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僕がある人を追いかける理由

ある有名人に対して、「その人が好き」な状態を表現するのは難しい。

僕の言う「好き」には男性の有名人も入ってるんだけど、
単に「好き」って書くと恋愛感情がありそうな気がするし、
「推し」というとお金を費やさなきゃいけない気がするし、
「ファン」だともっと熱狂的な感情だと捉えている。

とりあえず時間だけ費やすということで「追いかける」とした。

ある有名人を追いかける理由って、2つあるような気がする。

・アイドル(自分の理想「像」)として好き

理由の第一に容姿があって、次以降に人格が出てくるタイプ。
この場合、自分の理想の相手または目標として好きになるので、そこにむけて努力しようと自分を磨いたりする。
このタイプは、理想像を自分の中で作っているので、そこからかけ離れたところが多く目についたときに、「裏切られた」という形で離れることがあると思う。

・その人のストーリーが好き

仮にこう名付けてみた。好きになる入り口は何かしらあるんだけど、
理由の第一にその人のストーリーが主軸になって好きでいるタイプ。
(どんな経験を経てきたか、役柄を外した素の立ち振る舞い、普段どんな生活をしているか、複数人の関係性とか。)
容姿はほんの入り口だけで、理由としては二の次三の次になる。

僕がこのタイプだと思っていて、前者は反語的に想像で書いてみた。

昔から、好きなタイプって、有名人で例えると誰だろう……と思ってたんだけど、僕にとって「アイドル」って偶像的でかけ離れすぎているからだと思った。 作品や歌う曲の中では、表に出ている顔のまま、役を演じているわけで、僕には、素のその人がどういう思いで生きているのかが見えなかった。 第一印象として容姿などに惹かれはするけど、ずっと追いかけるところまではいかない。

そんな僕が最初にファンになったのはASKAさんだけど、雑誌のインタビュー記事をメインとして、どんどんとストーリーが補完されていった。
「十年の複雑」という本で、アルバムPRIDE辺りまでの明確な歴史がわかった。 月間カドカワで特集された。 ファンクラブに入り、TUG OF C&Aという会報を見ていたのも大きいだろう。

また、ラジオも大きな理由だった。
高校の頃は、DJの赤坂泰彦さんの番組を聞きながら勉強をしていたものだ。
ラジオって、テレビとかの表に出る「役柄」だけじゃなくて、素の性格や生活が垣間見える。またゲストでお互い呼ばれて、そこで複数人の関係性が見えてくる。
チャゲアスの二人もよくゲストに来ていたと思う。中学でチャゲアスにハマったこともあって、貴重な情報源だった。
チャゲさんもASKAさんも、素はとても気のいい人達だ。
その流れから深夜、のるそるとかラジ王も聞いたなぁ。

年を経てハマったのが声優さんだ。声優さんは相互にラジオにゲストとして呼ぶし(最近でもインターネットラジオが盛況だ)、アニメ作品枠でニコ生の宣伝番組をやるし、養成所時代の同じクラス・同じ事務所・同じ作品で共演……と関係性が入り乱れる。 どんどんと色々な人が気になる「沼」だ。

最近だとYoutubeがメインかなぁ。
GuuGooチャンネルとか、ラジオスターダストボーイズとか、天津向さんと声優さん・芸人さん達とか、カプリティオチャンネルとか……。 キッカケは様々あるけれど、結局は男女関係なく、その人の履歴、複数人の関係性、素のその人、というあたりに惹かれる。

昨年、ASKAさんの詩集が出た頃、僕の妹の旦那さんがうちの実家に来ていて、「事件のあとの心情も書いてあるからちょっと読んでみて」と話したことがある。彼の反応はNOであった。
彼は氷室京介さんの大ファンなのだが、彼の中で氷室さんはストイックな理想像としてあり、氷室さんがランニングをしていて、同じように始めたほど好きだそうだ。 つまり、ASKAさんのように事件を起こした段階で、理想像として崩壊しているので、尊敬に値しないそうだ。
(その場で十分話しをして、後日、坂上さんの番組キッカケだったかな。ASKAさんについては分かってもらえたが。)

僕の場合は、インタビュー記事や会報で知ったASKAさんのスタンスがずっと根底にある。特にASKAさんの場合、インタビュー記事で語られる内容について、新旧比べても矛盾がで全く起こっておらず、昔から一貫しているのだ。
「こんな音楽に対して誠実な人が、事件を起こしてしまうような時代こそ間違っているのではないか」という絶望がまず先にあった。
むしろ事件後のほうが、縛りから解き放たれて自由になった感がある。

この人が、このグループが生みだすものを、ストーリーを、関係性を見ていたい、最後まで追いかけていたい。 それが僕が追いかける理由だ。

以前、今年のASKAさんのライブを見られたs.e.i.k.oさんが、「めくるめく多面体を見せられた」と表現されていた。
僕はまさに、いろいろな人の、特にASKAさんのこれをずっと追いかけているのだろう。

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そういえばテレビや映像作品の配信サービスってあんまり見たいとは思わないなぁ……と考えてたんだけど、このへんまで考えが及んだので。

テレビにしろ映像作品にしろ、演じる人は役柄が明確にあるので、配信サービスで多くの作品を見たくなる理由が、僕にとっては乏しい。
一旦見れば作品自体のストーリーにはハマると思うけど、なかなか素のその人までには至らない。 むしろYoutubeの方が………と。

追いかけている人が直接参加した作品は、見てもいいかなぁと思う程度で、確実に見るわけでもないので、自分はあんまり美味しいお客さんではない。

読み返して、アイドルもハマりそうに見えるなぁと思ったけど、素のストーリーというところに行き着かないのは、ラジオ聞いてないからかなw

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