行政事務職員の私がなぜ社会福祉士の資格を取得したのか?vol.3 私の原体験

「行政事務職員の私がなぜ社会福祉士の資格を取得したのか?」について、シリーズものでお届けしています。

目的は、次のとおりです。
・行政事務職の方に社会福祉士を知って欲しい。
・社会福祉士をめざしている方を応援したい。
・地方公務員をめざしている方に福祉行政の仕事をお伝えしたい。

前回vol.2は、”社会福祉士って何?”と題して、社会福祉士の概要や専門スキルの一部についてご紹介しました。

今回は、私の原体験を中心にお伝えしたいと思います。

<目次>

1 社会福祉士って何?(vol.2参照)
https://note.com/for_well_being/n/n67ff96ffdd78

2 なぜ行政事務職員の私が社会福祉士をめざしたの?~私の原体験~(今回の内容)

(1)なぜ社会福祉に興味を持ったのか?

(2)なぜ資格を取ろうとしたのか?

(3)なぜこの時期に取ったのか?


以下、次回以降に予定している内容(前回ブログでお知らせした予告から一部変更しました)
3 社会福祉士の試験対策
4 社会福祉士の受験勉強の成果はどう生きているか?
5 社会福祉士の資格を今後どうしたいか?
6 社会福祉士に興味を持たれたあなたへ



2 なぜ行政事務職員の私が社会福祉士をめざしたの?~私の原体験~

(1)なぜ社会福祉に興味を持ったのか?

①原体験
そもそもなぜ私は福祉分野をライフワークにしたいと思ったのか。

私は元々小さい頃から地域でお年寄りに囲まれて育ってきたため、お年寄りと関わりたいという想いがありました。しかし、社会人になって実際に地域社会での関わりはほとんどしてこなかったので、漠然と関わりたいと思っていただけだったのです。

その想いが一歩進んだ原体験とも言えることは、5年前から昨年(平成28年から令和2年)まで福祉事務所現場で課題を抱えたご家庭の対応に関わってきたことにあります。

そのご家庭の課題解決の手助けをする際に、行政が主体となって協力機関の専門職の意見を聞きながら、ご家庭への対応方針を行政が決めることを経験しました。当時、私は係長で情報が集約されていましたので、私の考えが組織としての判断にかなり影響しました。

その経験において、自分自身が専門職から意見を吸収する感度を上げ、協力機関への協力要請の質を高め、行政としての立場も踏まえた上で、主体的に判断するまでの総合力を上げたいと考えるようになったのです。

また、現場で仕事をしていると、民間の専門職から民間では対応に限界があると助けを求められることもあります。

例えば、民間の専門職の方が介護で利用者のご自宅を訪問していて、福祉制度のご利用者からの暴言などを支援者が受けるカスタマーハラスメントに遭われると訴えられたことがありました。こうなった場合、私は現場の行政担当として、行政が委託する専門の相談機関と連携しながらご自宅を訪問し、行政としてやり取りすることもありました(民間のトラブルは民間でという考えが基本だと思います。そのため行政が動くタイミングは個別に判断する必要があります)。

行政として。と言っても、例えば警察のように強い権力を持った伝家の宝刀のようなものを振りかざすような事はなく、丸腰で望んで、傾聴しつつ制度の適正利用について理解を求めるのみです(もちろん重大かつ緊急性が高まれば別の手立てがありますが、)。

その中でご利用者との信頼関係の構築に苦労した時があり、相談援助スキルを上げたい、あるいはより専門職の方の立場にも立って、専門職と事務職が連携して円滑な対応が出来るようなマネジメントをしたいと考えたのです。

②事務職がケースワーク?
ここで、なぜそんな大事な福祉のケースワークを事務職がしていたのか?という疑問が出てくる方もいらっしゃるかと思います。

私も最初は疑問でした。しかし、福祉事務所は地域における福祉の最後のセーフティネットだと私は思うのです。つまり、そこに持ち込まれた問題で福祉事務所が助言をして適切な機関を紹介出来ない場合は、その問題を放置せず、福祉事務所自らが様々な関係機関と連携して、あるいは、同じ福祉事務所内の他部署の専門職に相談するなどして、今ある社会資源を最大限活用して本人が良いと思う方向に一歩踏み出せる努力をすることが大切だと考えていました。

私は当時、相談援助の専門スキルはありませんでしたが、行政マンとして、専門職の力を借りてご家庭を個別支援する体制を構築したり、意見の食い違いや利害関係を調整する貢献は出来たとは思います。

一方で、福祉事務所の事務職員が相談援助を行うことについて、専門的にサポートする体制の強化について、組織要望やオペレーションの改善をそれを所管する部署に要望した成果もあって、私が異動する時までには随分と改善されてきました。

(2)なぜ資格を取ろうとしたのか?

では、なぜ私は資格を取ろうとしたのか。前回までに、私はひと言で言うと「福祉分野をライフワークにするための基礎固め」と述べました。

その方法として、何があるでしょうか?

すぐに思い浮かぶのは読書です。ただ、体系的に学びたいと考えた時にどこまで学べばいいのかわかりません。また、ひとりで読むと本の解釈は私自身の理解の域を超えることはありません。身に付いて実践できるのかという疑問も湧いてきます。

そこで、資格を取るという目先の目標を持って、自身を追い込みたいというのと、人から教えてもらいたい学び合う同志と繋がりたいと思い、資格取得に向けた学習を始めようと覚悟を決めました。

あとは、私自身、年齢が50歳近くになってきて、10年、20年先の将来の事を考えた時に、専門的に福祉に関わりたいと考え、その準備を余暇を使って少しずつ積み重ねていきたいということも資格を取った理由の一つでした。

(3)なぜこの時期に取ったのか?

では、なぜ今取得したのかと言うと、これはもう単純に、今しか取れるチャンスが無いと思ったからです。

一つは、私の場合、資格取得の前に学校に通う必要があったのですが、通信教育を受けるにしてもスクーリングという集合研修が数日ある中、コロナ禍において、そのスクーリングがオンラインに変更となったことで、敷居が低くなったことがあります(令和3年度時点)。

もう一つは、次回詳しく述べる「厚労省の個別認定」は、認定されたら、すぐに養成施設に入学しないと消滅してしまい、それを逃すとまた申請し直す必要があり、この機会を逃すと再度チャレンジできないかも知らないと考えたからです。

「個別認定」の申請には上司からの推薦書が要りますが、上司もしくは私が異動になりますと、私のことを推薦してくれる上司がいなくなるという危惧があったのです。

認定が取れた時点で、「エイヤ!」と決めました。

ということで、今回はここまでです。

次回は、「行政事務職員の私の社会福祉士試験対策」と称して、資格取得の学習過程をご紹介したいと思います。概ね1週間後に掲載したいと思います。

読んでくださってありがとうございます。
ご意見、ご感想を、ぜひお寄せください。

【本記事の留意点】
本記事は私が社会福祉士という立場において個人の責任で記載しているものです。行政職員の視点に寄せた内容にはなっていますが、当然に私が所属する行政組織における公式見解ではありません。

お問い合わせは私個人のみにお願いします。

また、本ブログの情報は、私が令和3年度に社会福祉士短期養成施設に入学し、令和4年2月の第34回社会福祉士国家試験を受験した経験を基に作成しています。

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