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物流のセオリーで仕事や人生の「滞り」を解消できるのか?

1日のうちで、一番仕事や勉強がはかどる時間帯はいつだと思いますか?
こうした質問の回答として最も多いのが「朝」のはずです。
事実、朝こそがゴールデンタイムといわんばかりの朝活や時間管理の本があふれていますし、デキるビジネスパーソンは朝型というイメージをお持ちの人も多いのではないでしょうか。
しかし、物流・ロジスティクス工学の第一人者はそれを完全否定します。
なぜなら、朝は何かとピークが集中する時間帯だから。

朝の時間帯へ過度な期待よりも、1日を滞りなく進めるほうが大切です。

物流の常識で考えれば、ピークこそが「滞り」を生みます。お中元やクリスマスの時期を想像すれば、理解できるでしょう。このような観点から、いかに仕事や人生の「滞り」を解消し、効率よくサクサク進めるかを記した新刊『はかどる技術』が発売になりました。

著者は日本大学教授で日本の物流・ロジスティクス工学の第一人者の鈴木邦成先生。
しかし、物流のセオリーを、仕事や人生の問題解決に使うことに違和感がある人もいるかもしれません。

以下、本記事用に「まえがき」を抜粋して掲載しました。
興味をお持ちの方は、ぜひ手にとって見てくださいね。


まえがき 最小限の努力で最大限の成果を

「人並みに努力はしているつもりだけど、結果が出ない」
「スケジュール管理に苦労している」
「仕事にも人づきあいにも疲れてしまった」
「会社の人間関係がストレスになっている」
「忙しすぎて自分の時間が持てない」

 向上心のある人ほど、こんな悩みを抱えているのではないでしょうか。
 やる気はあるし、いつもがんばっているのだけど、どうも努力と結果の間のギャップがありすぎる―この本はそんな悩みを持つあなたのために書き著しました。
 たとえば、「仕事が忙しく、週末に気合いを入れて資格試験の勉強をしたが、それでも試験に受からなかった」「営業で成果を上げようと、会議で議論に議論を重ねたが、結果がまったく出ない」という人がいます。
 あなたが似たような状況にあるとしたら、いったい何がそうさせているのでしょうか。どこに問題があるのでしょうか。「もっと時間をかけて努力しろ」ということなのでしょうか。

 いいえ、そうではありません。問題は「滞り」にあります。
 私は物流・ロジスティクスの専門家として、「モノの流れ」を研究しています。モノの流れに問題が生じるのは、そこに滞りが発生したときです。
 ご存じのように、クリスマス・お歳暮・お中元の時期などには贈り物などが増えて、物流は大忙しです。最近はブラックフライデーにネット通販の注文がものすごい数に上ります。こうしたピークには配送が混雑し、滞りが発生します。反対に繁忙期のあとやオフピークには物流の混雑は解消されています。

 仕事や人生設計も同じです。わざわざピーク状態をつくり出すようなスタイルで行動すれば、大きな滞りが発生して非効率になるだけです。健康のために血流をよくすることが大切なように、時間管理でも滞りの解消が不可欠なのです。
 いかにピークを避けて滞りを解消していくかが、頭のいい人の時間管理や仕事術につながっていくのです。
 しかし、これまでの類書を見ると、そうした視点から解説されている本は皆無でした。
 たとえば、「朝は仕事の効率が上がる」と書いてある本はごまんとありますが、本当にそうでしょうか。
 早朝は1日の中で何をするにもピークが集中する時間帯です。滞りだらけなのです。それではいくらがんばっても成果なんか出ません。
 また、隙間時間にヤミクモに仕事や趣味を詰め込むのは、真の時間管理ではないのです。

 そこで本書では、大学で物流を教えながら、学生や社会人にアドバイスしつつ実践している私の滞り解消術を紹介します。
 専門のロジスティクス工学に加え、最新の行動経済学なども取り入れて、最小限の努力で最大限の成果を引き出せる考え方をお伝えします。
 繰り返しますが、大切なのは滞りをなくすことで、スケジュールを隙間なく埋めることではありません。
 滞りがある限り、ある時間帯に仕事や勉強を詰め込んでも、別の時間帯にしわ寄せが発生。「結局、疲れてしまい、仕事は中途半端に終わった」とか「朝早く起きられずに計画を見直すことになった」ということになるのです。

 本書を読んで、滞りをなくし、時間管理のムダ、ムラ、ムリをなくすことによって、
「こんなに少ししかやってないのに、営業成績が伸びた」
「勉強時間は最小限にしたつもりだったのに、合格を勝ち得た」
「キャリアプランの作成に悩まされていたけど、資格取得も、昇進も、転職も満足できた」
 という成果を出すことができれば、筆者にとってこれに優る喜びはありません。


ご紹介した新刊がコチラです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(編集部 いしく ろ)

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