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シャニマスのコミュ全部読む【Part9】

はじめに

『many screens』、良かったですねぇ~~~~!!(挨拶)
まず最初にこのイベントシナリオのこと語らせてください。
『many screens』、個人的に落語が好きなのもあってめちゃめちゃ楽しめました。「死神」は特に好きなお話で、オチが噺家さんによって千差万別なのですが、ヒーローショーの文脈と合わせてハッピーエンドの「死神」をやるのは凄く時代に合ったチューニングだなと感心してしまいました。
「死神」をハッピーエンドにするっていうのは珍しくて、初代三遊亭圓遊さんが「死神」を改作して「誉れの幇間」と題したお話はハッピーエンドで終わっているらしいので、その辺りを意識してるのかなとも思います。

あと【続!(完全)燃焼】の「ぼくらのマクラ」は落語の基本の一つの「オウム返し」で失敗するお話(時そばなんかも、人の行動をそっくりそのまま真似てしまって失敗する話ですよね)で、面白い上に果穂が滅茶苦茶かわいくてアイドルもののお話として完璧かよとなってしまいました。

8代目桂文楽さんのエピソードで、噺の途中で落語の筋に詰まって言葉を失い、「申し訳ありません。もう一度……」「……勉強をし直してまいります」と一言挨拶を述べ、その後二度と高座に上がることがなかったというのがあるんですが、果穂さんの「もう一回勉強してきますっ!」ってセリフはそれを彷彿とさせますね。これに関しては考えすぎの可能性もありますが。

長くなってしまったんですが、イベントの感想はこのくらいにして、カードの感想に入っていきたいと思います。

概要

・全カードのコミュを少しずつ読んでいく。
 ※ただし自分の持っているカードに限る。
・コミュを見て感想を書く。ある程度まとまったらnoteにアップする。
 ※多い、少ない、正しい、間違ってるは気にしない。思ったことを書く。
・絞込み機能の「リリース順」「昇順」を使い、サポート→プロデュースの順番で見ていく。
 ※ただし【283プロのヒナ】など同時実装のカードは適宜ユニット順序を整理して読む。

この企画の記事は下記リンクのマガジンにまとめているので、最初から読みたい方はこちらから読んでいただけると嬉しいです!

今回見たカード

・【等身大のレイニーデイ】三峰結華
・【カラフルポップMIX】田中摩美々
・【綿毛ノ想】幽谷霧子

【等身大のレイニーデイ】三峰結華

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気づいてくれてありがと、なんて

ダンスの練習でオーバーワーク気味の恋鐘。恋鐘が練習を続けようとすると、三峰が弱音を吐きはじめます。一瞬で「練習に疲れてずる休みしようとする」っていう演技を纏えるのは流石に三峰結華って感じです。

咲耶もそれを分かってて演技に乗る辺り、前回のあとがきにも書いたお互いへの理解みたいなものが根底にありますね。あと駄々こねてる三峰、妙に可愛いです。軽く駄々をこねて困らせるというムーブ、何となく摩美々を連想させる部分があり、摩美々を参考にして演じてるのかもしれません。

終わったクオリティの物まねを披露するな恋鐘。三峰が「完璧じゃーん!」とか笑わずに言えるの凄いな。あんまり意識してなかったんですけど、咲耶さんって王子様やるときちょっと声低いんですね。

「絶対永久保存版だったのに~!」の部分、演技のクセがすごい。

咲耶も三峰もお互いに呼吸を合わせて演技するんですけど、終わった後に「何のことやら?」って三峰がしらばっくれるのラインの引き方がとてもしっかりしていて、この部分をタイトルが補完しているのも綺麗な作りです。

そう言ってくれるなら

霧子と恋鐘が2人で歩く姿を見つける三峰。「これはこれは、先日の王子様!」って話しかける三峰、ちょっと過剰に「三峰結華」をしてる感じがあります。この時点でのふるまいは「三峰結華」というキャラを演じている部分が強いのかもしれません。

「ここがどこなのか分からん」はもう困ってる以外の何物でもないんだよな。患者さんのおつかい、リストを見ただけでどこを回ればいいのか分かる三峰博識過ぎるな?漫画とかは三峰がチョイスしたんですね。三峰の漫画遍歴、そこそこ尖ってそうでチョイスが怖いような気もする。

