「ABC殺人事件」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文⑧
「ABC殺人事件」(小説/1936年)
アガサ・クリスティーが書くポアロシリーズのなかでも傑作とされる作品のひとつ。僕は1987年に初版が刊行された田村隆一訳のもので読んだ。同じハヤカワ文庫でも、2003年に刊行された堀内静子訳ものもあり、そちらの方が、本のデザインとして万人受けしそうなものである。
後世の作品でも「いろは」の順番や、「あいうえお」の順番に殺人事件が起こるものは大いにあるが、「ABC殺人」のアイデアと「ミッシリングテーマ」のマイルストーンと言える作品だと