シビックテックの「種」をさがして
Code for Japanに入社して9ヶ月が経とうとしています。この9ヶ月間を振り返って、どんな学びがあったかを整理していきたいと思います。令和3年度も終わり少しホッコリしているところですが、まだまだやりたいことは目白押しです!
転職
2021年7月21日、CテレでCode for Japan(以下CfJ)に転職しました!とお話しさせていただきました。
太田垣さんから『何が得意なデザイナーなの?』と聞かれて「ロジカルに説明するのが苦手です」と答えてましたが、その苦手意識ってどこからきているのかと考えると、知識不足で自信が無かったり、うまく伝えよう身構えすぎてしまって言葉が足りなかったり、そしてうまく説明できなかったことを後悔し続けてしまったり。
そんな感じで、ちゃんと説明できないことって後悔も多いので、自分にとってマイナスだなと思うんですが、話を聞いてくださってる相手に対しても、すごく失礼なことをしているんだなと感じるようになりました。対話している時間は、自分と相手の貴重な時間なので、自信が有る無しはともかく自分が考えていることを相手にしっかり伝えること、相手に理解してもらえるように精一杯努力することに意味があるんだな…と今更かもですが。それと、もっと自信を持って話した方がいいなと感じられる場面も増えました。
『マルチタスクですか?』ってという問いに対しては「一点集中型」と答えていましたが、CfJに入ってからも、やっぱり集中モードに入ってしまうと周りが見えなくなることも多くって、もっと色々なことに取り組んでいけるようになりたいと思ってます。
マルチに働くという意味では、11月頃から太田垣さんに声をかけていただいて、ANNAIさんにもお世話になっています。行政系のプロジェクトにデザイナーとしてアサインしていただいているんですが、デザイナーとしての学びも多いプロジェクトです。まさか一緒にお仕事することになるとは思っていなかったので、声をかけていただいて本当に良かったです!
はじめのお仕事
CfJでの業務は、デザイナーとしての役割が主です。入社してすぐにアサインされたのは、Make our City(以下MoC)の立ち上げ時のPR関連で、わたしの役割はロゴとWebサイトのコンセプト設計とデザインでした。
MoCは「わたし(our)」が中心となって「まち(city)」を作っていく(make)さまざまな活動を、CfJのメンバーが一丸となってサポートさせていただく熱い取り組みですが、主役はその地域に住んでいたり関わっている市民・行政・企業の方々なので、CfJはハブとなり皆さんがワクワクする取り組みを繋げていくお手伝いができればと思ってます。
そして、ほぼ同時期に取り組ませていただいたのは、デジタルシチズンシップの一環として、加古川東高校の生徒さん向けのデザインワークショップ(以下WS)の組み立てや、講座内でのファシリテーションでした。
「自分たちのアプリデザインで加古川市をアップデートしてみよう!」加古川東高校のSTEAM特別講座にてCode for Japanがプロトタイピング講座を開催
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000039198.html
加古川東高校の生徒さんが、自分たちの身近にある社会課題を解決するための仮説を立てて。突然大きな取り組みを始めるのではなく、スモールスタートとして課題解決できるスマホアプリをFigmaを使ってプロトタイプまで作ってみるWSを行いました。
その後の発展
このWS以降、加古川東の生徒さんたちのそれぞれの取り組みが発展していき、「地方創生☆政策アイデアコンテスト」(主催:内閣府、共催:経済産業省)で、近畿経済産業局長賞や協賛企業賞を受賞!「チャレンジ!!オープンガバナンス2021」で全国1位を受賞!という結果に!!!
