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EURO2024イングランド対デンマーク イングランドは本当にヤバいのか

前置き

EURO2024のイングランドが色々と話題になってます。世界最高レベルのプレイヤーが揃う中、現在1勝1分。この間はサウスゲート監督の発言が話題になりました

早速サッカーキングさんが煽る動画を出してて最高に笑った。絶妙なタイミングで絶妙な動画を出してくれた感

上記動画からもイングランドがヤバそうなことが分かりますが、やはり試合を見てみないとホントのところは分からない。ということで対デンマーク戦を見ることにしました

結論、かなり酷い出来でした。戦術って大切だなぁと強く感じる試合。詳細に振り返ります

攻撃の評価

5バックに対して前線が数的不利でマークを剥がせない

イングランドの基本フォーメーションは4-2-3-1気味の4バック、デンマークは3-4-1-2の3バック。守備時のデンマークは5バックでした

青がイングランド、赤がデンマーク

イングランドはこれを崩すビジョンがなかなか見えず。まず5バックに対して前線が4枚と数的不利なので、両WGもケイン選手もマークに付かれて辛そうでした。それを崩すためにもボランチやDFラインが上がってくる必要がありますが、ボランチは上がって来ず、DFラインも右サイドぐらいしか上がれず、数的不利に陥ったままでした

本職でない選手を選び、自由にプレーさせた弊害

後ろの選手が上がってこなかった原因として、各ポジションの本職を選ばず、且つ戦術の方向付けもなかった点が考えられます。左サイドは本職でないトリッピアー選手なのでなかなか上がれず、攻撃に厚みを加えられませんでした。ボランチに関して言えば、本職ではないアーノルド選手が守備のスペースを空けがちで、その分ライス選手が前に上がれなくなった印象でした。このため、後述するように守備も破綻する形になっています

また、フォーデン選手、ケイン選手、ベリンガム選手が中盤まで戻ってきがちなので、尚更前線が数的不利に…攻めが上手く行かないから戻ろうとしたのだと思いますが、空いたポジションを埋める選手が居ないので悪手だったと思います

得点シーンはカウンターに近い形でウォーカー選手が上がってサイドを崩した形。ウォーカー選手とサカ選手の右サイド頼みという感じでした

守備の評価

前線の数的不利でバンバン真ん中にパスを通される

デンマークは攻撃時、WBが上がって3バック。3バックと2ボランチで5枚でパスを回してWBに展開する形。2ボランチがどんどんポジションを動くのも特徴でした

攻撃時のデンマーク。WBが上がる

対するイングランドは2ボランチが上がって来ないので前線4枚で守備。結果、相手に対して数的不利となり、ポジションを徐々に変える2ボランチを捕まえ切れずにバンバン真ん中にパスを通されます

全般的に後ろからの押し上げが不足

真ん中にパスを通されたのは、DFラインの押し上げ不足も影響した気がします。イングランドのDFラインは対面の2トップと1トップ下を恐れたのか、なかなか押し上げられませんでした。そうなると相手WBがフリーになりかちで、WGも外側をケアせざるを得ません。結果、相手DFラインからの中央へのパスを防ぎにくい形になります

ボランチのライス選手が上がって前からハイプレスを仕掛ける場面もありました。しかし、サカ選手が遅れ気味で相手にプレスをかけ切れなかったり、相手の前線の選手がアーノルド選手の脇のスペースに戻ってきて、且つDFラインがそれを追いかけないのでそこにパスを出されたり…

チームとして意識を統一できてないのは明らかでした。本当に何がしたいのか分からなかった

本職ではなく戦術が不足

このままだと優勝は無理でしょうね…守備が全然上手く行かないのは致命的。競合だとバンバン点を取られてもおかしくないように感じました

左サイドにショー選手が戻り、ボランチの適役が見つかれば良くなると思います。フィリップスの代わりが居ないというのは一定確かでしょう

ただ、根本的には戦術がないのが問題で、適役が居ても優勝は無理だと感じます。デンマークの戦術はある程度見えていたはずで、それに対して事前に策を講じていた感じが全くなかった。あまりにも無策過ぎたと思います

最高の選手を揃えても戦術が駄目だと勝てない。戦術の大事さが本当に良く分かった一戦でした

橋岡選手の解説からの学び

余談ですが、デンマーク対イングランドの橋岡選手の解説が面白かったです。イングランドはやはりパススピードが日本と全然違い、練習からパススピードを上げるよう言われるとのことでした。速過ぎるパスでも、受けられない方が悪いことになるとのことです。世界基準で戦う上で意識が必要な要素だと感じました

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