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シャニマスのコミュ全部読む【Part6】ノクチル編

はじめに

今回が【283プロのヒナ】ラスト!ノクチル編です。
今までの他ユニットのコミュは関係性が出来ていく過程を描いてることが多いんですけど、ノクチルのコミュの場合既に出来上がっている関係性を提示してくるっていう点が特徴的ですね。その分与えられた情報をかみ砕くっていう作業が出てくるので、いつもより分量が多くなりそうです。
ノクチルに対する自分の考えをまとめるのがまず大変なので、書く前から大変な仕事になりそうな気配がぷんぷんしています。

概要

・全カードのコミュを少しずつ読んでいく。
 ※ただし自分の持っているカードに限る。
・コミュを見て感想を書く。ある程度まとまったらnoteにアップする。
 ※多い、少ない、正しい、間違ってるは気にしない。思ったことを書く。
・絞込み機能の「リリース順」「昇順」を使い、サポート→プロデュースの順番で見ていく。
 ※ただし【283プロのヒナ】など同時実装のカードは適宜ユニット順序を整理して読む。

この企画の記事は下記リンクのマガジンにまとめているので、最初から読みたい方はこちらから読んでいただけると嬉しいです!

今回見たカード

・【283プロのヒナ】浅倉透
・【283プロのヒナ】樋口円香
・【283プロのヒナ】福丸小糸
・【283プロのヒナ】市川雛菜

【283プロのヒナ】浅倉透

樋口円香、幼なじみ

まず透が居ないのに雛菜だの円香だのを部屋に入れてくれる透ママ、どんな方なのかが気になります。私の勝手なイメージとしては放任主義ながら優しく、はっきりした意見を持ちながら大らかで、ジョジョ4部の東方朋子みたいな女性じゃないかなーと思っています。あそこまで苛烈な性格ではないでしょうが...。

透が家に帰ると当然のようにそこにいる円香。
「あー」「...おかえり」「うん」というこの説明する気の無さ。アニメや漫画の登場人物って、お約束としてある程度自分の気持ちを言語化してくれるんですけど、この2人の会話はそういう部分が全然無く、本当に2人の会話をそのまま描いているんですよね。

「あー...肩やばい」って透が言ってるの、自分の体の不調について自分じゃよく分からんから、円香なら分かるだろうっていう思考で話しかけてるんですよね。円香はめんどくさがって答えませんが、なんだかんだ押せば折れてくれる部分があると知っていて「首かな」とめげずに話しかける透。
自分の体の不調さえ円香に任せようとする主体性の無さ、執着の無さは見ていてすごく歪で、アイドルマスターというギャルゲー的な文脈にあるコンテンツの中でこういうごつごつした人間性をそのまま描いてくるのは挑戦的というか、シャニマスらしさが出てて大好きな部分です。

「冷湿布系?温湿布系?」
「え?何」
「...」
「おかーさん...冷湿布か温湿布あるー?」
ここの「え?何」っていうの、「よく分からんから説明してほしい」くらいの意味なんですかね。マジで幼なじみ以外に通じない言語体系なんだよな。あと幼なじみの前で自然に母親に声をかけてるのも気になるポイントです。透って誰と接するときでも自然体で、接する相手によってペルソナを使い分けることをあまりしないですよね。「人にどう思われるか」ということに全然興味が無い。
それでいてプロデューサーやノクチルの面々に対しては「自分の考えを分かってくれてる」という考えを持っていて、WING編でViレッスンの約束が発生するときも、「お母さんに化粧薄いって言われたんだよね」って言ってくるんですけど、こっちからすると「いやまずお前のお母さん知らんし」って感じなんですよね。自分と他人との境界線が上手く引けていないため、時折自分と他人の区別がついてないところがあります。

「...聞こえてるくせに、まったく」
初見でこのセリフ聞いたとき、「透のお母さんが透の呼びかけを無視してる」という勘違いを抱いたのは私だけではないと信じてます。あと娘が友達の家に遊びに行くときにメロン持たせるっていうのもすごい話ですね。

「...肩出して」
「うん」
上着をはだけて幼なじみに湿布を貼ってもらう透。いや幼なじみだからってそんな関係になることある?「いいじゃん、樋口がわかってれば」っていうのは今回のコミュを象徴したセリフですね。

寝違えっていうのは炎症なので、温めるより冷やす方が効果的で、なおかつ長く冷やすのも血の巡りが悪くなるため良くないってのは本当みたいですね。私は調べて初めて知ったんですが、円香はなんでこんなに詳しいんだろう。ずぼらな姉を持った妹がしっかり者になるように、浅倉と関わる中で日常の雑学に詳しくなっていった可能性が結構高そうな気がします。

