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【書評】これからの集客はYouTubeが9割(大原昌人著)

自身もYouTuberとして活躍し、YouTubeプロデューサーとしても活躍する大原昌人氏による、YouTubeで集客するための方法論が書かれた本です。

YouTubeの強みはなんといっても、時価総額世界トップ5のGoogleが所有しているということです。つまり、世界最高の企業がもっているテレビ局です。マーケティングにおいて、このプラットフォームを使わない手はありません。

YouTubeでの集客を考えたときに、「既に多くの人がやっているから遅いのではないか?」と躊躇してしまいますが、筆者はそんなことは決してないと言います。

いまのところYouTube上で情報発信をしている人は、YouTube利用者のうち、わずか0・03%しかいません。 世界中の驚くべき利用者数からすると、「発信者側」としてYouTubeというツールを使用している人は、1万人に3人という割合なのです。
現在どのジャンル・テーマにおいても、テキストコンテンツの量を100とすると、動画コンテンツは1〜10程度しかなく、そこには10〜100倍の差があります。

YouTubeはまだまだブルーオーシャンでチャンスに満ち溢れています。本書にはそんなYouTubeを攻略するための様々なノウハウが記載されていますが、やはり「テーマの選定」が最も大切だといいます。

チャンネル 登録 者 数 が 1000 人 に 届く までは、 基本 的 に「 ヒット し て いる 動画 テーマ を 攻める」 という 戦略 が 効果的 です。 徐々に 視聴者 が つき、「 この チャンネル が 出し て くれる 情報 なら 有益 に 違い ない」 という 認識 まで 持っ て いけれ ば、 オリジナル の コンテンツ を 出し ても 伸び て いき ます。
 例えば税理士の方であれば、「個人事業主や中小企業の社長向けの〝節税術〟」を大テーマとし、そのテーマに即した「経費申請の賢い方法5つ」「個人事業主が法人成りで節税するための売上目安3つ」などの動画をアップしていくのがいいでしょう。 悪い例で言うと、税理士として集客したいのに、エンタメ系の「メントスコーラやってみた」や「料理動画」、自分語りの「起業話」など、目的からそれた動画をいろいろとアップしてしまうケースです。
例えば、私が運営するチャンネルで「持続化給付金もらった後に注意すべきこと」というコロナ助成金関連の動画を出したことがあります。そのテーマは、すでに他のビジネス系チャンネルでたくさんアップされていたジャンルで、動画への流入経路は、他人の「関連動画」が大半を超えていました。 この動画は関連動画からの流入で伸び続け、最終的に30万再生を超え、これ1本のみからのチャンネル登録者数は1000人を軽く超えていました。「持続化給付金」は、コロナ禍で打撃を受けた事業者が対象で、返済義務のない給付金の情報だったため、動画の検索や関心のニーズも多く、一気に伸びていきました。

本書では、豊富な事例が沢山掲載されている点も説得力があり、素晴らしいところです。

個人事業主や経営者の方々に向けて「起業・ビジネス」のノウハウや、使える助成金などの情報を発信しはじめたのですが、チャンネル視聴者数がわずか半年で5000人を超え、現在では2・5万人を突破。月間ではチャンネル単体の視聴者数が90万人を超える月も出てきています。そのYouTubeをきっかけに、コンサルティングやプロデュースの依頼や問い合わせが急増し、月間で1000万円の売上を超える月もあるくらいに成長したのです。 そして私のクライアントも、現在進行形で、売上を大きく伸ばすことに成功しています。 そう、YouTubeは、まだまだ「ブルーオーシャン」。〝先行者有利〟の市場であり、「始めるのに遅すぎる」ということはないのです。
個人で活動しているある税理士さんは、「わかりやすい節税対策」や「確定申告の方法」「ビジネスと税金まわりの情報」などを、2年ほど前からYouTubeで発信しはじめました。 最初は動画の撮影や編集などに手こずっていた様子でしたが、2〜3カ月もすると、スムーズに動画をアップできるようになっていました。いまでは、チャンネル登録者数が2万人を超え、「私の会社を見てほしい」というコンサルティングの依頼が、毎月10件以上もコンスタントに入ってくるようになりました。 お客さんに依頼した理由を聞いてみると、やはりYouTubeで毎日、税金まわりのテクニックなどを聞いているうちに、親近感が湧いて「この人にお願いしたい」という気持ちが生じてきたそうです。 そうした顧客心理は、マーケティングの世界では「ザイオンス効果」という名前がついています。「人は接触頻度が多くなればなるほど、その対象に対して親近感を持つ」という効果のことです。 その税理士さんは、「毎日動画で観ているうちに、まるで昔からその人を知っているかのような効果」が得られたわけです。

YouTubeで集客を考えている方は是非読む価値のある一冊です。

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