アラサー公務員がpa〇rsに課金してみた[最終回]~4回目の初おうちデートで「やれたかも委員会」を見たのは多分俺しかいない件〜
前回までのあらすじ
GWの横浜デート(3回目)
5月後半の星見デート→ガッキーのお仕事多忙でリスケ
6月後半の星見デート→ガッキーのお仕事多忙で夜ご飯に変更
夜ご飯→体調不良でキャンセル。落ち着いたときにご飯に行きましょう。
7月の終わりごろに、
あれ、これ落ち着く時こないんじゃね?笑と終焉の予兆を悟る。
8月某日:ガッキー本当に落ち着いたそうで、ランチデート決行される。
3週間以上音沙汰がなかったガッキーからのラインがこうだ。
「すいません。返信遅くなりました。」
いや、海外旅行でも行ってたんかい!!
お互いの家から近い所でランチということになり、埼玉県民にとっては大都会の池袋や、二人のお家の中間地点などの店を提案してたら、
俺んちから、徒歩2分のイタリアンに決まる。
ガッキー「ランチ14:30からでもいい?」
そう、ガッキーは朝に弱いのだ。
ガッキー「夕方から予定あるから!」
そう、ガッキーは忙しいのだ。
俺は朝に強いので、7時に起きて、バナナとヨーグルトを食べて、ネトフリ見て、家事して、植物の水やりして、ネトフリ見て、11時から2時間テニスをして、我慢できなくて山田うどんの野菜炒め定食を食べて、シャワーを浴びて、デート場所に向かった。
ガッキーは、時間をちゃんと守る子だ。大抵10分前には待ち合わせ場所にいる。おれはそこはルーズなのでガッキーのラインが来てから家を出る。
14:30~ランチスタート
ガッキーはタコライスとオレンジジュース、オレはおつまみ盛り合わせランチとアイスコーヒー
ガッキー「1年ぶりだね!あんま変わってないね!」
オレ「いや、3か月ぶりだけど」
どうやら、時空の流れが違うからお互い会えなかったのかもしれない。
ちなみにガッキーはちょっと丸くなっていた。
ランチでは、夏休み何してたかとか、仕事どんな感じかとか他愛のない話が進む。久しぶりの会話でも、順調だった。
一つミスしたといえば、ガッキーの好きなyoutuberを、「平成フ〇ミンゴ」でなく「ばんば〇ざい」と言ってしまい、
「ほかの女と間違えた?」と疑念を持たれたくらいだ。誰だよばんば〇ざい好きなやつ、出てこい。
ここで、なぜか夕方の予定がなくなったらしく、特にこの後を考えていなかったので、散歩をすることになる。
15:30〜 セイユーの周りをぐるっと回る。
オレの思い出を語りながら散歩する。この地域2年しかいないけどな。
15:40〜 おれんちにくる!?
まさかの展開です。いや、予想はできましたが。「3分で支度するわ!」某ジブリアニメの名言が通じたかわからないが、5分くらいで片付け終わる。ガッキー「わー、意外ときれい!!」ムスカさん、頑張りましたよ。
しかし、飲み物が淡路島で買ったクラフトコーラの原液とヤクルトと水と、一年前に買ったスミノフとブドウサワー、いつも飲んでる黒酢しかなかったので、セイユーに買い物に行く。
16:00〜 セイユ―買い物デート?
クラフトコーラを割る炭酸水、お茶、お菓子などを購入。普通に野菜とか肉とか日用品もちゃっかり買う。初めての共同作業「セルフレジ」
いつも一人でどんどんこなしてたので、分担が難しく、ガッキーに「ちゃんとやって!」と怒られる。
16:20〜 宅飲みスタート!淡路島コーラを飲む。
色々話した後、「ネトフリ見よう!」ってことになるが、
視聴履歴ほぼアニメで冷や汗出る。
具体的に言うと、国民的アニメ「spy family」から始まり、正統派の三月のライオンから、リゼロ、幅広ーくアニメだった。唯一相席食堂と最近見た映画のだけ。
苦し紛れにみたマイリストには、アニメの中にまぎれた、
「やれたかも委員会」が目を引く始末だった。
ガッキー「じゃあ、これで」
え
いや、
これだけはあかんwwwwwwwww
やれたかも委員会とは、
「毎回、女性との「やれたかもしれない」(セックスできたかもしれない)思い出を持つ男性が、面接会場のような場所を訪れ、女性との甘酸っぱさやほろ苦さ残る思い出を独白形式で語る。聞き手である男性2名(佐藤二朗と、女性1名(まいやん)で構成される「やれたかも委員会」メンバーが、最後に「やれた」か「やれたとは言えない」かを判定する。」※wikipediaよりほぼ引用
そして、最後に必ず佐藤二朗の決め台詞がある。
やれたかもしれない夜は、人生の宝です。
「いい、やれたかもでした。」
最初に見た話の題名が、「そら豆と太もも」
恋に打ちひしがれた男性が、2チャンネル的な掲示板に書き込みをした結果、「俺と飲み行くぞ!」とくる。実際に飲み屋にいたのは、めっちゃ可愛い子(武田玲奈)。男っぽい揚げ物でなく、そら豆を注文し、ああ女の子と飲みに来ていると主人公は実感する。そして、飲み会でも、カラオケでも官能的な太ももが気になる。しかし、その子はなかなか帰ってこない彼氏がいる。
オール明け、おんぶでその子を家まで送ろうとするが、近所のコンビニが見えたところで、「お米買いたい」と言われ、コンビニで降ろしてしまいそのままバイバイみたいな話。
やれなかった敗因は、女の子の「お米食べたい」で非日常→日常に戻ってしまったかららしい。
現実世界では、「ああ、この子やり手だなぁ!」「え?」「あー」とか言ってる、ガッキーの太ももが俺の太ももに当たる。なんだこの状況はw
