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新幹線で隣にすわったお母さんへ。

先日、大阪京都へ桜を見に行きました。

ほんとの目的は、自分のオンラインサロンメンバーとのオフ会&自分が所属しているサロンメンバーとのオフ会に参加するためです。

サロンについてはおいおい話すとして、その帰りの新幹線での出来事をどうしてもお話ししたいのです。


スーツケースを持っているわたしは、新幹線の指定席を予約する際に、大型荷物がおける場所を選びました。たいていそれは出入り口付近にあります。

その日は、わりと混んでいたので、窓際があいておらず、二人席の通路側を選択。月曜日なので、ビジネスマンが隣になるのではないかと予想していました。


ところが乗車してみると、1歳になるかならないかの赤さんとまだ20代後半くらいのお母さんです。

わたしが来る前は、二人分の席を利用して、赤さんを遊ばせていたのですが、わたしが来たために、お母さんは赤さんをひざに抱っこしました。


なんとも居心地が悪い。


わたしは社内で仕事をするつもりでパソコンを用意していましたが、おそらく赤さんは、気になって触ろうとするでしょうから、仕事はあきらめて、読書をすることに。


お母さんは、赤さんの気を紛らわすためにおやつを取り出し、食べさせます。

「あーくん(仮名)、おいしい?」

まだしゃべることのできない赤さんに優しく話しかけながら、でも、わたしに赤さんが迷惑をかけないように緊張しているのが分かります。


わたしは赤さんに触られても、引っ張られてもぜんぜん迷惑ではありません。むしろ好物です。

でも、きっとわたしがそういっても、お母さんは気にするでしょうし、逆に、馴れ馴れしくされるのは鬱陶しいと感じるかもしれません。


そんなわけで、わたしは努めてクールに、赤さんは別にきらいではないけれど、特別好きでもないていで座っておりました。


おやつが終わって、だんだん眠くなってきたのか、赤さんがぐずりはじめました。

そんな赤さんを、向かい合わせでしっかり抱いて、トントンと背中をたたくお母さん。

「あーくん(仮名)、おねむだねー。ネンネしようね」


あーくんは、ぴたっとお母さんの胸に寄り添ったかと思うと、ガバッと起き出して、お母さんの顔を見たり、ゴソゴソと落ち着きません。

お母さんは「お外を見てごらん」と、なるべく赤さんがわたしにちょっかいをかけないように誘導します。

「お花がきれいだねー」


なぜかわたしはその様子を見て、グググと熱いかたまりが胸の奥から込み上げてきました。

わたしも子供たちが小さいときは、無意識に同じ様なことをしていたんだけど、こうして客観的にみると、そのすべてに赤さんへの愛情を感じます。

子供って、こんなにガバガバと愛情を注がれて、育っていくんだなー。


そこへ、車掌さんらしき人がやってきて

「あちらの3人席が空いてますので、もしよろしければお移りになりますか?」


わたしは少し躊躇しました。

もしここでそれを受け入れれば、赤さんとお母さんの隣に座ったことを迷惑がっていると思わないだろうか?


いや、逆に、わたしがいなくなったほうが、お母さんは気楽になるはず。


「あ、ぜひお願いします」


それを聞いていたお母さんが

「ほんとに申し訳ないです。すみません」とあやまります。


「いえ、ほんとにぜんぜん迷惑ではないです。でも、わたしがいないほうが席を自由に使えますので」

そう返して移動しました。


公共機関に小さい子供と乗るときの緊張感。車中で眠らせるために、その前に思いっきり遊ばせて、ミルクをたっぷりのませて、とあれこれ準備して、それでも寝てくれなくて、泣き出して、周りにあやまりつつ、こっちが泣きそうな気分になったことを思い出します。


世の中のすべてのお母さんに言いたい。


赤さんがあばれたって、泣いたって、お母さんが恐縮する必要はないのです。

むしろこんな時代に赤さんを産んでくれてありがとうと言いたい。


そして、JR東日本の車掌さん、気の利いた計らい、グッジョブです!

きっとわたしだけでなく、お母さんへの気遣いだったのでしょう。

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