生徒さん方が取り組んだことを、しっかりと評価していただけていることが本当に嬉しくて嬉しくて・・・、日本の未来は明るい!!と感動していました。いま高校生の生徒さんたちが、5年後くらいにシビックテッカーになっていたら、一緒にお仕事できるかな?と妄想は膨らむばかりです。
そして、この加古川市の取り組みをきっかけに浜松市からもリクエストをいただいて、浜松西高校の科学部顧問の鳥井先生(当時)と、浜松市の広聴広報課の方々と一緒にWSを実施しました。昨年度末ギリギリではありましたが、学期末の放課後と春休みを利用して楽しく取り組ませていただきました。
「科学の力で社会課題を解決しよう!」浜松西高校科学部にてデジタルシチズンシップワークショップを開催
https://www.code4japan.org/news/event-20220329-digitalcitizenship
高校生向けのWSを2回実施させていただいて感じたのは、とにかく生徒の皆さんの理解力が、ものすごく速いということ。そして当たり前のように「UI」や「UX」という言葉を使われていることにも驚かされました。短時間でインプットとアウトプットを繰り返し、ご自身の言葉でちゃんとプレゼンもできてしまうので、明日からデザイナーになれるのでは?という生徒さんばかりでした。
データ(RESAS)から地域課題を調べて仮説を立てリサーチする。ついつい他者目線になりがちな課題を「自分ごと」として探求していくという工程を経てから、実際にペルソナ設定をしたりユーザーストーリーを組み立て(加古川東の時はOOUIで)プロトタイプに落とし込んでいきました。プロトタイプは、ユーザー層も幅広いスマートホンのアプリケーションを想定して作成していただきました。実装の難しさなどは気にせず、とにかく「こういうアプリが欲しい!」「こんなアプリがあったらいいな!」を形にしてみることをゴールとしました。
プロトタイプを作る前にFigmaの使い方講習を行って、みなさん本当に楽しそうにFigmaを使ってくださるので、わたしも教えていてとても楽しかったです。
その他の受託案件
デジタル庁様の「Govtech Meetup」にデザイナーとして関わっていました。提案段階の資料のトンマナ調整であったり、全7回の登壇者の方々のサムネ画像の作成など。イベント開催時には、後半に参加者同士のグループワークがあり、その時のMiroを使ってのファシリテーターのお手伝いもさせていただきました。色々な立場の方と、今後のデジタル庁の取り組みについてディスカッションさせていただけた貴重な体験となりました。
市川市様の「デジタルの良さを体験するイベント」は、企画・運営から最終報告までと、並行してデザイン業務も行っていました。コロナの影響もあって当初の企画から大きく軌道修正しなくてはいけない場面もありましたが、協働してくださったCivicTechZenChibaのご協力もあり、2つのイベントを無事に実施することができました。
デザイナーとしての業務は、各イベントのトンマナ(スライドデザイン、SNS画像、配布資料、賞品デザインなど)でした。DX課の方とSlackや直接お電話でやり取りさせていただきながら、短期間で作り上げていきました。
CfJに転職する以前も、行政案件に関わることはあったのですが、デザイナーとして関わることができるのは部分的だったので、あまり全貌が見えていなかったと思います。CfJでは、提案時から関わらせていただけて、その時々でどんな段取りで進めるべきかも考えながらなので、とても大きな学びとなりました。
コミュニティ活動
ソーシャルハックデー
毎月、第4土曜日に実施されているソーシャルハックデーでは、Gatherというスペースデザインを担当させていただいていたり(前回記事参照)。CfJのスタッフが毎月順番に進行担当しているので、順番が回ってくると当日の進行を務めさせていただきつつ、プロジェクトにも参加しています。
今、進行中のシビックテックチャレンジ(子育て編)にも、デザイナーとして参加中です。
Decidim
MoCで活用しているDecidimのデザイン改修にも取り組みはじめています。もともとバルセロナで誕生したオープンソースの参加型民主主義プラットフォームなので翻訳が行き届いていない部分があったり、機能を理解するだけでも時間がかかってしまったりしますが、活用してくださる自治体も今後増えていくと思いますので、しっかり取り組んでいきたいと思っています。
自社サイト
CfJのサイトも、デザインをリニューアルする予定です!
欲張りシビッククリエイターへの道はつづく
こんな感じで、CfJは9ヶ月目のひよっ子1年生ですが、色々なことにチャレンジさせていただいています。シビックテック自体に関わるようになってからは、もうすぐ3年目突入です!
アレもコレも丁寧にやりたいと思ってしまう性分なので、わたしって欲張りで几帳面だなと思うことがあったり。全てのことを完璧に進めるなんて無理なんだから、妥協点を見つけたり誰かに頼ったりしていくことも大事なんだと気づかせていただく場面も多いので、徐々にバージョンアップしていきたいと思います。
皆さんと一緒に、シビックテックの「種」を探して、しっかり育てていけるようにがんばります!
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