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清水1-2磐田(2019年11月2日)

ざっと半年ぶりの更新(汗)となる今回はJ1リーグ第30節、清水エスパルスとジュビロ磐田の、公式戦66回目、J1通算で50回目(清水19勝、磐田24勝、引き分け6)となる「静岡ダービー」です。

試合前

29節終了時点で最下位。周囲の結果如何で今節にもJ2行きが決定してしまう降格に片足がかかった状態の磐田と、順位こそ13位ながら入れ替え戦に回る16位とは勝点4、自動降格となる17位とも勝点6しか差がない清水。

お互い厳しい状態ですが、それだけにダービーの意地に加えてJ1残留を勝ち取るため、負けられない要素がギッシリ詰まった大一番となりました。

前半

5分、GK八田直樹からのゴールキックがワンバウンドして清水最終ラインの頭を越えると、そのボールに対してタイミングよく反応して裏に抜け出したルキアンをファン・ソッコがエリア直前で後ろから倒してホイッスル。

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ファン・ソッコにレッドカードが掲示され、清水が開始5分で数的不利に。

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この反則で得たFKを山本康裕が狙うも壁(味方?)に当ててしまいます。

いきなり守備の要を失う事になった清水は前線のドゥトラを下げて立田悠悟を投入。4-4-1にシフトチェンジしてバランスを整える事に。

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聞けばドゥトラは清水移籍後J1初先発だったそうで・・・無念でしょうね。

一方、労せずして数的優位を確保した磐田はここからエンジン全開で清水ゴールに襲い掛かります。

13分、数分前に途中出場した立田悠悟がボールコントロールをミスした瞬間を見逃さずにルキアンがボールをかっさらってドリブル。そのままエリア内まで侵入してラストパスを試みるも二見宏志が何とかタックルで阻止。

清水の反撃はようやく22分、ゴールほぼ正面のFKをドウグラスがシュート。

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32分、清水の縦パスを自陣エリア内で宮崎智彦がカットすると、ボールを受けたアダイウトンがエウシーニョが上がってポッカリ空いた裏のスペースをドりフルで独走。そのままペナルティーエリア直前まで持ち込むと、相手3人に寄せられながら右足インフロントで逆サイドを狙ったシュート。

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33分、清水のゴールキックを跳ね返した流れからフラッグめがけて縦パスを流し込むと、追いついたルキアンがダイレクトで中央にクロス。このボールをニアに飛び込んで来たアダイウトンが頭で合わせるもわずかに枠の外へ。

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39分、左サイドの小川大貴が清水DFラインの裏にボールを流し込んでルキアンがキープ。リターンパスを受けた小川大貴が右足でクロスボールを入れるとダイウトンの頭上を通過したボールは藤川虎太朗の足元へ。松原后と競り合って右にこぼれた所をそのまま右足でシュートすると、ボールは大久保択生のニアサイドを抜けてゴールネットへ。

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0-1。ようやく磐田が先制します。

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その後、前半ながら4分という長いロスタイムを経てハーフタイムへ。

後半

50分、左サイドからの二見宏志のロングスローに対してドウグラスが中央に飛び込むと、シュートを阻止しようと体を入れた大井健太郎の足に当たってボールはそのままゴールへ・・・

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磐田はあれだけ苦労して取った先制点をロングスローからのオウンゴールであっさり取り返されるハメに。

ココからしばらく清水の時間帯が続きます。

54分、西澤健太の左からのCKに対してニアにドウグラス、中央に松原后が飛び込むも、松原后が打ち切れなかった所を八田直樹がキャッチ。

57分、右からの西澤健太のCKをニアサイドに走り込んだ松原后がドンピシャのタイミングでヘディングシュート。

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しかし、これを八田直樹が抜群の反応でセーブ。

62分、自陣の最終ラインで奪ったボールを河合陽介が素早く右サイドの裏のスペースへ流し込むと、このパスに追い付いたドウグラスがカットインから左足でミドルシュート。

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これも八田直樹がセーブ。

69分、右サイドから藤川虎太朗があげたクロスは中央のアダイウトンには合わずに逆サイドへ。こぼれ球を拾った左からのクロスは誰にも合わずに再び右サイドまで流れるが、受けた藤川虎太朗が左足でシュート。

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この辺りから流れが磐田に戻り、ほぼ一方的に攻める時間帯が続きます。

69分、藤川虎太朗⇒大久保嘉人 アダイウトンが左へ

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75分、相手のクリアボールを拾った大井健太郎から小川大貴⇒上原力也⇒小川大貴と短くつないで山本康裕が縦にくさびのパス。受けた大久保嘉人が上原力也に預けてさらに縦に走ると、ルキアンが落としたボールをダイレクトでミドルシュート。

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78分、河合陽介⇒川本梨誉

82分、小川大貴⇒荒木大吾

82分、清水の自陣深くからのスローインを投入されたばかりの荒木大吾が奪ってそのまま右からクロスを送ると、ニアサイドのルキアンがワントラップから右足シュート。

84分、右サイドで松本昌也、上原力也とのパス交換から荒木大吾がクロスを入れるが中央のルキアンにはわずかに合わず。流れたボールを逆サイドで拾ったアダイウトンがマイナスに戻すと走り込んだ宮崎智彦がダイレクトでシュート(あるいはクロスだったのかな?)