「もし酷評食らったら」っていう懸念、分かる。しかも知らない子に対して漫画選ぶのってめちゃめちゃな難易度ですよね。ただここで病院の子の感想を回避しようとするのは、どちらかというと踏み込み過ぎだと思ってるからじゃないでしょうか。
「霧子が困ってるから漫画選びを手伝う」はセーフだけど、「入院してる子から三峰が選んだ漫画の感想を聞く」は霧子周りの生活に足を踏み入れてるからアウト、的な感じ。「入院してる子に会う」というイベントが起きたら恋鐘は行くだろうし、三峰は行かないだろうなっていう気がします。

それはきっと

「リンゴ?あ、そっか、実家青森だもんね」
霧子は大学病院の寮に家族と一緒に住んでいるのですが、そこの解釈がぼやけてくる問題のセリフ。父母と一緒に関東圏に住んでるのに青森の実家からリンゴが送られてくるってもう分からん。
実家ってまぁ普通に言えば父母が住んでいる家なので、「元は青森に実家があったが、今は大学病院の寮が実家」という感じですかね?祖父母と父母が一緒に暮らしていて、父母と霧子が関東圏に引っ越し、青森の元実家から祖父母がリンゴが送られてくる、みたいな解釈を今のところしています。

漫画を選んでくれたお返しにと、本をプレゼントしてくれる霧子。霧子の行動、見てて優しい気持ちになるというか癒されますね。「きりりんが...?」のとき、三峰の表情が優しい。三峰って霧子の前だとこういう素っぽい反応することが多い気がします。

三峰を待つ間に寝てしまった恋鐘と摩美々。【メロウビート・スローダウン】にも通じることですが、寝落ちてしまうほどユニットのメンバーに気を緩めていることが分かります。起きてからの「んー...食べるー...」が本当にかわいい。

イラストのシーン。三峰の三つ編みおさげが印象的です。この髪型は【おはようと日向に手を振る】にも登場しており、どちらもアンティーカの面々に囲まれた空間であることを考えると、三峰がリラックスしていたり、気を抜いているときの髪型が三つ編みおさげなのかなと思います。2年越しにこういう共通項をお出ししてくるの楽しいですね。

三峰が読んでいる本、新潮文庫ですね。古典の名作の刊行が多く、『異邦人』とか『車輪の下』とかを新潮文庫で読んだ記憶があります。個人的にはカバーが外されてるのが気になりますね。霧子が古本屋で買ったのか、それとも三峰が読むときにカバー外すタイプなのか。
新潮文庫、カバーを外した時の色味や、ぶどうのデザインもおしゃれでカッコいいので、三峰がそういうこだわりを持っていてもおかしくないかもしれません。まぁカバーデザインを描写すると著作権的な問題が、っていうのもありそうですが...。

三峰と霧子以外のメンバーの顔がほとんど写っていないのもソシャゲらしからぬ描写ですね。キャラクターを見切れさせたり表情を写さなかったりすることで、画角を意識しない自然体の5人という感じが色濃く出ています。
また他のキャラクターの顔を写さないことにより、目線が三峰にフォーカスされるようになっていて、三峰が読書という1人の時間に入り込んでいることが強調されているようにも感じます。

三峰は集団の中でバランサーとして意見を調整したり、人の隠しごとに気付いたりと、周囲を強く気にしているキャラクターです。そんな三峰が周囲をあまり意識せずに1人の時間に入り込めているのは、家族のように安心できる人たちが周りにいるからなんだろうな。

私の大切な……

「それはきっと」のラストで決まったお出かけのコミュですね。内容的に「それはきっと」「私の大切な……」っていうのは一つながりの文章なのでしょう。朝弱い摩美々が眠そうなのかわいいですね。

摩美々がイキイキと三峰いじり始めた。三峰はけっこう隙が少ない子なので普通にいじられてるの貴重な気がしますね。

「...大丈夫ー、いざとなったら買うしー...すぅ」
やっぱりまだおねむな摩美々。アンティークショップのお高いソファで寝てしまっています。「...ああ、やっぱりいいお値段だ」とか周りのみんながマジ焦りしてるのめっちゃ面白い。皆との金銭感覚のギャップから、摩美々が飛びぬけていいとこのお嬢さんってことが見えてきてますね。

