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大晦日のアーセナル戦

初めまして。朝倉と申します。
現在イギリスのUniversity of Brightonの大学院に在学しており、Sport Journalismという少し珍しいコースを専攻しています。
将来の夢は、宇宙飛行士、サッカー選手ときて、今はフットボールジャーナリストを志しています。ジャーナリストの立場から日本のW杯優勝に貢献することが究極の目標です。よろしくお願いします。

自己紹介も手短に、ここでは地元クラブの Brighton & Hove Albion について現地で生活しているからこその切り口でお話をしていきたいと思います。良ければチェックしていただけると幸甚です。

さて、記念すべき最初の記事は、現地時間2022年12月31日の夕方5時半キックオフだったブライトン vs アーセナルの試合についてです。

結論から申し上げますと、ブライトンファンとしては悔しい敗戦となりました。開始早々サカに先制点を決められたときはまだため息をつく準備すらできていませんでしたね。ビール片手に遅れて登場した後ろの現地ファンは早々のビハインドにキレ散らかしていました。とはいえ首位相手に、特に後半は通用する部分が多々あったと思います。三笘選手と冨安選手のマッチアップも日本人としてはかなり興奮しました。

おそらく戦術的なことについては他の人の記事や動画で既に議論がされているでしょう。なのでここでは僕の拙い分析ではなく、現地のゴール裏で観戦したからお話しできることを書きます。

まずスタジアムに到着して思ったことは、日本人が多い!です。ブライトンでの普段の生活で日本人に会うことは滅多にありません。コースに日本人は僕一人ですし、大学内でも若干日本人っぽい人しか見つけたことがありません。日本人じゃなかった時のリスクがデカいので話しかけることは無理です。皆さん年末年始のお休みを利用して観戦に来られていたのでしょうか。とにかく四方八方から日本語で話す声が聞こえていました。旅行で来ている人たちに、僕は現地に住んでいるんだとアピールするため、「いつでも買いに来れるし!」とかなんとか大きな声で話していました。情けないほど小さい器の持ち主です。

僕は日本から遊びに来ていた友人のA君と試合開始の2時間前に併設のショップに入ったのですが、時すでに遅し。お店の中はファンの方々でごった返し、HOMEのユニフォームは3XLが2枚だけ。A君は、絶対三笘選手のユニフォームを買う!と息巻いていたのでとても残念そうでした。さらに日本人が多かったせいか、やはり一番人気は三笘選手。彼のユニフォームを買う人が多すぎて、背番号に使う”M”が足りなくなっていました。僕はA君に売れ残っていた黄色のGK用ユニフォームに”KAORU"のネームを入れることを提案したのですが、結局彼は1個1300円する法外な値段の卓上カレンダーを3つ購入していました。

失意の中僕たちはスタジアムの中に入りました。これが実際に座った席から撮った写真です。前から2列目のゴール真裏で、現地ファンの雰囲気を味わうには絶好の席でした。ただ、ここでも日本人のファンを見つけました。しかも若い同い年くらいの世代の女の子二人。彼女たちについて知っているわけでは一切ありませんが、若い女の子二人が日本から遠く離れたイギリスまでサッカーを見に来る、なんてことは僕の中では良い意味でかなり新鮮だったので、勝手にとても嬉しくなってしまいました。これがW杯効果もしくは三笘効果なのでしょうか。僕の母親に対する藤井風くらいの影響力の大きさを感じました。

やはりゴール裏はいいですね。島全体が比較的熱心なファンなので良いときも悪いときも一体感を強く感じられます。斜め後ろにいた名物サポーターらしき人もここでは書けないような野次を大声で飛ばして他の人たちを楽しませていました。「ベン(ホワイト)、お前は決断を間違えた…。ラムズデール、お前は何もしていない、イングランドの第4GKが…。」イギリスに旅行される暁には、日本では味わえない独特な雰囲気を是非皆さんにも実感していただきたいです。遠近感がバグる以外はゴール裏を選ばない理由がありません。観戦においてこのデメリットは致命的ですが。

シーガルズ(ブライトンの愛称)のファンは温かいです。2-4で敗れた後でも選手たちに労いの拍手を送っていました。プレミアリーグには、どことは言いませんが強烈で過激なファンを持つチームもいくつかあります。その意味ではブライトンは初心者の方にも優しい、馴染みやすいチームの一つだと思います。W杯でサッカーに興味を持ち始めたそこのあなた。ぜひ日本で無料で観れるシーガルズの応援から始めてみてはいかがでしょうか。そしてそのまま一生この青白ボーダーの沼に僕とハマっていてください。

長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。これからも定期的な発信を心掛けるので、お時間のある時に目を通していただけると幸いです。


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