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精密採点Aiについて(ボナカン編)


0.おことわり


 この記事は以前noteに掲載されていた、以下の記事をベースに書かれています。元記事は諸事情により閲覧できなくなってしまっていた時期があり、本記事はこの叡智が共有されないのは惜しむべきであることと考えた筆者が執筆したものになります。つきましては、本記事の情報の真偽に関する責任はすべて私にあり、元記事の執筆者は一切の責任を被らないこととします。よろしくお願いいたします。
また、情報記述がより明快であったり、情報が体系的に整理されているという観点からも、元記事をお読みいただくことを強く推奨します。

また、この記事は精密採点Aiで「98,99点が取れるようになってきて、100点を視野に入れている」「数曲100点が取れたが、もっと増やしたい」くらいの層をターゲットとして、5値について少し踏み込んだ情報を提供しているものです。精密採点DX-Gの攻略を含む前提知識が必要となりますので、またその辺りが分からないという方はご自分で調べていただくようお願いいたします。

【2023/9/27追記:誤植訂正に伴う謝罪】
表現力・抑揚の項において、「強:弱=2:1」と記載されていましたが、「強:弱=1:2」が正しい表記となります。
記事作成から3カ月ほど誤植が放置されていました。大変申し訳ございませんでした。

1.挨拶

 改めまして、∀εと申します。精密採点ではつかさというユーザーネームを使用しております。本記事では精密採点Aiで100点(ボナカン)を取るために必要な知識について解説します。よろしくお願いします。以下、軽く自己紹介をさせていただきます。

私は2022年6月ごろから精密採点Aiにハマり始め、同年10月に初のボナカン(fistia上200人目)、同年12月には初のソテカン(fistia上25人目)
を達成しました。また精密採点DX-Gにも2022年10月ごろから参入し、同年12月に初のボナカン、2023年9月にソテカンを達成しました。埋めはAiでしか達成出来ておらず、チャート合計の最高記録は(100%)497です。

2024/4/28現在、精密採点Aiではボナカン157曲、ソテカン84曲を記録しています。これらの記録では、曲のキー変更を許容しております。また、エフェクターやイコライザー、マイマイクなどの周辺機器、およびテンポコントロールは使用しておりません。

2.前提知識

 本記事に登場する用語・略語とその意味を以下に定義します。ただ100点を目指す方の場合はほとんど既知と思われますので、読み飛ばしていただいて構いません。

  • チャート:採点結果1ページ目に表示される五角形。

  • 素点:採点結果に最初に表示される、ボーナスが加算される前の点数。

  • 総合得点:ボーナスが加算された後、最終結果として表示される点数。

  • 5値:チャートの項目ごとの点数。それぞれ100点満点で表記される。

  • チ計:「チャート合計」の略称であり、5値を合計した値のこと。

  • 4値:「チ計」から音程の値を除いて、400点満点で表記される数値のこと。

  • ボナカン:ボーナス込みの100点。単に「カンスト」という場合はボナカンを表す。

  • ソテカン:ボーナスなしの100点。「素点カンスト」の略。

  • VL:「ビブラート&ロングトーン」の略。

  • x%:(音程%)-90­=x として、音程を略記する方法。大抵チ計とともに表記される。たとえば「4%490」とあった場合、チ計が490であり、音程正確率は94%であったことを意味する。

また前述した通り、精密採点DX-Gの5値についてある程度知識があることを前提とします。

3.概論

まずはチャートの各項目の説明の前に、「カンストのために目指すべきライン」について説明します。

3.1 総合得点・素点の仕組み
総合得点が表示される際、まず「素点」が表示され、「Ai感性ボーナス」が加算される演出が起こります。しかしこれらの算出方法はDX-Gと異なります。

「素点」に「Ai感性ボーナス」が加算されている演出

今作ではチャート値から総合得点が決定され、次に何らかの方法で素点が算出されます。ボーナス点は総合得点から素点を差し引きして得られます。つまり、ボーナスや素点は総合得点に影響を及ぼしません。
したがって、総合100点を目指す際に最も参考にすべき数値はチャート値であるということが分かると思います。ボーナス点、素点については現状大きな意味を持った値とは考えられていません。しかし例外的に、次のような場合にボーナス点が大きくなりやすいということが知られています:

  • 他項目と比べてリズムが欠けている場合

  • 他項目と比べて表現力が埋まっている場合(裏技法が多く入っている場合?)