「やれたかも委員会審査員」は、「お米持つよと言って、その子の家まで届けたり、チャッピー(その子の愛犬)見に行きたいなどと言って、「非日常」から、「その子の日常」に溶け込むことができれば、結末は変わったかもしれない」と言っていた。
そして、佐藤二朗はこう締める。
いい、やれたかもでした。
分かりみが深すぎて、「ああ、切ねぇ~~」と感嘆する俺の横で、ガッキー
「いや、共感できんわ」
男のロマンは、分かってもらえなかったようだ。
「どうする?別の見ようか!」
ガッキー「いや、これでいい。」
え、まだ見るんすかw
2つ目の話は、適当に選んだのだが、
会社の先輩とカラオケに来ている男が主人公。いきなり、その部屋に入ってきた女の子二人の一人と意気投合し、空き個室に行き、キスをするが、急に来た友達に「帰るよ~」と言われて、そのまま帰ってしまう。
せめて連絡先を!と、必死に追おうと荷物を取りに帰るが、先輩につかまってしまい、なんとか振り払い、始発前のホームまでダッシュするが、その子の姿はなかった。
そして、男がストーカーになって10年以上その子を探す話。
いや、えぐいてw
画面では、問題の超絶キスシーン。
隣では、ゼロ距離で感じるガッキーの太もも。そして、腕に大きな胸が当たる。岩盤浴セカンドシーズン。理性との戦いだった。
俺は、気まずさもあり、どんどん酒を飲んでいた。そう、酒に弱い俺は、スミノフとブドウサワーで出来上がってきていたのだ。
ここで、ガッキー腕を組んでくる。なんてスベスベなんだ。あかん、心臓の音を聞かれる。
ふと、自分のことをメタ認知してみた。
「やれたかも委員会」を見てる中で、「やれるかもしれないシチュエーション」の当事者になっているカオスな状況に、笑ってしまった。
ガッキー「なんで笑ってんの?」
「いや、ちょっとおもしろくなっちゃって笑」
ガッキーと目が合う。
「あ、くるな」と直感した。
いわゆるまさに、カラオケ屋の男と同じシチュエーションになった。
しばらくして、ガッキーがいきなり、
「これ以上はダメよ。」といなし、トイレに立った。
・・・・・。
部屋には静寂が訪れた。
いつのまにか、3本目のやれたかも委員会が始まっていた。
婚約予定の女性が、同じ会社の男に猛烈アタックされ、一度だけドライブデートをする。別れ際、その男に抱きしめられ「幸せになってください」的なことを言われていた。
地上デジタル放送に切り替えたら、旅番組がやっていた。日光ぶらり旅的なやつ。ぼうーっと見てたら、
ガッキーが戻ってきた。
二人で綾鷹を飲んだ。
結婚式でもらったバームクーヘンを出して、ぼんやり日光ぶらり旅を見ていた。
ガッキー「平和だねぇ」
「それな」
19時くらいにガッキーが急に思い立ったように、
「もう帰る!」
え、急に!?
「駅まで送る!」
帰り際、半分ガチ冗談で
「あれ、もしかして今回も怒ってる?激おこラインくる?」というと、
「はい、まじおこですからね」と怒られる。ただ、今回は少し笑っている。
駅までは、歩いて2分。
特に大した話をすることもなく、駅に向かう階段下についた。
駅の改札まで送ろうとしたが、
「ここまででいい」と階段下でバイバイする。
この後、本当にお家に帰ったのか、それとも、別の誰かと会いに行ったのかは知らない。
最初に見た彼の切り替わりが「お米」なら、
物語の切り替わりは、「綾鷹」と「旅番組」だと思う。
確かに、非日常→日常に切り替わる瞬間だったなあとぼんやり思った。
「夜飯食べるかなあ」とふと思って、冷蔵庫を開け野菜やら肉やらを見渡した後、どうしても作る気になれず、近くのポポラマーマで、海の幸トマトスープパスタ的なのを食べた。なぜだか、虚無感みたいなものに襲われていた。
「今日は、ランチごちそうさまでした。突然お家におしかけてすみません!」的な無難なラインがガッキーから来ていた。
ああ、その後のデートの約束取り付けてなかったなあと、ガッキーが行きたいと言っていた、星見かグランピングでも行こうかと提案したが、
「またお願いします。こちらから連絡しますね!」ときた。
「こちらからの連絡」は、しばらくこなかった。
だから、9月中旬頃、こちらから飲みに誘った。
不思議なほどにすぐにOKが決まる。
そして、しばらく連絡が空いてから、青天の霹靂。(10月5日、つまり今日)
「ちなみに(?)なんですけど私彼氏できたんです〜謎の報告ですがこれからもよろしくお願いします🍑」
.....え????
あっさり、幕は閉じた。
無数の世界線があって、
やれなかった世界線を
人生を振り返ってみた。
恋愛においては、何度も後悔があった。
ずっと自分の思いを伝えられずに、サッカー部の男に取られ、涙したあの瞬間。
友達の好きな人から、猛烈なアプローチが来たものの、友達を選び、しばらくして二人が結ばれたとき、悲しくなって「ああオレも好きだったんだな」と、落胆した瞬間。
幾多もの「失敗」が、いくつもの「瞬間」が今の自分を作っている。
「あの時、こうしていたら。」
と何度も考えるときがある。
でも、今の自分があるのは、そうした過去の集積なのだ。
ああ...また終わったかぁ。外は雨が降っている。
何年後かに、本当に「やれたかも委員会」に投稿してやろうかなと思った。
そしたらきっと、審査員の佐藤二朗さんは言ってくれるだろう。
「いい、やれたかもでした。」
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