【カラフルポップMIX】田中摩美々

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コーディネート・チャンス

ファッションという共通点を持つ摩美々と三峰。ペアの仕事が来るのは納得という感じですね。そしてその共通点を脇に置いても、アイドルオタクとしての三峰って摩美々みたいな尖ったアイドル好きそう。

三峰って相手に踏み込みすぎることも、相手から踏み込まれすぎることも苦手としているキャラクターで、だからこそアイドルを追っかけるっていう趣味は凄く彼女に向いているんですよね。
握手会なんかでアイドルとファンは旧知の友人のように親しげに話すけれども、それは一つの「ごっこ遊び」であり、お互いにアイドルとファンという立場を越えることはないと理解しつつも暗黙の了解の中で「ごっこ遊び」をしています。自分と相手の間にそういう絶対的な壁があるからこそ、三峰は安心して「ごっこ遊び」を楽しめると、考えれば考えるほど三峰ってアイドルオタクになるべくしてなったんだろうなという気がします。

なんか長々と書いちゃったんですけど、摩美々と三峰の関係性ってこのアイドルとファンの関係、特に暗黙の了解って部分で通じるところがあると思います。2人とも口に出しはしないんですけど、摩美々は「めんどーな仕事だから三峰の口車に乗せられたい」と思ってるし、三峰は「このわがまま姫の興味を引いて上手く乗せたい」と思ってて、互いに互いを必要としてるからこそ会話がツーカーで小気味良いんですよね。

「これはむしろチャンスなんじゃないだろうか!」って三峰が言ったときの摩美々の顔が嬉しそうで、三峰に期待しているのが透けて見えます。

カラフル・ドール

渋谷と原宿をそれぞれ拠点にする2人は、パンクだったりポップだったりと方向性は違えど若者らしく攻めたファッションをしていて、お互いの服に興味津々です。

イラストのシーン。あまり意識したことなかったんですが、【チエルアルコは流星に】や【冬、どがんね~?】と同じくアイドルの顔が鏡像としてしか写っていないカードなんですね。

摩美々の服、【等身大のレイニーデイ】で三峰が着ていた服と意匠が近い。髪にリボンもたくさん付けて、ふりふりの服を着ている摩美々は普段とのギャップもあり、何より摩美々自身ノリノリなのか姫系のポーズを取ってるのが非常にかわいいですね。

「あー、そういえばこれ仕事のための衣装合わせだったんだぁ」
「忘れてたのまみみん!?」
「ふふー、どーかなぁ」
三峰と摩美々の会話って凄く意図的で、この摩美々のセリフも「仕事だってこと忘れるくらい楽しかった」と暗に言ってるような気がしてなりません。

ライク・ユー

なんか摩美々の話す声が高い気がする。「言ったねー」のイントネーションとかも浮かれてる感出てる。

服を見て、三峰っぽさを感じるというのが「ライク・ユー」というタイトルになってるんですね。『くもりガラスの銀曜日』で真乃が、星の飾りやイルミネーションに自分たちを重ねるのにも近い感じです。

「三峰っぽいは、三峰っぽいってことー」
摩美々の勧めた服をコーディネートする三峰を見て、「自己主張強いけど、周りに合わせるのが上手」ってめちゃめちゃはっきり三峰への印象を言語化出来てるんですけど、結局「三峰っぽい」で留めとくのが粋ですね。

【綿毛ノ想】幽谷霧子

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寄り道

コンビニへジュースとお菓子の買い出しに来た2人。霧子がすごい重そうに荷物持ってる。霧子、握力とか筋力低そうですよね。ペットボトルのフタ開けられないやつたまにやってそう。

「でも霧子が一緒に来てくれたおかげで、これだけ買えたばい」
「手伝うてくれて、ありがとうねぇ」
恋鐘は感謝をはっきり、まっすぐ伝える子ですね。霧子を褒めるのは結構意識的にやってる感じがして、霧子の自己評価の低さを気にしているのかなと思います。ていうか霧子の扱い方が完全にお母さんのそれ。

「そうばい、何かあるはずたい!」
「やりたいことを言うばい!」
めちゃくちゃ強引なんですが、アンティーカのメンバーって自分の気持ちにしっかり鍵をかけてしまってる場合が多いので、この強引さが救いになることが多いんですよね。

