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サッカーの神様

私は基本的に神様を信じないタイプだ。
物事のあらゆる事象は科学的な根拠に基づくものだと思っている。

久々にnoteを更新しようと思ったのは、神様を信じない派の私がサッカーの神様に遭遇したエピソード(実話)を書こうと思ったから。

経緯

ストーリーを始める前に、ふれておくべき経緯がある。

今年の夏に私の仕事都合で人生初の海外転勤が決まり、家族一同で海外へ赴任することになった。
つまり、我が家の3兄弟が通うサッカーチームで出国までにサッカーができる回数は数えられる程度だし、コーチである私もそれは同じ。

そんな中で、6/15,16にTOBIGERI U-10関東予選という少年サッカー界では有名な大会イベントに長男のチームが参加させてらもうことになったのはぎりぎりのタイミングだ。
赴任の任期が決まっていないものの4年生の長男は仮に2年間の赴任と仮定すると実質このチームでプレーできる時間は非常に限られている。

そして、この大会にL(略称)というチームが参戦していることを大会直前でとあるきっかけにより知る。

Lは、息子が小さい時から仲の良い友人(私の会社の同期で小さい時から家族同士で仲が良いという間柄)が所属していて、その両親が大会の前々日にTOBIGERI大会HPでうちの息子チームを発見し連絡をくれたのがきっかけ。

関東だけでも数あるサッカーチームの中で24チームの予選に、この2チームがエントリーされるだけでもかなりの確率だ。

ちなみに、この友人は大会合宿が初招集であったらしい。

大会1日目

お互いこの大会の予選リーグは別リーグなので、1日目は同じグラウンドで戦うも、直接対決はなし。
しかし、両チームの予選結果はなんとお互い2位トーナメント!
全8チームの2位トーナメントでなんとお互い勝ちもしくはお互い負けると次の試合が直接対決が実現という位置に。 

大会2日目

大会2日目の2位トーナメント初戦。
(ちなみに、私は別の学年の大会でコーチをしていたので、TOBIGERI参戦は2日目から。)
息子たちのチームと同時間、隣のコートでLも順位決定トーナメント1回戦スタート。
息子チームは技術の高い相手に惨敗、そして隣のコートはPKまでもつれこむも、Lが惜敗。
(本当はお互いに勝って戦えると良かったけど、)次の試合で直接対決が実現!

2位トーナメント2回戦(負け同士)はお互い、スタメンのチャンスをGET
物心つく前から仲の良い二人が、TOBIGERIという大きな舞台で同じピッチで戦えるとはなんという偶然か。
※ちなみに、私はメインコーチではないのでメンバー選定の権限はないし、求められないと意見も言わないのがスタンス。この試合もメインコーチがスタメンを選定してくれた。

直接対決キックオフ。
どちらのチームも集中力高く、激しい球際の戦いが続きつつ、息子チームが先制するも、相手(L)が同点弾を決める。
1-1の状況で、相手(L)のコーナーキック。
こぼれ球に素早くボールをゴールネットに蹴りこみLが逆転。
なんと、これを決めたのは息子の友人。
最後はLが追加点を決め、1-3で息子チームは惜敗。
私の海外転勤の任期次第では日本帰国時は中学生となっている可能性あり、息子にとっては残り少ないこのチームでの試合。
勝って欲しいと思う反面、その友人の成長も我が子のように嬉しくて正に複雑な気持ちだった。

サッカーの神様

色んな奇跡が重なったが話をサッカーの神様に戻そう。

両チームがTOBIGERIで同じ予選リーグで戦い、同じ順位決定トーナメントになるのはまさに確率的には相当な割合であり、偶然=神様の力が働いたポイントであろう。

一方で、それだけでこのストーリーを結論づけるのは少し違う。
息子のチームが大会合宿のメンバーに選ばれたのは同学年の半数程度で、友人チームは強豪なので、想像だけどもっと高い倍率と想定する。
大会合宿に初招集されるのは、友人にとっても大抜擢だったと思う。
そして、直接対決は両コーチがスタメンのチャンスをくれ、こぼれ球が自分の前に転がるのは日々の行い、トレーニングの積み重ねだし、球がこぼれたのではなく、こぼれた球に誰よりも早く走って蹴りこんだことに必然性を感じた。

岡田武史さんの本に書いてあった勝負は細部に宿るという言葉が私は好きだ。
些細な努力を怠らず、積み重ねた人が長い目で見たらチャンスをつかみ、それが勝敗を決める。

私が海外へ赴任する2週間前にお互い子どもたちがTOBIGERIという大きな大会で直接対戦させてくれたこと、二人とも人間として、サッカー選手として逞しく成長していることに誇らしく、嬉しく、ありがたく感じる大会だった。

二人の息子、両チームの指導者や関係者、TOBIGERI大会関係者、そしてサッカーの神様には感謝しかない。

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