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部下からしたら勘弁してほしい「レッテル貼りリーダー」の生態

日本のリーダーと言えば誰でしょうか。
一般的には総理大臣の名をあげる人がほとんどでしょう。
そう、岸田文雄内閣総理大臣です。
そんなリーダーは、最近は「増税メガネ」というあだ名がつけられているとか。

岸田総理はこれまで、金融所得課税の課税強化や“防衛増税”など歴代政権が避けてきた“増税”に積極的に言及してきました。

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こうした理由に加え、いまだに何をやっているかよくわからず、キャラが立っていないから、「メガネ」呼ばわりされていると分析されているようです。
こんなふうに人というのは、他人に対してあだ名をつけたり、レッテルを貼ってしまう人間です。まあ、権力者の言動を批判的に見たり、ネガティブなレッテル貼りをするのは、ある意味健全ともいえますが……。
しかし権力者側、それがたとえ小さな組織においても、リーダーが部下に対してネガティブなレッテル貼りをするのは問題です。
人材育成コンサルタントの津田典子さん『最強のチームリーダーがやっている部下との距離のとり方』では、「残念なチームリーダーの実例」として典型的な5ケースを紹介しているのですが、そのうちの1つが「“仕事ができる人・できない人”で部下を扱うレッテル貼りリーダー」というもの。

以下、該当箇所を転載します。
現在、何かしらの組織でリーダーの立場にいる方は、自分が「レッテル貼りリーダー」になっていないか、確認してみてはいかがでしょう……? 思い当たるふしがあるかもしれません。


 私がANAに入社して1年目、仕事を覚えることに必死の頃です。入社して初めて配属されたグループのリーダーAさんがこのタイプでした。
「仕事ができる人」に認定されれば、難しい仕事がバンバン回ってきて疲弊。「仕事ができない人」に認定されれば永遠に信頼されない。どっちもどっち。部下の人柄や状況を見ずに仕事の結果だけを重視。そんなチームを切り裂くようなリーダーです。
 どのような状況だったかというと……。

 グループのメンバーは16名、リーダーのAさんは入社15年、グループリーダーの経験もすでにありました。
 CAとしてサービススキルやお客様への対応力などは、15年も先輩ですし、もちろん尊敬に値する方でした。
 しかし、部下育成という観点でみると、改善の余地があったのだと思います。部下の私は、いつも「いつ、できない人と言われてしまうのだろう」とビクビク小さくなっていましたから。
 Aさんは、メンバーの仕事の評価について、フライトの空いている時間に、よくグループの先輩方に話していました。皆を育成する、成長させたいという気持ちを強く持っていたのでしょうが、私が近くにいるときにも話していたことがあり、「新入社員の私が聞いていいの?」と思いながらも耳を傾けてしまいました。
 どのようなことかというと、このようなつぶやきです。
「Bさんって何年たっても仕事できないよね。決まったことができるのはあの年次だったらあたりまえで、応用がきかないっていうか。まあ仕事できない、ってことだね」
「うちのグループでは、仕事ができるのはCさんとDさんだけ。あとの人はいい子だとは思うけど、仕事ができるっていうタイプじゃない」
 そして、私の同期のEさんがたまたまミスを連発したとき、AさんはEさんのことを「仕事ができない人」という目で見るようになりました。仕事の分担を決める際は、1人で任せるような仕事の担当にはさせない、ビジネスクラスの担当にはつけない、簡単な仕事を任せる、というやり方です。
 もちろんミスを連発したわけだから、しばらくは「気をつけてね」と注意をされたり、まわりが気遣ったり……ということはあります。
 でも、その後どんなにEさんがお客様からおほめの言葉をいただいても、他のメンバーが「今はまったくミスもなくなって、よく動けていますよ」と言っても、Aさんが認識や対応を変えることはありませんでした。Eさんがやる気をなくしたのは言うまでもありません。

 このグループでは、Eさんがやる気をなくしてしまうだけでなく、私も含めメンバーたちはみんな「Aさんの前ではミスできない」とビクビクしながら仕事をしていました。
 今、冷静に考えると、Aさんはお客様に完璧なサービスを提供したいという思いの強さが部下に対する厳しさになっていたのだと、少しは理解できます。しかし、当事者のときは、やはり怖くて近づきにくい上司としか感じていませんでした。
 Aさんから仕事以外の話をされた記憶もほとんどなく、一緒にフライトしていて、緊張感が抜けることはありませんでした。



私もいつの間にか、仕事相手が年長者よりも年少者のほうが多くなってしまいました。つい、「Z世代だから……」とか思ってしまうのですが、できるだけレッテル貼りせずに、つき合っていきたいものです。

(編集部 いしくろ )

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