21/1/11 CFOの役割
会社には、ビジョンを創り出す人とそれをサポートする人がいる。後者の代表的な例がCFOである。CFOとは、会社の財務に関する業務執行を統括し、会計、予算、デリバティブ、保険、税金、及び資金を含むすべての財務に関する職務に責任を負うとされている。業務範囲は多岐にわたり、CEO・COOの「片腕」ともいうべき存在である。
より具体的にCFOの役割について、KPMGのレポートを参考にしながら考えていきたい。
CFOに求められる役割には大きく分けて4つの領域がある。「成長」、「効率」、「ガバナンス」、「コンプライアンス」。
この4つの領域について、具体的な職務は下記の通りである。
①成長:経営計画、投資判断(M&A等)、管理会計、財務戦略、資金調達(IPO等)、資金管理、IR、海外展開、デジタルへの投資
②効率:経理財務業務の自動化・効率化・リモート化、コスト最適化
③ガバナンス:コーポレートガバナンスの構築、内部統制の構築
④コンプライアンス:会社法、金商法、会計基準、内部統制基準、税法等の各種法令順守
CFOに求められる領域、及び、具体的な職務は上記の通りである。これらを全て兼ね備えるためには、長い時間をかけて経験を積む必要がある。最低でも14年はかかるだろう。しかし、14年かけてこのスキルを身につけることができれば、需要もあり、希少価値の高い人材になることができる。
これらのスキルを身につけることができれば、どんな経営者からも声をかけてもらえる存在になれる。逆に自分が経営者を選べる立場になれる。そうすれば、自分でやりたいプロジェクトを選び、自由に仕事をすることができる。スタートアップに参加する報酬としてストックオプションを付与してもらえば、労働者から資本家にもなれる。何回かIPOを繰り返せば、資産の厚みも増してくる。
CFOのミッションは、「経営者のミッション実現をサポート」することにある。現在、日本で最も攻めた財務戦略を執っているソフトバンクCFOの後藤 芳光氏は、CFOの役割は「経営と最高にシンクロすること」であると仰っている。経営者の右腕として、魅力的なビジョン実現に貢献する、それがCFOの役割である。
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