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間違えやすい3つの保育用語

どうも、主任やまもです。

幼稚園教諭をしたり、大学で講義をしたり、主任やまもの園内研修室を運営したりしています。


保育の言葉のなかには「え、そういう意味なの?」という勘違いがよくあります。今日は間違いやすい保育用語を3つ紹介します。

いかんせん間違いやすいです。私が間違っているかもしれません。

ネットの情報は「本当に正しいのか?」という疑問を常にもって読んでください。やまもからのお願いです。

では、いきましょう。


評価、反省

最近は保育を振り返ることが大切と言われていて、私もその大切さを肌に感じています。

この振り返りを「自己評価」という言葉を使います。これが厄介。

評価というと、私たちは「できた・できない」をすぐに連想してしまいます。これは学校での生活のせいなのか、原因はわかりませんが、とかく結果主義の頭になりがちです。

ですが、保育の振り返りは「できた・できない」の評価ではないですよね。ここに落とし穴があります。


しかも、自己評価の「自己」も厄介です。

自己評価というと、自分を振り返る的な頭になってしまい「製作の説明がうまくできなかった」「クラスをまとめられなかった」という保育者としての自分についてだけ考えてしまいがちです。


保育の自己評価というのは

①子どもの理解に基づく保育の計画や実践の振り返りであり、

②職員相互の対話を通じた学び合い、 子どもの姿や保育の捉え直しであり、

③保護者との対話、情報共有であり、

④目指す方向性の明確化と保育の改善・充実に向けた検討です。

(保育所における自己評価ガイドラインより抜粋)


「自己評価」は、保育者の私を振り返るだけではないのです。



指導計画、指導案

指導という言葉が保育の世界から抜けていかないことに、私はずっと疑問を感じています。

みなさんは感じませんか?

「月間指導計画」なんて聞くと、保育者の考えた予定がきちきちに入っている時間割のイメージをもちませんか?大人主導の内容に見えませんか?


今気づきましたが、私が教育大学出身だからかもしれません。

小学校で授業を行う学習指導案が私の指導案との出会いでした。

また、実習生の書く指導案も部分保育のことが多く、しかも設定保育が多いので、そのイメージがあるのでしょうか。


厚生労働省「平成30年2月 保育所保育指針解説」を参考にすると、

指導計画は、全体的な計画に基づいて保育を実施する際のより具体的な方向性を示すものであり、実際の子どもの姿に基づいて、ある時期における保育のねらいと内容・環境・そこで予想される子どもの活動や、それに応じた保育士等の援助・配慮すべき事項・家庭との連携等を考え、作成するものである。

と、なります。


指導計画については、私もまだまだ理解不足です。

”週のねらい”を毎週立てることにピンときていません。


うちの園は一斉活動の計画は立てています。が、

週の振り返りでは、クラス全体と自由遊びの様子を振り返っています。


保育園でいう指導案は生活の姿がメインで、それに対するねらいがあるのでしょうか?



環境をつくる

そもそも環境設定という言葉も保育業界では当たり前の言葉になりましたが、社会全体でみると「なんのこと?」となります。


子どもの遊ぶ幼稚園、保育園の環境?を設定?

「あー、部屋におもちゃとか絵本を置いておくとかね」

この程度の理解だと思います。


保育者は違いますよね?ね?



ですが、保育者の中にも差はあります。

例えば、環境を作った結果として

「こんなに設定したから、さあここで遊びなさい」

「用意したから、これで遊んでね」

と決まりきった環境を作ってしまうのは少し違うのでは?と思ってしまいます。私も担任時代にやってしまいがちでした。


なぜ違うかというと、そのような環境下では子どもは「環境内で遊ぶ」ことしかしないからです。

私は「遊びはつくるもの」と考えています。

なので「環境内で遊びをつくる」のが子どもの遊びのとらえです。


海外のゲームがあり、積み木があり、ままごとがあり、そこで遊ぶ子どもの姿がありながら、

さらに、製作コーナーがあり、子どもの今の興味関心が広げられるスペースがあるのが理想だと考えています。この部分が遊びをつくるための余白です。

これがないと、決まりきった環境内で遊んでしまい、発展性がなく同じ遊びが続いてしまうように思います。


しかも厄介なのは、環境内で子どもが落ち着いて遊んでいることに保育者が「うまく遊べている」と評価してしまうことです。

トラブルなく遊べている=いい環境 はある意味で正しいですが、いい環境の条件としては足りなくて、

”子どもの想いで遊びがつくられる、発展していく”もいい環境の条件だと思います。


そんな勘違いが現場にあると思っています。


社会がとらえる環境設定の勘違いと、

保育者内でとらえる環境設定の勘違い。どちらもありますね。



まとめ

3つの保育用語の話をしてきました。

同じ言葉でも”本来の意味”と”保育業界での意味”が違うことで誤解を生むのですね。

じゃあいっそ専門用語を作ればいいのでは?と考えたこともありますが、専門用語が多い業界も社会での受けは悪いと思います。

ギガとかバイトとかプロトコルとか言われても「は?」となりますよね。

保育もそうなってはダメだなあと。


保育者が考えていることや子どもを見る視点、「保育」って何?というところが社会に広く伝わればいいな。


ではでは。

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