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しかし、大久保択生が両腕を伸ばしてコレをセーブ。

85分、西澤健太⇒水谷拓磨

そして86分、ついに試合が動きます。

中盤左サイドで山本康裕からのパスを受けたアダイウトンが少しドリブルで持ち上がって前線にくさびのパス。ボールを受けたルキアンが立田悠悟のプレッシャーを受けながらも何とか後ろにボールを流すと、走り込んだアダイウトンがそれを受け取ってエリア内に進入し、そのまま右足でシュート。

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1-2。70分前後からほぼ一方的に押しまくっていた磐田が、土壇場でようやく勝ち越しに成功しました。

その後、4分余りのロスタイムを経て試合は1-2で終了。負ければ他会場の結果次第でJ2への降格が決まる可能性もあった磐田ですが、自力で今節でのJ2降格を回避しました。

試合を終えて

前半5分でCBが退場するという清水の致命的なミスにも助けられながら何とか勝点3を手にした磐田。コレでリーグ戦の直近5試合での成績は2勝2敗1分となりましたが、気になるのは勝ち点を挙げた3試合での得点の時間。

第27節 大分戦 2-1 後半51分(山本康裕)
第29節 鳥栖戦 2-2 後半39分(アダイウトン)
第30節 清水戦 2-1 後半41分(アダイウトン)

最後まで諦めない、簡単に負けなくなった証拠と受け止められなくもないですが、結果を出すのがあまりにも遅いという風に言う事も出来ます。

この試合でも、その傾向は顕著に表れていました。

開始5分でファン・ソッコが退場した際、立田悠悟を投入する為にドゥトラを下げた事もあって清水の前線からのプレッシャーは比較的緩く、磐田は比較的自由にボールをサイドに散らす事が出来ました。

磐田の狙いはずばりエウシーニョの裏のスペース。その狙い自体は決して間違ってないと思いますし、実際、よく実践できていたと思います。攻めてはアダイウトンの総力と突破力を活かし、守ってはエウシーニョの攻撃参加の回数と意欲を削ぐ。DAZNのデータで、試合を通しての清水のアタッキングサイドが右21%に抑えられたのはまさに狙い通りでしょう。一方で、磐田の先制点も勝ち越し点も左サイドからの攻撃で生まれてます。

ただ、その左からの攻撃が最終的な得点という形になるまでに、前半も後半も時間がかかり過ぎました。

先制点に時間をかけ過ぎてしまった上に、ハーフタイムで西澤健太のポジションを1.5列目に上げて前からのプレスを強くする修正を図った清水にまんまとビルドアップの自由を奪われる形となります。オウンゴールの形で後半立ち上がりに同点に追い付かれてしまった事も清水の追い風となり、そこから70分前後まで、どちらが10人かわからないような戦いぶりが続きました。

スタッツもそれを裏付けてます。

DAZNによると、
前半磐田のボール支配率は75%、
シュート総数は磐田9本に清水4本、
枠内シュートは磐田6本の清水1本でした。

ですが試合終了時点での磐田の支配率は70%、
シュート総数は磐田19本に清水9本
枠内シュートは磐田11本に清水5本。

引き算すると、後半だけに限れば
枠内シュートは磐田5本に清水4本だった事になります。

ボール支配率に関しても、前半75%⇒試合終了70%という事は、後半のボール支配率は65%程度だったと想像できますが、前述のとおり、清水の足が止まり始めた70分前後からはほぼ一方的に磐田ペースだった事を考えると、逆にそれまでの時間帯はかなり清水に主導権を握られていた事が数字上からも窺えます。

こういう表現をしてしまうと身も蓋もありませんが、結果は勝利だったものの、今いる順位にはそれなりに理由があるという事を再認識させられる試合でした。

スタッツ

ハイライト

次回予定

11月30日(土)味の素スタジアムのFC東京対浦和レッズを観戦予定です。

ちなみに最終節、日産スタジアムでの横浜F・マリノス対FC東京も観戦予定なので、ココが優勝決定の大一番になるような展開を期待してます。

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