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アイデアが浮かんだら、最短最速で検証すべし。

フォレスト出版編集部の寺崎です。

本日も「デザイン思考の実践」について解説してまいります。過去の記事をまだご覧でない方はぜひご参考ください。

繰り返しとなりますが、『生きるためのデザイン思考』(渡辺拓・著)で解説されている「超デザイン思考」は次の3ステップを踏みます。

❶アイデアを育てる
❷実験してみる
❸ふり返る

今日はステップ❷「実験してみる」です。

***

最短・最速でアイデアを検証する

 2つ目のステップは「実験」。小さな理想のタネができたら、それをさっそく形にしていきます。
「試行=思考」とも呼べるような感じで、この「まずやってみる」「やることで思考を深める」姿勢がとても重要です。
 具体的には、実際に理想の状態を疑似体験してみたり、試作品を作ってみたりなどしていきます。
 そうやって少しでも、理想に向けて〝転がしてみる〟ことで、行動しながら体感を得ていきます。
 アイデアが浮かんだら、消えてしまう前に実現してみる。
 思考が「でもなあ」と言う前に、小さな心の動きをとらえ、小さな行動に移してみます。
 ポイントは、「最短・最速でアイデアを味わう」ことです。
 理想を味わうことで、潜在意識の活用も進み、実現のスピードが上がります。
 どんなに遠い理想でも、それを思い浮かべていくことや、知っている人の発信を見るなど、その場でできる行動が必ずあります。
 現代は、SNSやYouTube などもあり、情報にすぐたどり着ける時代です。
 生成AIも使えば、理想の状態をすぐに画像化・映像化することもできます。
「高級マンションに住んだらこんな感じなんだなあ」とか「海外でお店を開いたらこうなるんだなあ」とか、これまでだったら想像すらつかなかったようなものも、すぐに形にしてみて、味わうことができます。
 形にすると、アイデアが育ちはじめます。あなたの理想が実現するのも、そう遠くない未来かもしれません。

軽やかに行動できる人は
「自分の理想を確かめたい」だけだった

 ところで、そもそも「行動する」って、抽象的で「行動するとは言いつつ、何をするの?」って思ったことはありませんか?

「なぜ、あの人はあんなに行動できるんだろう……」
「どうして、自分は行動できないんだろう……」

 僕もよく、そう感じていました。
 しかし、この「超デザイン思考」を通してわかってきたことは「行動力のある人は、自分の理想を確かめたいだけ」だった、ということです。
「これ、いいんじゃない?」とか「こういうこと、やってみたい!」と思ったときに、もう、ウズウズ……ワクワク……して、確かめずにはいられない「だけ」なんです。
 子どもがいい例です。
 どれだけ「やめなさい!」と言っても、一度「やってみたい!」と思ったらもう、どんなに止められてもやってしまいますよね。
 大人はルール・規制・規律に合わせることに〝慣れすぎて〟しまっているので、〝心を大事にする〟ということを忘れてしまっています。
 誰かに言われた〝他人の声〟を重要視して、「こうしなきゃ」「ああしなきゃ」とか言いながら、できない自分を責めてしまう。
 つまり、外から与えられた情報で、自分を攻撃してしまっている……。
 これは、なんだかヘンな話だと思いませんか?
 自分の心の声を、もっと確かめていきましょう。
 子ども心を思い出し、〝好奇心〟がエンジンの中心になれば、誰しも行動が止まらなくなります。
 だから、「行動しなきゃ」とかなんとか、あれこれ考える必要もありません。
「行動しようとする」のではなく、「行動が起こる」ように理想をデザインする。
 まずは自分の心に聞いて、試したくて仕方のない理想を生み出す、という方向に思考を持っていってみてください。

***

本書では「簡単にできる実験の3パターン」として、次の方法を紹介しています。

❶思考実験で味わう
❷すでに自分の理想を達成している人に聞く
❸実際に行ってみる

❶思考実験で味わう
 まずは、思考実験。簡単には「質問する」ということです。
 理想・アイデアが生まれたときに「もし、そうなったらどう?」と、自分自身に問いかけてみます。
 たとえば、「売上目標を達成したい!」みたいなことがあったときに、「もし、そうなったらどう?」と、問う。達成できたとして、その状況を味わってみる。
 これが、〝あまり嬉しくない〟なら、その理想に突き進む前に、違う理想を設定する必要があります。
 また「どうせ、自分には……」と否定する気持ちが出てくるなら、「できそう」な範囲まで理想を下げましょう。
 もし、「これは、いいぞ!」と心躍るなら、それだけでこの思考実験は成功です。ガンガン進んでいきましょう。

❷すでに自分の理想を達成している人に聞く
 直接会えなくても、今やYouTube もありますし、自分の憧れの人の言葉を簡単に参考にすることができます。
 すでに目指す理想を達成した人に、何を聞くのか?
 一般的には、「達成するための方法」を聞いていくことが考えられるかもしれません。しかし、それよりもその方の「心の感情」「体の感覚」を受け取っていきたいです。
(中略)
「基準値」や「こうするものだよね」というものを味わえると、理想の感覚をつかむことができます。
 この「感覚をつかむ」という感覚を身につけてみてください。

❸実際に行ってみる
 また、理想の「場所」があれば、実際に行ってみて体感するのも手です。
 大事なことは、「実際にその理想を体験している人」として味わうことです。
 いつか講演をしたいなら、演壇の下からではなく、舞台に立ってみる。
 インタビューを受けてみたいなら、受けている姿を眺めるのではなく、実際に受けている気持ちまで。
 プロ野球選手になりたいなら、応援席でなく、ベンチに入り、打席に入る、というところまで。
(中略)
 実際にそれを体験しているときの「心の感情」「体の感覚」を味わっていくことで、実際の行動がまた変わってくるのです。

渡辺拓『生きるためのデザイン思考』より

いかがでしょうか。
これなら簡単に実践できそうですね。

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