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【書評】真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン――名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法 (サラタメ著)

登録者60万人超えのサラリーマンYouTuberサラタメさんによる、新しいサラリーマンの生き方を書いた本である。

サラタメさんはサラリーマンYouTuberを名乗っているだけあり、サラリーマンを続けながら副業をすることを進めている。

残念ながら、サラリーマン業は、自分のやりたいことを突き詰めて稼ぐ仕事じゃありません。あくまで、会社が掲げるミッションを遂行して稼ぐ仕事です。

副業は収益をあげるまでに時間がかかり、そのためにはサラリーマンという安定的な収益をあげながら副業活動することをすすめている。しかし、副業は収益をあげるまでは時間がかかるが、一度利益が出始めると加速度できに収益がのびていくともいう。

ジワジワと安定的に伸びていく会社員の給料(給与所得)に慣れている人には、イメージしにくいかもしれませんが、副業からの収入(事業所得)は、長い間ずっと地を這っているかと思いきや、あるタイミングを境に爆発的な伸びを見せます。
地を這う期間でも、じっくり焦らず継続できるかが勝負のカギを握ります。
私も、副業が報酬を生むまで約2年かかりました。「オレ、毎日、何やってんだろ……」と何度も思いました。ただ、そこをグッと我慢し、一度報酬が生まれる仕組みをつくってしまえば、そこからの伸びはスゴいですよ!(その半年後には、本業の月収を超えましたので)
この経験値を積み上げる期間は、とてつもなくしんどい。ですが、ビジネス戦略として重要な意味を持ちます。この積み上げ期間がしんどければしんどいほど、後発参入組もしんどくなるからです。そうなると、参入者が激減するので、あなたのビジネスが長期的に安定することにつながります。

YouTubeで成功するためには量が大切とよく言われるが、それは「ザイオンス効果」が働くためである。「ザイオンス効果」とは、「単純接触効果」とも呼ばれ、相手に何度も接触していると、好感度や評価などが高まっていく心理効果のことである。そのため、YouTubeで成功するためには質を高めるとともに、量を増やす必要がある。サラタメさんも軌道にのるまでに週22時間ほどYouTube製作に時間を費やしていたという。

そして、続けるためには自分が苦にならない作業をすることが大切であるという。

周囲から「それ大変じゃない?」と心配されるけれど、自分にとってはまったく苦でない作業です。そういう作業は、他の人たちが大変だと思ってくれるので、参入してくる人が多くない。つまり、ライバルが増えにくいのです。
ぶっちゃけ私も、YouTubeで話す作業をずーっと続けていたいほど好きなわけではありませんが、他の人より全然苦じゃないみたいです。同時期にYouTubeを始めた友人が続々と脱落していく中で気づきました……(笑)。
「いろいろ試す→ツラくない仕事に絞る→自分の経験や興味を活かして単価アップ→任せられる部分は人に任せる」といったスモールビジネスを切り盛りする手順は、ずっと使えるものだと思っています。

その他でもYouTubeで収益化するためのコツとして、「個人のお小遣いではなく、企業の経費を狙う」、「有益な情報発信から始めて、いつかは世界観も伝えられるように発信する」、「量産するために外注する」など役に立つノウハウが多数掲載されている。サラリーマンをしながら副業をしたいと考えている人には必読の書である。

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