「湿布でメロンが死ぬから」
湿布の匂いでメロンの風味が潰されることを「メロンが死ぬ」って言い表すファジーさが、学生の仲間内での言葉の使い方を上手く切り取れてて凄く良いセリフ。一言でこの2人の空気感、温度感が伝わってくるようですね。

寝違えて肩を痛めた透ですが、2020/5/13に実装された【10個、光】の私服では磁気ネックレスを首にかけていて、円香が今回のことを踏まえて誕生日プレゼントとして送ったのではないかと思っています(透の誕生日は5月4日)。だとすると結構面白いというか、肩こり改善のために磁気ネックレスを贈るという発想がお母さんじみてますね。

小糸ちゃんと雛菜、幼なじみ

レッスン帰りにコンビニに寄った3人。
買い食いをしようとする雛菜を牽制する小糸。「食べすぎはだめ」というプロデューサーからの言葉を2人にも守らせようとします。
小糸のまとめ役をやりたがる性質は、幼なじみ4人の中で確固とした立ち位置が欲しい、自分の役割がないと置いて行かれそうで怖いっていう恐怖も一つの要因だと思うんですが、カードが増えるにつけクールな態度とってる円香が実は全くストッパーをやらないということが分かってきて、ガチで小糸がいないとノクチルが立ち行かないということが見えてきた感もあります。

そして指輪型の飴で買収される小糸ちゃん。夜ごはん前に食べても大丈夫かを検討する小糸の顔めっちゃ可愛いです。リングキャンディって小学生の中学年ぐらいでもうキツいというか、食べてるとこを周りに見られたら恥ずかしいくらいのポジションだった気がしますが、小糸的にそういう部分はあまり気にならないみたいですね。

「もっとじゃんじゃん入れて」
「おごるから」
もう透の頭に「食べすぎはだめ」という言葉は残ってないようですね...。そして多分最初からない。おごりと言われて迷わずネイルポリッシュを買う雛菜、自分で絶対塗らないくせに便乗して買う透ともう誰のツッコミも追いつきません。小糸がんばれ。

「33円が6点、253円が2点」はリングキャンディ6個と、「けっこう大きい」or「脂肪分がすごい」おやつ2個ですかね。リングキャンディ1人3個ってまぁまぁ持て余す気もします。253円だと高めのコンビニスイーツとかがそういう値段設定ですよね。
「518円が1点、418円が1点」は雛菜と透のネイルポリッシュだとして、「98円が1点」は何なんでしょうね。小糸の言うことを部分的に採用して、「けっこう大きい」おやつを雛菜と透で半分こすることにした、とかだと綺麗に収まるんですがこの2人がそんな殊勝なことするのかどうかは大分怪しいですね。

「今月携帯代めっちゃ安かったから」「超リッチなんだ」というセリフ、あまりにも脳と口が直結しててなんか面白い。

事務所で財布を見つけた円香が「透のじゃん」って呟くとこ~~~~!!普段は苗字で呼び合ってるのに自分1人のときは名前呼びってもうこじらせすぎている。苗字呼びで距離を取ろうとしているのか、皆が「透」と名前呼びする中であえて苗字を呼ぶことに意味を感じているのか、ここは人それぞれ色々と料理できそうな部分ですね。

【283プロのヒナ】樋口円香

溶ける言葉

円香のカバンにSTAY COOLってめちゃめちゃ書いてあるのじわじわ面白いんだよな。どこで買えるんだそのカバン。

「...樋口」って声かけに「ん」とだけ返すの雑で良い。
小さい買い物をICカードで払うのって意外と性格出るというか、私とかはチャージが面倒で電車乗る以外のことにICカードの残金使いたくないとか思っちゃうタイプなので、細かい描写ながら上手いことキャラクターの輪郭をなぞっているなと感じます。

「...待っててくれたの?」の言い方やさしい~。いつでも自然体な透と違い、円香は接する相手ごとにかなり雰囲気が変わります。そして相手が円香に対して抱いているイメージに合わせる器用さもあり、透と真逆で「人にどう見られるか」ということをめちゃくちゃ気にしてる子ですよね。

「樋口円香、幼なじみ」とこのコミュは透と円香の2人きりなのですが、ノクチル全員でいるときよりも円香の態度が柔らかい気がします。私としては後輩2人の前ではちょっとカッコつけようという意識が働いてるんじゃないかなと考えていて、透のことを苗字呼びするのも元々は2人の前でのカッコつけだったんじゃないかなーと妄想しています。

「私、芸能人じゃないし」
自分が傷つかないように予防線を張る円香。浅倉が「どうだろ?」と答えた時の「ほら」というところ、すごく安心した声が出ていて逆説的に円香の中にある恐怖が際立ってますね。「もう、色々やってるんだ」というセリフも、「もう」と「色々」の間のためらいに、透が着々と非日常へと歩き出していることへの戸惑いが表れていて、この辺りは声優さんの演技の上手さ、ディレクションの的確さなんでしょうね。

