿勢で臨むほうが、可愛がられます。

■p o i n t
わざと知らないふりで「教え」を乞う!
相手の自尊心をくすぐるワザ。

■トーク例
× 「きみ、なぜだかわかるか?」→「もちろんです」→「あ、そう…じゃいいや」
○ 「きみ、なぜだかわかるか?」→「いえ、存じません」→「よし、教えてやろう」

よくよく考えるとこれって、目上の人に対する限定テクニックにするにはもったいありません。

自分よりもうんと若い年代の仲間に対しても「それ、なになに。教えて」と反応したほうが相手も喜ぶし、自分も勉強になるはずです。

A「○○さん、Pythonってプログラミング使うと、この作業、一瞬で終わるんすけどね」
B「あぁ、Pyhtonな。最近流行ってるよな。知ってる」

これは悪回答です。気を付けましょう。

自分の趣味を「いじられやすい趣味」に加工しておく

最近、テントやタープを買って海の近くデイキャンプをするのにハマり始めています。これまで全然興味なかったのですが、浜に出ると気持ちよさそうにキャンプしてる人たちがたくさんいて、「うー、なんか優雅で気持ちよさそうだし、カッケー!」とミーハー魂に火が点きました。

で、何が起こったかというと、普段あまりプライベートな会話をしたことがなかったキャンプ好きな同僚と雑談に花が咲くようになったのです。

いやー、雑談ってやっぱ、大事。
ということで「趣味」の雑談テクニックです。

 自己紹介で「趣味はゴルフです」などと打ち明けても、あとから何の反応も得られずスルーされてしまうと悲しいものがあるでしょう。
 自己紹介の時には、「本気の趣味」を打ち出すよりも、より共感が得られやすいよう
広義な形にひろげ、いじられやすく加工しておいたほうが、うまい自己紹介になります。

A「 はじめまして高田と申します。社会人になってまだ3年目、趣味はアウトドアスポーツでなんでもこなします。よろしくお願いいたします」
B「いいですね、健康的なご趣味で。どんなスポーツを主になさるんです?」
A「 はい、ジョギング、海水浴、ビーチバレー、テニス、ゴルフ、バーベキュー付きハイキングといったところですか(笑)」
B「 なるほどー、いろいろあってそりゃ楽しいですねー、バーベキューにも、きっとこだわりがあるんでしょうね(笑)」

 フック(取っ掛かり)を多く仕掛けたほうが、相手もフォローしやすいわけです。
 また、「ご趣味はなんですか?」といきなり尋ねても、「特にないです」などと返されることはよくあります。
 そんな時には、過去を聞き返すとうまくいきます。「今までは、どんなご趣味をおもちでしたか?」などと尋ねるのです。

■p o i n t
「趣味」を話題にする!
「現在の趣味」より「過去の趣味」の話がカンタンに盛り上がる。

■トーク例
× 「どんな趣味をおもちですか?」→「ロックやってます!」
→「え? あ、そうですか…」
○ 「今まではどんな趣味を?」→「スキー、テニス、将棋、料理かな」
→「そりゃスゴイ!」

いつでも語れる「ドジネタ」を仕込んでおく

人は誰しも「やっちまった」経験があるはずです。私もこんな場では明かせないくらい、これまでの人生で「やっちまった事例」がそれこそ満載です。

やっちまった翌日は顔から火が出るほど後悔して自分を責めるものですが、時が経てば一級の「ネタ」になります。だいじょうぶ。なにごとも時間が解決してくれるのです。

 コミュニケーションを深める上で、欠かせないのが「自己開示」です。
 自分の素の「感情」や「本音」を表わさないと、人は親しみをもてないからです。
 建前ばかりの、よそよそしい会話を続けているだけだと相手との距離が縮まらないことは誰もが経験しています。自分のことを語り、そこに「喜怒哀楽」といった感情が込められていると、同じ人間としての安心感がひろがるのです。
 ただし、次のように自分の屈折した負の感情をぶつけたのでは引かれます。

「営業成績全国第1位で表彰されたんですけどね、賞金がたったの1万円なんすよ」
「さっき歩いてたら、暴走自転車に出食わして、突き飛ばしたろかと思いましたよ」

 自慢話だったり、怒りの感情露出には、心からの「共感」はできません。
 雑談で自分を語るなら、ちょっとした失敗談などの「ドジな話」のほうが共感を得やすいのです。
 ここぞという時にサラリと語れる「ドジネタ」を仕込んでおきましょう。

★「コンタクトを片目に2枚つけ、立ちくらみしたことがあります」
★「そそっかしくて、ビオレで歯を磨いてたことがあります」
★「プレゼンで緊張すると、語尾が『ごじゃります』になるんです」

