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専門知識でも問われた危険度分布【第59回-実技1-問4(3) 気象予報士試験の解説】

第59回気象予報士試験の実技1を解説していきます。
全ての記事を無料で公開します。
1人でも多くの人に、気象について興味を持ってもらえたらうれしいです。

問題

(3) 図13は18日12時の土砂災害の危険度分布(キキクル)である。このような状況になったときに、東京都八王子市および神奈川県相模原市に対して、土砂災害を対象に発表される防災気象情報について、下の枠内からすべてを選び、記号で答えよ。

ア:大雨特別警報(土砂災害)
イ:土砂災害警戒情報
ウ:大雨警報(土砂災害)
エ:大雨注意報

(一財)気象業務支援センターの掲載許可済
(一財)気象業務支援センターの掲載許可済

危険度分布(キキクル)と防災気象情報の対応

危険度分布(キキクル)がどのようなとき、
どんな防災気象情報が発表されるのでしょうか。

実は、同じ回の専門知識でも、同じことが問われています。
解説はコチラ(気象予報士ユキ・第59回-専門-問13)

その際、防災気象情報と危険度分布の色について、
次のとおり解説しました。

・気象庁の特別警報=災害切迫・色=市町村の緊急安全確保=レベル5
土砂災害警戒情報=危険・色=市町村の全員避難=レベル4
・気象庁の警報=警戒・色=市町村の高齢者等避難=レベル3
の組み合わせを少なくとも覚えておくとよいでしょう。

気象予報士ユキ・第59回-専門-問13
(出典1)

八王子市は注意報

まず、八王子市の危険度分布は、黄色、
凡例でいう、注意【警戒レベル2相当】です。

これは、防災気象情報でいう注意報に対応します。
したがって、解答は、エ 大雨注意報です。

相模原市は警報・土砂災害警戒情報

続いて、相模原市では、黄色・赤色・紫色があります。

まず、黒色がないので、ア 特別警報は発表されません。

また、紫色があるので、イ 土砂災害警戒情報が発表されると考えられます。

さらに、土砂災害警戒情報が発表される際は、
必ず大雨警報(土砂災害)も発表される
ことになっています。

 土砂災害警戒情報は、大雨警報(土砂災害)の発表後、命に危険を及ぼす土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況となったときに、市町村長の避難指示の発令判断や住民の自主避難の判断を支援するよう、対象となる市町村を特定して警戒を呼びかける情報で、都道府県と気象庁が共同で発表しています。

(出典2)

したがって、解答は、イ 土砂災害警戒情報、ウ 大雨警報(土砂災害)です。

まとめ

いかがでしたか?😁

同じ回の専門知識と、同じことを問われました。
専門知識をマスターしていれば、この問題と併せ、
一石二鳥だったでしょう!

特に、防災気象情報と危険度分布(キキクル)の対応、すなわち、
・気象庁の特別警報=災害切迫・色=市町村の緊急安全確保=レベル5
土砂災害警戒情報=危険・色=市町村の全員避難=レベル4
・気象庁の警報=警戒・色=市町村の高齢者等避難=レベル3

また、土砂災害警戒情報が発表の前に、
大雨警報(土砂災害)も発表される点は、
専門知識でもよく問われます!(^▽^)/

出典など

出典1:「気象庁|防災気象情報と警戒レベルとの対応について」(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/alertlevel.html)から抜粋して作成
出典2:「気象庁|土砂災害警戒情報・土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)」(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/doshakeikai.html)から抜粋して作成

※ 本記事における解答や解法は、個人の見解であり、(一財)気象業務支援センターとは関係ありません。