イラストのシーン。純真な霧子とそれを落ち着いた表情で眺める恋鐘という描写からも、2人の関係性が伝わってきます。ていうかもう完全に綿毛で遊ぶ子供とそれを眺めるお母さんの構図なんですよね。

「たんぽぽは霧子に似とるねぇ...」
「恋鐘ちゃんは...春に似てる...」
ポエムバトルが始まった...。「わたし、春は...大好きだよ」の破壊力が高すぎる。この2人の表現ってちょっと不思議でふんわりとしていて、飾らない本心がそのまま出ている感じで、見ていて優しい気持ちになりますね。

憧れ

買い出しに付き合ってくれたお礼にパウンドケーキを焼いてきた恋鐘。わざわざラッピングまでかけていて、恋鐘はおおざっぱに見えますがこういうとこマメですね。

霧子の遠慮がちな性格って生来の部分もあるんでしょうけど、忙しい両親を見ていたらわがままなんて言い出せなくてとか、包帯をしていることで周りから怖がられて(ファーストガイドブックより)とか、環境的な要因から自分を抑圧してる部分も多いと思うんですよね。
恋鐘が買い出しのお礼にパウンドケーキを焼いたりするのも、霧子に対して「こんなに感謝されるくらい良いことをした」「遠慮せずにやりたいことを言っていい」と伝える方法の一つなんだろうなと思います。

初めて手作りプレゼントをもらった嬉しさで、包みを開けずにじーっと眺めてしまう霧子、感情の表し方がいじらしすぎます。

調理中に怪我をしてしまった恋鐘。「欠けない思い出」の時といい、霧子はちょっとした怪我に良く気が付きますね。そいで恋鐘はやっぱ生傷が多い。

事務所で育てていたユキノシタで怪我に対応するのすっごいな。湯煎したユキノシタの葉の裏をはがして患部に貼るっていう対応はマジであるらしいですが、それを知識として知ってるのと、いざというとき実践出来るのとは全然違うので、霧子はやっぱり凄いです。

「...わたしも、恋鐘ちゃんみたいにみんなを明るく...できたらなぁ...」
「それは、簡単なことばい?うちとケーキを作るたい!」
恋鐘のゴリ押しシリーズ。「え?そんな単純なこと?」って気もしますが、こういう単純な方針で問題を解決してしまうのが恋鐘の凄いところなんですよね。なんか霧子も「???」ってなってて面白いな。

霧子の魔法

「元気に...するばい...!」
ぐあ~~~か゛わ゛い゛い゛!!

恋鐘の段取りが思ったより悪いな。料理上手な人=段取りが上手、みたいな偏見があるんですが恋鐘はそういうわけでもないのかな。
「こ、恋鐘ちゃん...ちょっと...お掃除、する...?」って霧子から多少なりとも呆れの感情引き出せるの凄いな。

「じゃあ...お掃除、はじめよう~...」
霧子のセリフで恋鐘流の伸ばし棒使うの珍しいですね。テンションが高くてかーわいいんだ。

「お掃除は...恋鐘ちゃんが褒めてくれたから、自信を持つことにする...!」
「わたし...今の恋鐘ちゃんと撮りたい...!」
霧子が自分のことを1つ認めて、しかも自分からインスタントカメラを持ってきて「したいこと」を提案出来たのすごい!霧子えらい!これを引き出せた恋鐘もえらい!

相手のことを見て、すごい所を認めて、してくれたこと一つ一つに感謝して、それで「この人には自分の思いをさらけ出してもいい」っていう信頼を得るってなんか恋鐘の手法ってカウンセリング的ですね。恋鐘は自分の思った通りに動いてるんでしょうが、その根底にきちんとした気遣いがあるからこそ上手くいくんだろうな。

おわりに

ということで前回の2枚と合わせてアンティーカのコミュを5枚読んできたわけですが、アンティーカのテーマの一つに「相互理解」があるな、というのは読んでいて凄く伝わってきました。
その上で三峰と摩美々や、恋鐘と霧子などそれぞれの関係性が凄く独特で、組み合わせごとにそのキャラクターの様々な面が出てくるのがこのユニットを見ていて面白いところだなと思います。

次回読むカードは
・【ヒーローインザパーク】小宮果穂
・【ふれんど日和】杜野凛世
の2枚です。放クラはシナリオイベント直後ということもあってタイムリーですね。


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