  • 抑揚評価で音量変化が小さいと判定された場合

  • 特定の倍音成分が入っていない場合


DX-Gでは倍音や音圧による「裏加点」が存在しましたが、今作でもその影響はここに組み込まれる形(=素点が高くなる)で残っています。しかし先ほども書いたように、これらは総合得点には一切影響しませんので留意してください。

(2024/1/6追記)
素点とボーナス点についての仮説を立てました。関心のある方は以下のリンクからお読みください:
精密採点Aiについて(仮説編)|∀ε (note.com)

自分の持っていた中でAi感性ボーナスが最大のリザルト。
露骨にリズムが欠け、表現力が埋まっている。


 また、2ページ目に「Ai感性グラフ」という項目がありますが、こちらもチャートとは関係のない値ですので、総合得点に影響することはなく、ボナカンを目指すうちは気にしなくても全く問題ありません。

Ai感性グラフの一例(画面中段)。Ai感性は100点でないが、総合得点を見るとカンストしている


3.2 カンストのボーダーライン
 結論から言ってしまうと、4値393〜395あたりがゴールラインになります。値に幅があるのは4値の各項目の比重が均等でないからです。表現力>安定>VL>リズムの順になっていると考えられており、特に表現力の比率は大きく、97を下回った場合カンストは不可能と言ってもいいでしょう。逆にリズムは93でもカンスト可能で、比率は小さくなっていることがわかると思います。
 またボーダーラインは音程%によっても若干変動し、5%を理想値として、そこから離れると4値の要求量が上がっていくと言われています。
 しかし実際のところ、同じチャートでもカンストする場合としない場合があります。これはチャート値に小数点以下の値が隠れており、集計アプリなどではその部分が切り捨てられた整数値が表示されているからだと考えられています。整数値の目安として、ひとまず4%、5%で490辺りを目標にしてみてください。
 ちなみに、4値の理論値は慣習的に安定100、表現99、リズム99、VL99の計397とされており、理想チャートといった場合はこれを指すことが一般的です。

4.各論

ここでは表現力以外の4項目について説明していきます。


4.1 音程

 メロディーに対してどれくらい正確な音が入力されたかを示します。基本となるシステムはDX-Gとほぼ同じで、1/4音以下のずれは正解とみなされ(=音程バーが金色に光る)、そこから離れると減点が発生します。
 前作と異なり、一部の裏技法が検知されたバーでは音程が合っていたことに歴史修正する仕様があるようです(裏技法については表現力の項で扱います)。
 先ほども述べた通り、音程の理想値は95%です。ここから離れるほど要求される4値が高くなっていきます。目安として、カンストできる音程の下限は89%、上限は100%です。これらの場合は理想チャートがほぼ必須です。ここから外れると、4値で補ってのカンストは理論上であってもほぼ不可能になります。初めてカンストを目指す場合であれば、93-95%が安定して取れる曲で挑むのがよいでしょう。

音程は高ければいいものではない


4.2 ビブラート&ロングトーン

 ビブラートとロングトーンの「上手さ」を判定します。ビブラートは毎回同じ波形かどうか、ロングトーンは音程を変化させることなくまっすぐに音を伸ばすことができているかを評価しています。ビブ評価は満点、ロング評価は9以上を目指しましょう。

評価に関係する箇所を赤く囲んである


本項目はDX-Gから変わった点が複数あります:

