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チョコを味わう

昨日はバレンタインでしたね。
東京タワーもピンク化していました。

毎年バレンタインシーズンになると、小中学校時代に母と一緒にシュークリームやチョコなどをつくっていた情景が蘇ります。
友人と手作りお菓子を交換し合ったり、父や弟がもらってきたチョコを奪い分けていただいたり、子どもながらに平和に楽しんでいました。
大人になってからは、市販の限定チョコやお取り寄せに惹かれるようになり、チョコを手作りする機会がなくなっていきました。

しかし今年は、友人に「家でチョコを作ろう」と誘われたので、久しぶりに手作りチョコに挑戦しました。
誰かと一緒に料理をするのは楽しいですね。
子どもの頃と違うのは、お酒を飲みながら、自分のために作るという点でしょうか。

毎年購入していた高級チョコと比べると見た目は劣りますが、友人と一緒につくった簡易トリュフは圧倒的に満足度が高いチョコでした。
手作りには作る過程があるので、五感(視覚、触覚、嗅覚、味覚、聴覚)がより強く刺激されることに加え、味評価のために集中して咀嚼するので、より美味しく感じるのだと思います。

近年、瞑想が流行りつつありますが、食べる瞑想(マインドフルイーティング)という瞑想法があるのをご存知でしょうか。
「ながら食べ」ではなく、「食事の瞬間に集中して味わいながら食べる」食事法です。
レーズン・エクササイズという方法が有名で、1粒のレーズンを10〜15分かけて五感をフルに働かせながら飲み込んでいく心理療法があるのですが、この機会にチョコで試してみてはいかがでしょうか。

①手に取る:硬さや柔らかさ、温かさや冷たさは?
②見る:まるで初めて見るものであるかのような気持ちでチョコを隅々まで丁寧に観察する
③感触を確かめる:ひっくり返したり、つまんだりする
④匂いを嗅ぐ:匂いの変化は?強さは?
⑤口に入れる:ゆっくりと口に運び、噛まずにチョコの表面が溶けていく感覚を感じきったら、舌で転がしてみる。味や形、唾液の変化を感じる
⑥噛む:1回ゆっくり噛んでみて、口の中の変化を感じる
⑦飲み込む:飲み込む時の舌や喉の動き、食道を通って胃に落ちていく感覚を感じる
⑧余韻を味わう:口の中のチョコの後味は?

マインドフルネス(mind-ful-ness)とは
意図的に、今この瞬間に、価値判断や解釈をせずに、注意を向けることで生じる気付きのことをいいます。

私たちが落ち込んだり不安になったりしている時というのは、目の前から注意が離れて、今この瞬間の気づきに注意を向けられていない状態です。つまり、「今この瞬間」ではなく、「過去や未来の中」に生きている状態です。

(1)落ち込んでいるとき=過去に注意がとんでいる
例)「あのとき、何故あんなことしたのだろう(過去形)」
(2)不安な時:未来に注意とんでいる
例)「これからどうなるんだろう」「〜になったらどうしよう(未来形)」

落ち込みや不安(=過去や未来)に囚われてそこから抜けられなくなっている時こそ、意図的に目の前のことだけに注意を向け直すことで、このサイクル(反芻思考)から抜け出すきっかけになるかもしれません。
つまり、マインドフルネスは注意をシフトしていく訓練にもなるわけです。

たまには「ながら食べ」ではなく、食事中の体験や五感に注意を向けて、丁寧に味わいながら食事時間を楽しめたらいいなと、チョコを食べながら思いました。
そんなバレンタインでした。

港助産院 城野
http://www.minato-josan.jp/


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