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#13 「みんな違ってみんないい」ドイツでの生活や、保育士を経て「でこぼこマーケット」を立ち上げた立田千恵子さんの考え方。「ピンチはチャンス、失敗をどう捉えるかは自分次第」

for 20's第13回目のインタビューのお相手は、でこぼこマーケット代表の立田千恵子さんです!15年間勤めた保育園を辞め、地元・江戸川区を食の観点から盛り上げたいとの想いから「でこぼこマーケット」を立ち上げ、オーガニック野菜の販売・不定期の料理イベントなどを行っています。

そんな立田さんに、20代の羅針盤となるような経験談やマインドセットを伺ってきました。

【立田千恵子さん】
江戸川区生まれ。ドイツの日系企業への就職や、保育士として15年勤務した後、子どもたちと共に暮らし、生きることに寄り添いながら、自らも食を中心に生きていく中、保育園という枠を超えて、「食」を通して人がつながる場を作りたいと思い、「でこぼこマーケット」を立ち上げ、オーガニック野菜の販売や、不定期の料理イベントなどを行う。

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<聞き手・ライター:桝井孝一・金子圭介>



1. 20代前半の経歴

新卒でのドイツ生活と、専門学校への入学


for20's第13回目の取材のお相手はでこぼこマーケット代表の立田千恵子さんです!本日はどうぞよろしくお願いします!(インタビュワー・桝井)

ありがとうございます!よろしくお願いします!(立田千恵子さん)

早速ですが、立田さんは20代前半の頃どのように過ごされていましたか?

高校を卒業後、23歳まで大学生活を送りました。もともと小学生の頃から保育士になりたいと思っていたのですが、高校三年生の時に、クラスに海外から留学生がやって来たことや、周りの友達が大学受験の話をするようになり、私も大学に行って世界のことを学びたいと思うようになりました。卒業後は、在学中からご縁のあったドイツのデュッセルドルフで日系企業のヨーロッパ出張所の所長秘書として働きました。

ドイツで働かれていたんですね!新卒で海外で働かれるというのは、働きやすさも含めていかがでしたか?

デュッセルドルフは日系企業がとても多い地域で、海外で暮らす日本人という共通点から日本人の友達もできやすかったですし、ドイツ語学校では様々な国の方と仲良くなれたり、日本に興味あるドイツ人も周りに多く、とても楽しく刺激的な毎日でした。会社の方もドイツ人、日本人共に皆さん親切でとても良い環境でした。

素敵な人間関係が構築できそうですね!海外で働かれる中で印象に残っている部分はどんなところですか?

ドイツ人の仕事とプライベートのバランスの取り方が素晴らしいと思いました。効率良く仕事をして、自分の時間をいかに楽しむか。ドイツ人の大切にしている「ウアラウプ(Urlaub)!」=休暇、私も大好きな言葉になりました。そんなドイツでの生活を経て、20代半ばで日本に戻りました。

そこから帰国されたんですね!保育士の専門学校に入られたのですか?

最初は、海外に行って帰国して、また学校に入ると親に言いづらい部分があったのですが、そのタイミングで親の方から「保育の道に行けば?」と背中を押してもらった部分があり、保育士の専門学校に入ることにしました。県立の専門学校だったので、学費も安く寮費も無料だったので当時はとても助かったのを覚えていますね。

2. 20代後半の経歴

仕事を作り出す経験


専門学校の後半の時期かと思うのですが、印象に残っていることなどはありましたでしょうか?

当時、授業を受けてアルバイトをして帰ると、どうしてもご飯がおざなりになってしまったんですよね。私は食べることが大好きで、自分の中の優先順位で"食"はかなり上だったので、アルバイトと食を掛け合わせようと思いました。そこで思いついたのが、新聞配達を行っている方たちに夜ご飯を作り、私もそこで作ったものを食べようと思いまして。早速、片っ端から新聞配達の営業所・販売所に電話をかけて聞いてみたのですが、一件だけお願いしますと言ってもらえたところがあり、そこでご飯を作ることになりました。学校が終わるとスーパーに買い出しに行き、夜ご飯を作り、販売所のキッチンを借りてご飯を作る、とても良い経験をさせていただいたと思います。その中で、仕事って何かあるところに行かなくても、自分で作り出せるんだなと学びました。

その時から営業のようなことをされていたんですね!専門学校を卒業後は、どのように過ごされていましたか?

高校生の時にボランティアに通っていた保育園に就職しました。居心地の良い保育園で、ごはんも最高に美味しくて!子どもも職員もとてもイキイキしていて。保育士になるなら、その保育園で働くこと以外考えていませんでした。そこから15年その保育園で働いていたのですが、私の娘もその保育園に入園し、卒園のタイミングで私も一緒に退職しました。

15年働かれていたんですね!娘さんの卒園と一緒に退職されたのは素敵ですね。

3.大切にしている価値観や考え方

「みんな違ってみんないい」


立田さんが大切にしている価値観や考え方はありますか?