①H(ひし形)ビブの廃止(あまり影響がないので説明しません)
②間奏ビブの廃止
③ロングトーン評価方法の変更

②によってロングバーが1本しかない曲ではカンストを狙うことが難しくなってしまいました。しかしフレーズの最後のバーなどでは、バーの終りより少し後ろ側までビブを検知してくれますので、そこもめいっぱい活用していきましょう。また上には書きませんでしたが、繋げビブも若干やりにくくなった印象があります。繋げビブを大量に使用してもVL100が出ることもあるようなので、ビブアイコンがたくさん表示されても問題ないのかもしれません。
③については、評価のロジックがかなり変わったようで、評価10をもらうことが難しくなってしまいました。評価10についての詳細な仮説についてはまた別の記事で書くこととしますが、前作と同様「1秒程度の真っ直ぐな発声を1回」いれれば合格とされることが多いので、細かい部分はあまり気にしなくてもよさそうです。

 以上がDX-Gからの変更点です。そのほかの点は同じですので、わからないという方は別で情報収集をお願いします。

 上述したようにビブ評価満点、ロング評価9以上を得ることができれば98以上の値を取ることはたやすく、カンストするために十分と言えます。

4.3 リズム
 バーの開始部分と発声の開始のタイミングを比較し、どれだけずれているかを判定します。タメの場合より走りの場合の方が減点が大きいです。タメ判定を食らうときは曲の一部分を走り気味に歌うことである程度改善することができます。逆も然りです。

この部分。ゲージがタメにも走りにもなっていないのに減点されている場合は走りであるので、タメ気味に歌うとよい。

 ほとんど何も意識せずとも98点以上もらえる項目で、カンストするには十分ですが、100点は運要素がかなり強く、狙って出すことは非常に難しいです。逆に欠けてしまっている場合は早期に修正することが重要です。

4.4 安定性
 謎が多い項目の一つです。自説については別の場所で述べるとして、一般的に安定性について言われていることを列挙します。

・声の震えを検知し減点する(減点方式である)
・しゃくり、こぶしが検知されたバーでは安定性の減点が生じない
・発声を途中でやめても安定性は減点されない(必ずしもバー全体で発声している必要はない)
・評価9以上のビブラートは安定性を回復できる
・ビブの分裂や、発声がバーの途中で途切れたのち発声しなおすなどすると減点される
・下り階段を滑らかにつなげて歌うと減点される
・ごまバーを区切らずに歌うと減点が大きい

以上です。結論としては、不必要に発声を伸ばすことは避け(=適宜区切る)、伸ばす必要があるときはしゃくりやこぶしで減点を回避し、上手いビブラートを多く入れることである程度安定性を伸ばすことができます。

 安定性は、4値で唯一慣れれば100点を取ることもできる項目です。区切りやビブ、しゃくりなどを有効に活用してください。

(2024/2/17追記)
安定性評価について自説をまとめました。興味のある方は以下のリンクからお読みください(読者層としてカンストに慣れてきた中~上級者を想定しています):
精密採点Aiについて(仮説編)|∀ε (note.com)

5.表現力

この項では表現力について説明していきます。表現力は抑揚と表現技法の数から評価されています。わざわざ章立てしていることからお察しとは思いますが、精密採点Aiにおいて攻略のカギとなる項目です。頑張りましょう(投げやり)

5.1 抑揚
 抑揚は読んで字のごとく声の大小差とその割合を評価する項目であり、曲全体を通して「強:弱=1:2」に近づくように調節すると高得点が取れるといわれています。マイコンをする場合、あまり頻度が高いと減点されますので、短くとも小区間2個分程度の間隔を保つとよいと思っています。また強弱変化が激しすぎる/小さすぎる場合も減点されますので、内部を適切に調整することをお勧めします。

 抑揚について、「90点未満の場合、強弱変化が大きすぎるor小さすぎる、90点以上の場合、大小の割合に問題がある」という経験則があります。しかしこれは経験則の域を出ないため、自分なりにマイコンや内部調整などをいろいろ試して、抑揚を取れる状態を身につけることが必要です。

