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【学つぶ #6】保育者の位置取り
どうも、主任やまもです。
幼稚園教諭をしたり、大学で講義をしたり、主任やまもの園内研究室を運営したりしています。
「学びのつぶやきプロジェクト」というのをゆるゆると進めております。新任の保育者や実習生に伝えたい言葉をツイートから探していく企画です。
最終的に冊子になればいいなと思っています。
学びのつぶやき解説
本日のつぶやきはこちら。
「保育士の立ち位置によって、視界からの情報にどれだけの違いがあるか」ということを伝えたくて作っただけのイラスト。僕の画像フォルダにあっても意味ないので、何かの足しに使ってもらえたら幸いです。 pic.twitter.com/XcQ69t0KQZ
— J@指針系保育士 (@jurietta_fly) June 2, 2021
Jさんのツイート、最高ですね。
いろいろなメッセージが読み取れました。
というわけで、今回は保育者はどこにいるべき?-位置取り‐のお話です。
保育者は保育室のどこにいる?
保育者が子どもに話しかけたり、子どもを観察したり、一緒に遊んだりする時の位置取りは、大学や専門学校で習わないかもしれないですが、非常に重要です。
では、適した場所はどこなのか。
それは
「保育者の後ろに子どもがいない場所」と
「保育者の後ろがシンプルな場所」です。
理由は3つあります。
①子どもの観察
保育者の仕事は、子どもの観察が大きな割合を占めていると私は考えます。
そのため、パッと子どもが見渡せる位置にいることが大切です。
例えば子どもに折り紙に誘われて、子どもに「ここに座って」と誘われるままに壁向きに座って遊び始めたとしましょう。
もう、あなたにはあなたの後ろにいる子どもたちは見えません。何をしているか全くわからないのです。放課後に思い出すこともできず、保育記録を書けませんよね。
それではアカンのです。
そうならないように、どこに座るかは保育者が決めます。
折り紙をしながらでも、
「あっちの遊びはあんな感じか。後で見に行こう。お、○○くんが新しい遊びを始めたぞ。あれ、✖✖ちゃんが困ってる気がする。あの遊びとあの遊びが混ざって遊びだした。面白い。」
と保育室の様子や子どもたちの姿が見えるようにします。
折り紙や絵本は手元に集中してしまうので、全体を見ながら目の前の子どもと遊ぶことに不慣れな方は注意です。
子どもはそんなことは知らずに「絵本読んで」「折り紙しよう(折って)」と言ってきます。なんでも「いいよ」とするのではなく、保育室にいる先生の数や位置を見たり、自分が周りを見ながら遊べるかを判断することが必要です。
②けが、トラブル
①を違う視点でお話すると、子どもの怪我やトラブルにすぐ気付けます。
子どもが保育者の後ろで怪我をしても、その時の状況は分かりません。トラブルがあっても見ていないと状況は分かりません。
保育者として、それではまずいです。
というよりも、怪我やトラブルが起こる前に気付くのが本当は大事です。
ですよね?特に怪我は未然に防いだ方が絶対にいい。
トラブルは内容によって子どもたちの成長を促します。ですが、それにも保育者が状況を知っている方が援助しやすいです。やはり未然に「お、トラブル起きそう」と保育者が知っておくことは重要です。
そうすると、保育者は背後に子どもがいる位置にいてはいけないですね。
この保育室(もしくはこのコーナー)の様子が全て見える場所にいるべきです。
③子どもから見える視界
これはツイートに図がありました。
子どもが保育者を見る時に、あれこれ気が散るものがない方が良い。
子どもが保育者に集中して話を聴きやすいです。
集団で話をしたり、説明をしたりする時にも大切です。
先生が話す後ろにポケモンやプリキュアのぬりえが貼ってあって、子どもからチラチラ見えたらどうですか。気になりますよね。
実際にそういう保育室はあります。
しかも、そういう状況で「○○くんは全然話を聞けない」と言われてしまう子どもがいます。
なので、ここは私が子どもに代弁して言います。
「ぬりえがなかったら話聞けるわ!なんでそんなところに僕の気になるものを貼ってるねん!」
です。
ぬりえがなくても○○くんの集中が切れやすい可能性もあります。生まれもった特性として。ですが、ぬりえがあることでわざわざ集中を切れやすくしています。
○○くんが悪いのか、環境が悪いのか。あなたはどう考えますか?
まとめ
本日は保育者はどこにいるべき?-位置取り‐というテーマでした。
言われたら「当たり前」でも、実際の現場で実践できていない人はけっこういると思います。
あと、こういった話を聞いて壁から離れない人が出てきます。
絶対に子どもに背中を見せない人です。これ、やりすぎです。
子どもの様子や遊びの様子によっては、保育者が保育室の中央に行くことだってあります。基本スタイルとしての全体を見渡せる位置です。
あと、「子どもがあれこれやってると、そんな位置取りなんて無理」という人もいます。厳しい言い方をしますが、無理と言われて私が助けられることはありません。無理と思うなら、無理でしょう。
私はやってみる!そうしたい!と思う人と一緒に保育をつくっていきます。
最後に。
③の子どもの視界についてですが、お気づきの方がいるかもしれませんが特別支援教育でよく言われるお話です。環境が子どもの集中を奪うケースですね。子どもの「できない」に目がいきすぎると、子ども以外のことを変えれば解決できることに気付かなくなります。
さっきの例でいえば掲示物。子どもが気になるところに貼らないようにする。他には座る位置。その子が聞きやすい位置に変える。保育者が「これから2つのことをみんなに話すよ。覚えてね」と分かりやすい説明にする。
これらは子ども自身ではなくて、子どもの周りを変えて問題を解決しようとしています。
こういう視点で問題を解決しようとする人は、特別支援教育の素質があります。困っている子どもの助けになってあげられます。よろしくお願いします。
ではでは。
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