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社会福祉士の試験対策(行政事務職員の私がなぜ社会福祉士の資格を取得したのか?シリーズ vol.4)

「行政事務職員の私がなぜ社会福祉士の資格を取得したのか?」について、シリーズものでお届けしています。

シリーズ全体の目的は、次のとおりです。
行政事務職の方に社会福祉士を知って欲しい。
社会福祉士をめざしている方を応援したい。
地方公務員をめざしている方に福祉行政の仕事をお伝えしたい。

前回vol.3は、”なぜ行政事務職員の私が社会福祉士をめざしたの?”と題して、私の原体験などをお伝えしました。

今回は、社会福祉士試験対策を中心に述べようと思います。

<目次>

1 社会福祉士って何?(vol.2参照)
https://note.com/for_well_being/n/n67ff96ffdd78

2 なぜ行政事務職員の私が社会福祉士をめざしたの?(vol.3参照)
https://note.com/for_well_being/n/na49234a5c2e7

3 社会福祉士の試験対策(今回の内容)


以下、次回以降に予定している内容

4 社会福祉士の受験勉強の成果はどう生きているか?
5 社会福祉士の資格を今後どう活かしたいか?
6 社会福祉士に興味を持たれたあなたへ




3 社会福祉士試験対策

社会福祉士になるには、最終的には国家試験を受けるのですが、その受験資格を得るたには様々なルートがあります。

(参考)社会福祉士国家試験 受験資格ルート図(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)

私は、上記リンク先の資格取得ルート図でいう第9号のルートです。すなわち、社会福祉主事養成施設で社会福祉主事の任用資格を取った後、2年間の実務経験を経て、社会福祉士短期養成施設を終了し、国家試験を受けて、合格した後、国に登録して晴れて社会福祉士になりました。トータルで4年かかりました。

でも最初から社会福祉士になることまでは考えていませんでした。

実は、社会福祉主事を取った後、2年間の相談援助業務が得られる見込みが立った時点で、ステップアップとして社会福祉士を意識し始めましたのです。

(1)短期養成施設入学資格を得るまで

私の場合、まず、短期養成施設への入学資格を得るまでに、

①通信教育で半年ほどかけて社会福祉主事任用の資格を取って、

2年間の相談援助実務経験(見込)を経て、

③その相談援助経験は指定されたものではなかったため、厚労省の個別認定というものを受けて入学が決定しました。

①の社会福祉主事任用の資格(生活保護のケースワーカーは社会福祉士主事である必要があり、社会福祉士などはその任用資格となります)の研修はどなたでも受講可能です。

私は、社会福祉法人 全国社会福祉協議会 中央福祉学院という関東の養成施設で取得しました。

関東の養成施設、と言っても基本は通信講座で、半年ぐらいかけて600字程度のレポートを15本作成し、数日間のスクーリングを受け、簡単な確認テストも行い取得しました。

(参考)いわゆる三科目主事の場合
 社会福祉主事任用資格は、いわゆる”三科目主事”といって、指定された科目メニューのうち三科目を一般の大学で取得していれば得られます。
 ただし、社会福祉士の受験資格を取ろうとした場合、この三科目主事の場合で、一般の大学や短大等で科目を履修した場合は、相談援助業務に指定された年数従事(最大4年)する必要があります。そして、その後、一般養成施設に1年以上通って終了すると、国家試験の受験資格が得られます(第3,6,10号、令和4年5月現在)。
詳しくは、養成施設等にお問い合わせください。


次に、②の相談援助の実務経験については、社会福祉主事の資格取得後のル-トとしては、2年間の実務経験を要します(第9号)。

私は、虐待対応や生活が困難で放っておくと生命に影響が及びかねないご家庭に関わっては来ました。しかし、例えば、生活保護のケースワーカーでしたら、実務経験は簡単に”公認”となるのですが、私の業務は、公認メニューにないため、個別に厚労省に実務経験の認定を受ける方法を取りました。

個別認定は、レアだと思いますので、詳しい事は、以下に小さくまとめておきますね。

(参考)厚労省による実務経験の個別認定
 認定は養成施設を通じて厚労省に申請するのですが、私は養成施設に相談しながら、私が虐待対応で直接相談援助したケースなどの事例を挙げ申請しました。

 個別認定がすんなり行ったかと言えばそうではなく、厚労省からいくつかの質問があったため、関係書類を提出しました。

 私の場合は、常時相談援助をしていたわけではなく、福祉サービスの支給決定等の事務処理もしていました。しかし、虐待対応という生命や人権と隣り合わせの業務に直接従事したこと、および、私の部下に対して虐待対応のスキルが育つようスーパーバイズして育成したことなどが、個別認定された理由だと感じています。

(2)養成施設を卒業するまで

いよいよ、社会福祉士の受験資格を得るため、短期養成施設卒業をめざします。

4月から9月までの短期でしたが、テキスト等を読みながら文字数1200字程度(社会福祉主事の時の倍です)のレポートを13本作りました。また、土日のどちらかは、1日レポート作成に当てました。ただし、社会福祉主事の時にひと通りレポートを作成してましたし、これまで福祉行政に関わってきたこと、行政事務で文書作成は慣れていたためスムーズでした。