 抑揚評価の重要な性質として、「表現力の最大値を決定する」というものがあります。具体的には、xを抑揚の点数としたとき、100-4n≦x<100-4(n-1)が成り立つ自然数nを用いて、表現力の最大値は100-n点と表せます(ただしnが10以上の場合に成り立つかどうかは未確認です)。これはいいかえると、「抑揚評価が低い場合、どんなに表現技法を入れても表現力で高得点を取ることはできない」ことを意味します。

 さらにこの事実は、「表現技法の検知数が足りているか」を確認することにつながります。例えば、抑揚が93点の場合、表現力は最大で98点になりますが、ここで実際の表現力の値が96点だった場合、表現技法の入れ方を改善することで表現力をあと2点伸ばすことができます。この伸びしろのことを「欠け」といい、この場合は「2欠け」などといいます。また伸びしろがない場合、「表現が埋まっている」などと言います。

5.2 表現技法
 表現力評価の大部分を占める項目です。表現技法には「しゃくり」「こぶし」「フォール」のほか、アイコンの表示されない「裏技法」と呼ばれるものが8種類大量に存在します。これに対しアイコンの表示される技法を「表技法」と呼ぶことにします。これらをたくさん入れることで、表現力の点数が上がっていきます。表現技法について、一般的に次のようなことが経験則として共有されています:

  • 表技法の評価比重はほぼ0である(裏技法の方が圧倒的に評価される)

  • 同じ技法を多く入れるより、いろいろな技法を少しずつ入れる方が評価が高くなる

  • 曲の長さと音程バーの総数から必要数が決定されている

では、裏技法をひとつずつ紹介していきます:
かなり長くなってしまったので、独立した記事として書きました。
以下のリンクからご覧ください。

4値の中で最も比重が大きいことからも分かる通り、カンストを狙う際は「表現を埋める」ことがかなりの近道になります。しかし表現技法は要求量が多く、慣れないうちは表現を埋めるだけでかなり忙しくなってしまうと思います。ある程度長く(5分以上)、ゆったりした曲の方が表現は埋めやすいので、初めはそのような曲で練習するとよいでしょう。

カンストする上では98点以上であることがほぼ確実に要求されますので、抑揚と合わせて表現技法が検知されているかどうか、動画を撮影するなどしてよく確認しましょう。

以上で、ボナカンに必要な知識は一通りそろえたつもりです。次の項では、精密採点Aiにおけるソテカンについて、どのようなものか軽く紹介していきます。
ボナカンを目指すだけの方は、必ずしも読む必要はありません。


6.ソテカンとは

ボナカン(上)とソテカン(下)。ソテカンではAi感性ボーナスがなく、最初から100.000点が表示される。特別な演出はない。


概論の項において、「精密採点Aiではチャート値から総合得点が算出され、そこからボーナス点を差し引いた点数が素点として表示される」ということを述べました。これより、ボーナス点が0点となるような歌唱をすれば、素点がそのまま総合得点となり、最初からチャート値に即した点数が表示されるということが分かります。したがって、ソテカンするためには

①チャート値が総合得点100.000点の条件を満たす
②ボーナス点0.000点の条件を満たす

という2点が十分条件になります。①については慣れれば簡単ですが、これと②を両立するのは一般的に困難と言われています。以下、その理由について記述します。

 現在、ソテカンする際にボーナス点を0点にする方法として採用されているのは、「採点結果1ページ目のAi感性グラフにおいて、Ai-の値をAi+より大きくする」というものです。値が等しい場合はボーナスが発生してしまいますので、普通に①を満たすように歌っているとAi+が100になってしまい、ソテカンすることはできません。そこでAi+が控えめになるように歌うと、表現技法が足りず①を満たすことができなくなってしまいます。

チャートの真下にあるのがAi感性グラフ。Ai- > Ai+をみたしていることがわかる。


 この状況を回避し、①と②を両立するための方法を次回の記事で書きたいと思っております。


以上でボナカン編はおしまいです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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