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キム・ヒョンジンのおすすめ漫画、【ガラスの仮面】

おはようございます。

以前趣向を変えて少女コミックをおすすめしました。それを見たスタッフからぜひ読んでほしいとプレゼンがあった【ガラスの仮面】を今回は紹介します。

才能開花は努力と情熱の末に!

作品紹介

『ガラスの仮面』は、美内すずえ先生による、不朽の名作にして、未だ完結していない少女コミックです。花とゆめで連載が始まったのが1976年。休載、休止を経て、2016年に単行本49巻が発刊され、今も続いています。史上稀にみるロングセラーとしても有名です。

本作の主人公・北島マヤは、お芝居が大好きな平凡な女の子。伝説の大女優・月影千草(つきかげちぐさ)に女優としての才能を見いだされ、演劇の道に進みます。月影千草を師とし、徹底した役作りと過酷な指導を受けながら、マヤは女優として才能を開花させていきます。

一方、月影千草にはある目的がありました。その目的とは、演劇界幻とされる作品『紅天女(くれないてんにょ)』の主役を育てること。月影千草は、唯一『紅天女』の主演を務めた大女優で、また『紅天女』が上演できる権利を持っているのも彼女だけでした。『紅天女』の上演権は、演劇業界に大きな影響を及ぼすことから、大手芸能会社や大物演出家が権利を手に入れようと策略を仕掛けてきます。『ガラスの仮面』は、その『紅天女』の候補者に見込まれたマヤが、天才役者・姫川亜弓(ひめかわあゆみ)と出会い、ライバルとして演劇の道を突き進んでいく成長物語です。

少女コミックではありますが、演技のレッスンはかなり過酷なもので、いわゆる「スポ根」要素も兼ね備えた作品です。作中に登場する演劇のストーリーも美内先生が別漫画にしようと構想していたものを起用しているため、劇中劇も見事に惹き込まれます。その『ガラスの仮面』の見どころをご紹介します。

見どころ① 演劇への情熱がスゴイ!

物語冒頭から、マヤは自他共に認める何も取り柄がない平凡な女の子として描かれますが、騙されてはいけません。芝居に対する情熱は常人をはるかに凌ぐレベルです。例えば、名前を呼ばれても気付かない、寝食を忘れて没頭する、芝居がやれるなら家出も厭わない程です。また、テレビドラマや芝居のセリフは一度見ただけで完璧に覚えられるという驚異の得意技もあります。平凡ではなく非凡です。十分すぎるほどの取り柄といえます。

役作りのためなら、極寒の中でも夜通しでもレッスンに没頭します。ひたむきに演劇と向き合い、舞台に上がれば演じる喜びを誰よりも感じているマヤは、さすが主人公といえます。

マヤは、天真爛漫な性格で切り替えがよく、困難に遭っても芝居をやるのだ、自分は演劇の中でこそ生きられるのだと決意をして、逆境に何度でも立ち上がります。渇望とも切望とも取れるその情熱が彼女を突き動かしているように見えました。めげないマヤの姿を追ううちに、気付いたら応援してる自分がいました。

見どころ② ライバルの存在

マヤが女優としてのステージをどんどん登り詰めていくのが爽快で面白いのですが、マヤが芸能界入りをする話では、周囲の悪巧みに翻弄され、干されるとこまで落ちる話があります。演じることでしか生きられないと言っていたマヤが、演技の仕方がわからなくなる程心身共に疲弊している姿はかなり心が痛みました。

失意のどん底まで落ちたマヤを奮い立たせたのは、やはりライバルの姫川亜弓をおいて他はありません。
おおよそ少女コミックでいうライバルは恋のライバルが多いイメージですが、この亜弓というキャラは、スポーツ漫画のような正面堂々と己の演技力をマヤと競い合いたいという、非常に潔く気品溢れるキャラです。

いつも周りは自分をもてはやすが、マヤの異質な才能に勝ったと思うことはありませんでした。亜弓にとって、マヤは自分にはない感性と人々を惹きつける魅力を持っていて、敗北感を抱きます。だからこそ、亜弓は誰よりもライバルとしてマヤの実力を認めていました。マヤと再び役者としての情熱を思い出させるために、ストレートな喝を入れ、「あなたはライバルよ!」といい、舞台の上で絶対にあなたに勝ってみせる、と、あなたが私のとこてろまで来るのを待っている、とマヤに告げます。

亜弓の檄に感化され、絶対に自分を待つと宣言した亜弓の気持ちを裏切りたくない一心で、マヤは演劇への熱意を新たに立ち上がります。

見どころ③ チャンスを掴むまでやり続けるハングリー精神

過去から立ち直ったマヤは練習や立てる舞台を探します。芸能界から追放された経緯があるため、当然どこからも断られます。早速困難に直面しますが、元来の前向きさを取り戻したマヤは、飛び込みでも何でもやります。その時マヤが通う学校で文化祭が催されることが分かります。マヤは出る場所がないなら、自分で作ればいい!と思い付き、周りの学生を巻き込みながら、自分が立つ舞台を自ら創り出します。このあたりからマヤの演技力とストーリー展開が一層面白くなるので、ぜひ皆さんも読んでみてください。

『ガラスの仮面』を読んで、マヤの才能は確かに天賦の才ではあるものの、本人が才能を開花させるには土台が必要だと思いました。

マヤが舞台で人々を魅了したのは、演技への凄まじい熱意と納得するまで役作りに没頭するハングリー精神と逆境を乗り越える行動力の賜といえるでしょう。

あらゆる道の成功者にとっても大事な要素だと思います。私自身、事業が形を成すまで、マヤのようにめげずに掲げた理念を持って没頭していました。まさしく今も熱意もハングリー精神も持ち続けていますし、今後も弛まぬ努力を重ねていきます。

キム・ヒョンジン


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