また、スクーリングは従来ですと泊りがけが2回ほどあるのですが(中央福祉学院の場合。全国で幾つか会場があるのですが、福岡県から最も近いのは神戸なんです。※令和3年時点)、コロナ禍ということで完全オンラインでした。全国各地から集まった様々な職種メンバーも、完全オンラインだからという理由で申し込まれた方が多いように思えました。

(3)受験勉強

全てのレポートを提出し、本格的に勉強を始めたのが9月頃からでした。

試験は丸1日かけて全19科目150問の選択式問題が実施されます。

私の試験勉強は、テキストとしてテコム社の「合格教科書」を中心に、「過去問題集」で過去問を解いて、「模擬試験」を2回受けました。

勉強時間についてですが、養成校からはしっかり確保するよう言われるのですが、そんなに時間は確保出来ません。睡眠時間を削ると仕事に影響が出てしまいます。平日は1日平均30分程度、週末は土日どちらかで勉強しました。

また、「合格教科書」を執筆された飯塚慶子先生のオンラインセミナーも参加しましたし、福岡県社会福祉士会が主催する2日間の直前対策リアル講座にも参加しました。社会福祉士会主催の講座で使うテキストは私が使っているものと別のものを購入する必要がありましたが、人の話を聞いて勉強する事、周りに同じ勉強をされる方がいる事で、受動的ではありますが、とても楽で、集中できました(ちなみに集合研修でも最前列のど真ん中に座ると、積極度が高まり、興奮します🤣)。

セミナーを受けることのメリットは、次の3点です。

①これまでの傾向や試験作成委員の得意分野を熟知した講師が試験に出そうなところを効率よく教えてくれること。

②自分では気づかない落とし穴を教えてもらうこと。

③こうしたことも含めた勉強方法を教えてくれること。例えば、人は忘却曲線に沿ってすぐに忘れるが、早めに復習する事で短期記憶から長期記憶に移行するなど。

私は、一発で合格したいと考えていましたので、参考書、模試、セミナーと結構お金をかけました。お金をかけると自分へのプレッシャーも高まります。

模擬試験のメリットは、次の3点で効果があったかと思います。

①自分の実力の無さを痛感すること(弱点を知ること)

応用力をつけること

③試験本番の緊張感を和らげる

そして、試験直前の1,2か月前は、とにかく暗記!ということで、エクセルに模擬試験で間違った箇所など暗記したい項目をデータベースとして記載し、スマホでも見れるようにして、通勤電車で繰り返し見ていました。ちなみにデータベースは全部で1000個ほどになりました。

あとは、語呂合わせも沢山作りましたね!
以前のブログでご説明した、ケースワークにおけるケースワーカーの心構えを示すバイスティックの7原則の場合、“こいとじひじひ”という、語呂合わせとも言えない呪文で覚えました(笑)。でも今でも覚えるんですよ。

バイスティックの7原則
 こ 個別化の原則
 い 意図的な感情表現の原則
 と 統制された情緒関与の原則
 じ 受容の原則
 ひ 非審判的態度の原則
 じ 自己決定の原則
 ひ 秘密保持の原則

こういった暗記物は、試験では無く、実務上は随時スマホで調べるとすぐ分かるのですが、基本的な事を記憶することは大切だと思いました。覚えようとすると、それをさらに通り越して、刷り込まれるんです。刷り込まれると実践で役立つと思うんです。

(4)いざ受験

さあ、2月の受験です(令和3年度)。私はとにかく体調管理には気を付けました。特に食事は試験数日前から消化のいい粗食にし、睡眠も十分取りました。

また、試験は日曜日でしたが、職場の理解を得て金曜日は休みをとって、金土で最終仕上げ。覚えまくりました。

第34回 試験問題の一部

(5)合格発表後

合格発表は試験の約1ヶ月後でした。

合格基準は150問中、約6割の正答とされていますが、実際の合格ラインは毎年変わります。私が受験した第34回は7割正答しないと合格しませんでした。合格率は令和3年度まで30%台が続いています。

(参考)合格率 厚生労働省

さて、今回はここまでです。

資格取得に向けて勉強されているみなさま。
いつも応援しています📣
私でご相談に乗れることがありましたら、コメントをお寄せください。

さて、次回は、これからどうしたいかを中心にシリーズ完結となる投稿をしたいと思います。6月中旬頃を予定しています。

ここまで、読んでくださってありがとうございます。
ご意見、ご感想を、ぜひお寄せください。

【本記事の留意点】本記事は私が社会福祉士という立場において個人の責任で記載しているものです。行政職員の視点に寄せた内容にはなっていますが、当然に私が所属する行政組織における公式見解ではありません。お問い合わせは私個人のみにお願いします。また、本ブログの情報は、私が令和3年度に社会福祉士短期養成施設に入学し、令和4年2月の第34回社会福祉士国家試験を受験した経験を基に作成しています。

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