「っていうかさ、浅倉は、なんでーー...」
この円香の臆病さを「溶ける言葉」と表現するの、タイトルを付けるセンスがありすぎます。「なんでアイドルになったのか」という質問を出来なかったのは何故なんでしょうかね。
透はプロデューサーとの昔話を幼なじみにも話してないので、円香視点だと透がアイドルをやり始めた理由がイマイチ分からないし、透が幼なじみに「みんなでアイドルやろうよ」とか提案する訳でもなく1人でアイドルやり始めてるってのは円香としては怖い部分かもしれないですね。
「なんでアイドルになったのか」とひとたび聞いてしまえば「透の中には幼なじみ以外にも大切なものがある」とか「幼なじみ同士でも共有出来ない部分がある」という当たり前の事実に行きついてしまう。それが怖くて質問することが出来なかったっていう...あ、これ私の妄想なんですけど。
『天塵』では雛菜があっさり同じ質問を透にしているのも、円香と雛菜のパーソナリティの違いが明確になっていて好きです。

プリントの手触り

カラオケに来た4人。1人で3曲入れるのは剛の者すぎるな。ただ他の3人が積極的に曲入れてくる気もしないんですよね。

雛菜の「え~!」の言い方好きすぎる。

「息抜きでカラオケ来たのに、そこで練習するとか意味ないよね」
ここ円香にしては小糸の提案をバッサリやってて、「幼なじみ4人」が「ノクチル」になっていくという変化に対する拒絶が入ってそうです。まぁ円香ガチで小糸に対する性癖歪んでそうなので普通に意地悪言って楽しんでる可能性も無くはないですけど...。

「歌詞、あるならいいじゃん」
「やろ」
透はこう言ってますが「小糸ちゃんと雛菜、幼なじみ」の文脈からすると別のことに気を取られて歌わない流れっぽい。飲み物を取りに行った3人の話題はやっぱり「ノクチル」のことで、カラオケという日常の場面にもアイドルという非日常を意識させるような出来事があるという描写、円香のコミュだからこそわざとやっていそうです。

1人になった円香が曲の歌詞を見て鼻歌を歌っているのは、この時点で既に非日常に惹かれている部分があるのかな。

【283プロのヒナ】福丸小糸

遅刻しちゃうよ

朝寝坊してしまう小糸。「遅刻なんてしたことない」らしいのでアイドル関連のことでちょっと生活リズムが崩れたんですかね。

遅刻寸前なのにのんびり歩いている雛菜。「何も言われないよ~?」ってそれ諦められてるぞ...。「ばいばい~?」からの「ば、ばいばいしないよ!」とか、小糸のツッコミは聞いてて気持ちいいです。

「小糸ちゃんに貸し、ひとつね~?」が理不尽で笑う。高校生で1限サボりまくってるの結構ヤンキーな気がしますが、雛菜の両親はどういう対応なんですかね。「雛菜は雛菜のことしかわかんない」っていう乾いた哲学は、「わかってもらえなかった」という失望を元にしていそうですし、その失望の対象が両親というのもありそうな話で、つい邪推してしまいます。ただ『天塵』で雛菜パパはけっこう雛菜のわがままを聞いてそうだし、関係が悪いようにも思われないので、単純に私の考えすぎかもしれません。

小糸のお小言、内容としては雛菜が周りの大人から何回も言われたものなんですけど、小糸が雛菜よりも雛菜のことに対して一生懸命なのが雛菜の琴線に触れている感じがあり、雛菜のことで雛菜よりも嬉しそうにするプロデューサーともかぶる部分があります。雛菜に「いてくれてよかった」と言ってもらうことで、小糸が自分に対する自信を強めているのもいいですね。かみ合ってないように見えて意外とかみ合ってる2人です。

忘れ物ポケット

レッスンを終え、帰ろうとする2人とこっそり残ろうとする小糸。
「......ん、わかった」の沈黙から、小糸と同じく影で努力するタイプの円香は小糸の頑張りに気づいててそれを黙っててくれることが読み取れますね。

1人でボイトレ(?)をする小糸。あ~~~この子は本当にけなげというか...幸せになってくれ~~って感じになってしまいますね。すると突然戻ってくる円香。「ーー小糸、手出して」のセリフの言い方、すごく優しい。円香は微妙なニュアンスで感情の表現を上手にしてくることが多くて、こっちの気持ちまで揺さぶられます。

「...小糸は頑張ってて、偉いね」
小糸「は」っていう言い方が心に来ます。自分は頑張っていないという強がりなのか、自分は頑張っていないという罪悪感なのか。期待に応えようとする小糸への憧れっていうのもありそうですが、円香自身もそこまで明確に自分の気持ちを把握していないのかもしれませんね。

