ビッグクラブの移籍について

ガンバ大阪のFW食野亮太郎選手が、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティへ完全移籍が発表された事に、「何故イングランドのビッグクラブなの?」という声がかなり上がっています。

確かにイングランドへの移籍では、浅野拓磨選手(アーセナル)、井手口陽介選手(リーズ・ユナイテッド)、板倉滉選手(マンチェスター・シティ)と、契約先クラブでは全くプレーすることなく、すぐに他国リーグへ期限付き移籍してしまっています。

何故、それでも移籍を選択するのか、その理由について、自分なりにまとめてみました。

まずイングランドで何故プレー出来ないのか、不思議に思われている方もいるでしょう。その理由は、イングランドは、欧州の中でも労働ビザの発給に関して一番厳しいからです。日本人選手に対しては、日本代表として代表の試合に75%以上の出場実績がないと、ビザが発給されない規則になっています。

ただイングランドのクラブは、世界的には中国と並んで潤沢な運営資金を持っている事で、トップレベルの選手獲得だけでなく、将来大きく化けそうな選手達をリクルートして、他国リーグへ選手の保有権を有した形の期限付き移籍で経験を積ませて、選手達の成長を期待しています。結果を残した選手に関しては、呼び戻してトップチームへ合流させます。

「他国リーグへ直接移籍すれば良いのに...」という意見がありますが、他国リーグの運営資金は、必ずしも潤沢とは言えず、絶対に補強しなければいけない実績のある選手を優先的に獲得して、若手選手はその次となりますから、おのずと移籍金を払うことすら厳しい事も不思議ではありません。

そこで使う手段として、期限付き移籍で若手選手を獲得する手段です。契約している若手選手を移籍させたいイングランドのクラブと、ここで利害が一致します。

あとは、イングランドやスペインのビッグクラブからスカウトを受けるということは、高い評価を受けている事にもなり、選手のキャリアにプラスになることも否定できません。

移籍は、受け入れる(必要とする)クラブが無いと、残念ながら成立しません。選手側が一方的に「移籍したい」と言っても、それは無理な話です。たとえ結果を残している選手であってもです。

移籍オファーが届いても、そのオファーがいつまでも有効であるかと言えば、そんな事はありません。相手クラブ側は、候補選手を複数リストアップするのが普通であり、回答が長引けば断られる事からあります。選手側が複数クラブからオファーを受けているのであれば話は別です。

その結果、あっという間に移籍話が進んでいっています。

「日本(A)代表で活躍してから...」という声もありますが、日本代表で活躍するようになると、選手としての価値が上がりますから、その結果として移籍金や年俸も上がります。ブレークする前に情報を収集して、金額が上る前に選手を獲得する様に動いているのです。

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