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【PickUpMatch】#020.試合を決める選手へ。変貌を遂げるレッズのいま。

 J1リーグは今日から後半戦に突入。
 長い一年間の戦いもはやいものであっという間に折り返し地点だ。
 各クラブが凌ぎを削りながら、選手も皆それぞれに自信を深めている。少しでも高い順位を目指すためにピッチ上でのプレーは観ている観客の心を熱くする。
 やっぱり、サッカーは凄い。

 今日は夏に大型補強を行った浦和レッズを取り上げよう、ここ3試合勝ちから遠ざかっているアビスパ福岡をホーム埼玉スタジアムに迎えた一戦だ。

Topic①:必然のJ1初ゴール。新生レッズの中心に君臨。

 試合を重ねる度に上手くなり、怖い選手になり、チームの中心選手へと成長している。
 見せ場はすぐに訪れた。前半11分。
 中央でボールを受けると巧みなタッチで相手を外すと左足一線。ゴール右隅へとボールは吸い込まれ待望のJ1リーグ初ゴール。  
 試合後のインタビューでも話していたように「気持ちよく打つことができた」という一言に凝縮されていたように、体重の乗った素晴らしいミドルシュートだった。

 DAZNの解説を務めた水沼さんも小泉佳穂を褒める褒める。(さすがに解説の際は「佳穂」と呼ばないまでも大好きな選手なんだろうなと思った)
 特にボールの隠し方、身体の当て方は工夫を凝らしているし、当たり負けして吹っ飛ばされる瞬間はほぼ見受けられない。
 チームの攻撃に落ち着きをもたらし、守備のスイッチも入れられる。ロドリゲス監督のサッカーを象徴する存在になってきている。

 さらに僕が見る限りだが、ボランチの伊藤敦樹はいい選手だ。明治大学卒の柴戸海との連携はリーグ随一で、守備の連動性、攻撃の芽を摘むプレーはレッズに安定感をもたらしている。
 あまり見られないがおそらく前への運ぶドリブルも得意なのではないだろうか。日本代表キャプテンとして活躍し続けた長谷部誠の雰囲気も感じさせ、これから楽しみな選手の1人だ。

Topic②:高い修正力。後半は跳ね返した福岡の魅力。

 セカンドボールへの予測と、守備の連動性が後半は修正された。立ち位置を浦和の選手のポジションに合わせて修正し、セカンドボールへの出足と強度を高くした。

 浦和レッズの選手たちはかなり後半圧を感じ始め、ボールロストや消極的なプレーも増えてしまった印象。
 リカルドロドリゲス監督はその状況下でもビルドアップでボールを持ちながら、相手を剥がしていくことを求めていると思う。

 あとは、圧を感じる中でも各個人が球際で勝れるかどうか。浦和レッズは75分大きなコーナーキックから得点を奪ったが、そのコーナーに繋がったプレーは浦和レッズの今シーズンの強さを物語っていた。
 ユンカーが粘り、小泉佳穂が球際を制す、その流れからコーナーキックを獲得した。

 一方、アビスパ福岡は球際で勝っていたのは前くらいか。連動したいいチームだからこそ、ここは負けてはいけないといった局面で相手を上回れるかどうか。今後さらに上位を目指していく中で重要な指標になるだろう。

Topic③:新加入への期待感と一塩の懸念。

 浦和レッズはこの夏の移籍期間、大型補強を行なった。フランス一部リーグマルセイユからU24オリンピック日本代表にもオーバーエイジとして選出された酒井を獲得。
 また柏レイソルから江坂を獲得し、充分すぎる陣容を手にした。相手の動きを見ながら、1人でも局面を変えられる選手であり、決定的な仕事もできる選手を獲得し、浦和レッズはさらにパワーアップするだろう。

 一抹の不安があるとすれば、江坂のフィットか。これまで浦和レッズの攻撃のキーマンは小泉佳穂だった。(これはこれからも変わらないだろう)
 シーズン当初こそ、低い位置まで下がってゲームを組み立てることもタスクの一つとしていたが、キャスパーユンカーが加わってからはよりユンカーに近い位置でのプレーが増え、バイタルエリアでのプレーセンスを発揮している。

 ここに江坂が加わる。
 タイプとしては彼も中央に君臨し、決定的なプレーを好むプレイヤーだ。このままいけばおそらく二列目の選考は左に江坂、トップ下に小泉、右に田中(または関根)といったメンバーが予想される。
 もし江坂が中でプレーしたいと思い、中央にプレーエリアを取るようになればバランスは崩れ、小泉佳穂のプレースペースも極少になる。これでは浦和の良さは出ない。

 自分で文字に起こしながら、考えていたが、もしかすると上記の心配は無用に終わる可能性も高い。(可能性の方が高いかも)
 江坂はもともと背後への抜け出し、得点力にも長けたプレーヤーだ。もしラストパスやゲームコントロールを小泉佳穂に任せることができれば、江坂はフィニッシャーとしての能力を浦和レッズで開花させるかもしれない。(そう、マンチェスターCのギュンドアンのように)

 リカルドロドリゲス監督の手腕によって、浦和レッズに近年稀に見る競争が生まれているのは確かだ。
 ベテランから若手までチーム内の競走を歓迎し、出た選手がピッチ上で能力を発揮している姿はまさに理想だ。
 これからサポーターがスタジアムに戻ってきて、浦和レッズに大歓声という後押しが加わったなら、、。

 強いレッズの再来はもうすぐそこまできている。
 それでは。

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