■p o i n t
「ドジな失敗談」を披露する!
自分の弱点を話題にしてクスッと「笑い」が取れれば大成功。

■トーク例
× 「私、外回りの営業職なので、サボリは得意ですよ」
→「えっ?(ドン引き!)」
○ 「私、お客さんの名前を間違って呼んでたことがあります」
→「そりゃ焦るね(笑)」

名刺交換時に添えるひとことであなたの品格が試される

新人のころ、名刺交換が苦手でした。「自信ない・実績ない・金ない」のないない尽くしの20代ですから、立派な経歴を持つ著者の先生方に会うのに緊張してしまうわけです。

いまでは、かなりずうずうしくなったものですが、そんな「名刺交換」のシーンでも使える雑談テクニックがあります。

 ビジネスの現場では、折り目正しい言葉遣いが求められます。
 本筋の会話に入る前の雑談であろうと、正しい敬語での対応が必要なのです。
 間違った言葉遣いや落ち着かない態度は、初対面時の印象をことごとく損ないます。
 名刺交換する際、ろくに相手の名刺に目を留めず、すぐに名刺入れにしまい込んだり、さっさとテーブルに置いたりする人がいますが、名刺をぞんざいに扱うのはNGです。名刺は、相手の人格の分身と考え、丁重に扱うのが礼儀だからです。
「はじめまして、○○と申します」と名刺交換し、相手の名刺を見入って、「ほう、イルカ(入夏)さんって、こういう字を書くんですか、面白いというか、変わったお名前なんですね」などと言ってしまう人もいますが、これまたトンデモナイ失言です。
 相手の名前を見て、「面白い」とか「変わった」などというのは論外です。ほめたつもりかもしれませんが、「笑える変な名前ですね」といったも同然だからです。
「入る夏と書かれてイルカ様とお読みするんですね。珍しいご芳名(ほうめい)には由緒がありそうですね」などと言えれば一人前です。そのあと、テーブルがあれば丁重に名刺を置きます。
 名刺の注目点は3つあります。「相手の姓名」「相手の所属や組織などの属性」「名詞に記された住所」です。
 これらについて何かひとこと言えないと「気が利く人」とはいえません。
 トーク例を参考に「言い回し」を考えておきましょう。

■p o i n t
「名刺交換」にはひとこと添える!
「初対面」の印象が強く残る「初頭効果」を最大限に生かす。

■トーク事例
「アクセス抜群の所在地ですね」「珍しいご芳名で格調高いですね」「響きのいい社名ですね」「ご高名はかねて伺っております」「遠い所をお運びいただき恐縮に存じます」

名刺交換ひとつとっても、貴重な「雑談」の種。とりこぼさず、人間関係を豊かにしていきましょう。

これに似た、ちょっとした一言のビジネスフレーズを次にご紹介します。

状況に応じた「雑談フレーズ」が上品な人柄を物語る

営業や打ち合わせに伺ったオフィスがかなり古い建物でオンボロだったというケースもあるでしょう。そのようなときには、どう対応すればよいか?

 もし、はじめて訪問した取引先がオンボロ社屋だったなら、どんな言葉をかけますか。
 無理やりポジティブ変換した言葉でほめればよいのでしょうか。
「風格がありますね」とか「歴史の重みがありますね」などですが、これだと皮肉を言い、馬鹿にしている──と思われるのがオチでしょう。
「こんにちは、いつもお世話になります」と挨拶し、何も言わないのが正解です。
 相手から「こんなボロいところですいませんね」などと言われてはじめて、「いえ、とんでもないです。風格を感じます」などと軽くサラリと受け流すべきなのです。
 もとより、素敵なオフィスなら自然に「ほめ言葉」も浮かびます。
「機能的で快適なオフィスですね」「都心の一等地のオフィスなんてうらやましいです」。
 しかし、あまりにもお粗末な状況に対しては、こちらからふれるべきではないのです。ポジティブ変換する時は、相手が卑下してきた時だけと心得ておきましょう。

★「やかましいところですみません」→「活気があっていいですね」
★「汚く散らかってて悪いね」→「お忙しくしてらっしゃるんですね」
★「狭くて窮屈で。お恥ずかしい」→「コンパクトで機能的ですね」
★「こんな田舎までようこそ」→「風光明媚で落ち着きます」
★「貧乏くさい社屋で驚いたでしょ」→「質実剛健で清々しいです」

■p o i n t
訪問先でのひとことは要注意!
相手が状況を卑下したら、ポジティブ変換で表現する。

■トーク例
「素敵なオフィスですね」「眺めのいいオフィスですね」「快適な仕事空間ですね」「活力がみなぎっている感じですね」「落ち着いた風情の温もりがあります」

というわけで、『面白いほど雑談が弾む 101の会話テクニック』(神岡真司・著)から、いますぐ伝える雑談テクニック5選でした。

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