小糸のために小糸が居残ってレッスンをしていたことには触れないけれど、「忘れ物」と称して小糸の好きなお菓子を差し入れする円香、気遣いがハイレベルすぎます。円香のホーム画面のセリフで「努力に意味とかないですよ。それを褒めるのって身内だけでしょ?」というのがありますが、小糸の幼なじみである円香は小糸の努力をきちんと褒めてあげてるんですよね。
ここまで繊細な心遣いが出来るということ自体が、円香の中に繊細で傷つきやすい部分があるということの証左にもなっていますね。

【283プロのヒナ】市川雛菜

StringTEL

いきなり透に抱きつく雛菜。びっくりしたようには見えませんが、透は割と素直なので驚いたって言ったからには本当に驚いてはいるんでしょうね。

「あは~、すっごいクール~~~。すき~~~」
雛菜が語彙力失ったオタクみたいなこと言ってる。なんか透って基本的に会話に関して受け身ですよね。

「毎日しあわせ~~~」
「でもそれって~、透せんぱいがいるからだな~って思うよ?」
雛菜は「雛菜は雛菜のことしかわかんない」という考えを持っていますが、だからこそなのか周囲の人にきちんと自分の気持ちを伝えてきますね。「遅刻しちゃうよ」でも小糸に「いてくれてよかった」とはっきり伝えており、幼なじみの関係性を雛菜なりに大切にしているのが分かります。

「...雛菜が来るより前からいたけど」
「あは~全然気付かなかった~~」
あは~~、この2人バチバチすぎ~~~。小糸が別の中学行ってた時代ずっとこんななのかよと思うと怖くなっちゃいますね。一通りギスった後に透が「ていうか、部屋が狭いし」って言うのなんか唐突ですね。何故この流れで急に部屋の狭さに言及するのか...。深く考えたら負けな気はします。

「ちょっと、小糸は...」
「小糸ちゃんもはやくおいで~~~?」
ここでも2人のスタンスがはっきり対比されてますね。円香も雛菜も小糸の努力に気付いていますが、円香は「小糸は勉強の邪魔をされたくないんじゃないか」と相手の気持ちを想像して気を使っていますが、雛菜は小糸が勉強と遊びのどちらを優先するかなんて分からないからとりあえず誘ってみようと、相手の気持ちを想像で決めずに口答で確認しています。

a·la·mode

「お疲れ様でした~♡雛菜、お先に失礼します~!」
『アジェンダ283』で真乃にバリバリ敬語を使っていたのもそうですが、雛菜がこういう部分でちゃんと敬語使えるの面白いですね。

「......」
「............」
無言で会話するな。雛菜のモノマネする透が可愛い。透は見た目や態度は超然としてるのに中は俗っぽいのも面白いところです。

「ん~、ね、小糸ちゃんは来る~?」
「小糸、無理しなくていいから」
雛菜vs円香再び。ただ今回は円香の分が悪いというか、「小糸は頑張ろうとしている」という円香の考えが小糸に伝わることで「私も行きたい」と言い出しづらくなっていて、雛菜のフォローが無ければ小糸は行きたいと言い出せなかったかもなと思います。
小糸にとって他の3人が甘いもの食べてる中1人で練習しているっていうのはなかなか辛い出来事のはずなので、円香の思いやりが逆に小糸を追い詰めてる形になっていてキツいですね。

WING編の透の悪癖として「言葉に出さなくても分かってもらえる」という幻想を抱いているというのがありますが、このコミュを見ると円香にも「言葉に出さなくても分かってあげられる」と思い込む悪癖があるのかもしれません。ノクチルにおける雛菜は縦横無尽なように見えて、透や円香が見落としてしまう部分をきちんとフォロー出来るのがかっこいいですね。

おわりに

ということで【283プロのヒナ】ノクチル編でした。やっとレアサポートコミュが完結しました!まだまだ先は長いですが、ちょっとした達成感があります。今回は自分の中のノクチルへの考えを整理するのにめちゃくちゃ時間がかかってしまいました。
ノクチルのコミュは全体的に出来が良く、幼なじみたちの感情の機微が良く描けていますが、中でも「樋口円香、幼なじみ」は非常に完成度が高いコミュで、ここまで徹底的に2人の関係性や空気感を描けるのは凄い。シャイニーカラーズというコンテンツとそれを支えるユーザーの間の信頼関係が無ければとても出来ないことだと思います。

そして次回からはついにSRのサポートコミュを読んでいきます。
次回読むカードは
・【天然色ピクニック】櫻木真乃
・【克服の特訓】風野灯織
・【友情の花吹雪】八宮めぐる
から始めたいと思っています。また投稿までに時間が空くと思いますが、こつこつやっていくのでよろしくお願いします。


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