「みんな違ってみんないい」ということでしょうか。これは保育士の時からそう思っています。今は、大きさや形が個性豊かで、エネルギッシュかつ、オーガニックな「でこぼこ野菜」を取り揃えた「でこぼこマーケット」を運営しているのですが、野菜に限らず、考え方が違う人や、見た目の話なども含めて、みんな違ってみんないいなと思っています。色々なときに助けてくれる言葉でもありますね。

でこぼこって、素敵な表現ですね。

でこぼこマーケットも、「でこぼこ」という言葉に救われている気がします。決まりごとを作っておらず、自社店舗も持っていない、さらには用意する品目もその時になってみないとわからないので、想定していた仕入れもなくなってしまうこともあるのですが、お客様もそんな「でこぼこ」を理解してくださる方ばかりなので、助けられているように感じます。ゆくゆくはでこぼこという言葉を、世界に発信したいなと思っています。

4.困難な壁にあたったときの対処法

「ピンチはチャンス」


これまで困難な壁にあたったときに、立田さんはどのようにそれを乗り越えられてきましたか?

「ピンチはチャンス」と思うようにしていることです。転んでも、何かを掴んで起き上がりたいなと思っています。最近読んだビジネス書でも、いかに失敗を活かして、自分の財産にするかが大事と書いてあり、本当にその通りだなと思いました。

失敗から学ぶことで、失敗ではなくなっているのかもしれませんね。

失敗のまま終わっていたら挫折になるのかなと思うのですが、失敗した時にどうにかしようと考える中で、さらに良いアイデアが生まれてくるものだと思うんですよね。もちろん、起きたことをどう捉えるかは自分次第なので、どうせだったらポジティブに次に活かすことが良いのではないかと思います。

逆に、失敗をネガティブに考えてしまう方に対するアドバイスはありますか?

「全てのことは、意味があって起こっている」と考えるのが良いのではないかと思います。あまり良くないことが起きても、ご縁があって起きているんだなとポジティブに捉えていくことも必要なのではないでしょうか。

5.20代の頃の自分に伝えたいこと

恵まれた環境で勉強をする


立田さんがもし20代の頃の自分に何か伝えることができるなら、何を伝えたいですか?

もっと勉強をすればよかったなと思います。当時、やりたいことも興味のあることもたくさんあったのですが、学生生活で学べることにちゃんと目を向ければよかったなと思うことはあります。もちろん今後の人生で学べることもたくさんあるのですが、学生は恵まれた環境で勉強ができるし、20代のうちは頭が柔らかいので、もっと勉強に目を向ければよかったかなと思います。

6.今の20代のメリット

得意なことを伸ばせる環境


立田さんが思う「今の20代のメリット」ってなんだと思いますか?

「みんな違ってみんないい」というのが、だんだん認められつつある社会になっていることだと思います。私が20代のころは、石の上にも三年、忍耐、努力など、とにかく苦手なことを克服するのが大事といった社会でしたが、今は得意なことを伸ばす方向に向かっているように感じます。そっちの方が楽しいし、文化もできるし。自由な選択が広がるに越したことはないと思っています。

確かに、20代にとっては挑戦がしやすい環境になりつつありますよね。

私が子供の頃は高度経済成長期で、大量生産大量消費の時代だったのですが、今は一旦立ち止まり、それだと持続可能な社会ではないよね、となっていると思います。転換期の今はいろいろなチャレンジをしやすいタイミング。多様性が認められ、色々な人が活躍できる時代だと思います。人とのコミュニケーションが得意ではなくても、自分の得意なことを実現しやすかったり、アイデアを発信できるのではないでしょうか。

7.今の20代のデメリット

情報を取捨選択する


立田さんが思う「今の20代のデメリット」ってなんだと思いますか?

これといったデメリットは思いつかないです。困ったことがあっても、それを活かしてチャンスにできる環境にいるのではないかと思います。ただ、情報が多すぎて自分に必要なものを取捨選択していかないと疲れてしまうことはあるのではないかと思っています。目から入る情報だけではなくて、自分の直感も大事にすることが大事だと思っています。

8.20代の頃にご自身が影響を受けた人やモノ・コト

ドイツでの生活


いよいよ最後の質問なのですが、20代の頃にご自身が影響を受けた人やモノ・コトなどありますか?

新卒からドイツで働いたことで、広い視野で物事を見れるようになったことです。やはり世界には色々な人がいて、みんな違った考え方を持っているので、ある意味、今の時代でいう多様性を早くから学べたような気がします。

確かに、海外で暮らすと人生観が変わるというお話はよく聞きますもんね。

はい。日本のことや地元のことがますます好きになりました。20代も楽しいし、30代も楽しかったし、これから先もどんどん楽しくなっていくと思うので、常に何かに興味を持ち、楽しい人生にしていきたいですね。

学生時代のお話から20代へのアドバイスやマインドセットなど、20代にとって勉強になる情報をいくつも教えてくれた立田さん。

個人的には、「でこぼこ」という言葉がとても好きになりました。
立田さんが大事にされている「みんな違ってみんないい」という言葉にも近いのですが、さまざまな考え方や得意なことを伸ばすことができる環境で、さまざまなことにチャレンジしていきたいなと思います。


〈取材・文・編集・写真=桝井孝一・金子圭介〉

立田さんのSNS一覧
Facebook:https://m.facebook.com/p/%E7%AB%8B%E7%94%B0%E5%8D%83%E6%81%B5%E5%AD%90-100024750410549/
Instagram:https://www.instagram.com/chiekotateda/?hl=ja


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