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【PickUpMatch】#023.J1再開。積み上げてきたものを発揮するとき。

 東京オリンピック2020による、一時中断期間が明け、今日からついにJリーグ再開だ。長丁場のリーグ戦も早いもので折り返し地点。
 今回は、首位をひた走る川崎フロンターレが大分トリニータに乗り込んだ一戦をレビュー。
(桑原さんの実況を聞き、日常が戻ってきたなあと実感する)

Topic①:台頭するヒーローは誰だ。

 前半戦無敗と無類の強さを誇った川崎フロンターレだが、中盤で不動の地位を築いていた田中碧はドイツへと旅立った。
 また昨シーズンからブレイクして最早川崎フロンターレの顔とも言える三苫薫もプレミアリーグへの移籍が噂されており、夏の移籍ウィンドウで主力選手を引き抜かれる格好となりそうだ。

 鬼木監督はこういう状況も楽しんでいる。あるインタビューで新しい選手がどんどん出てくるし、出てこなくちゃいけないと語っていた。
 ファンにとってはとても力強い言葉だし、前半戦積み上げてきたものをなんとしても後半戦さらに上積みしながら無敗優勝を成し遂げてほしい。

 大分トリニータとの一戦スタメンはこれだ。

 最終ラインは安定の4人。中盤にはシミッチをアンカーに、シャドーの位置には脇坂と橘田が入った。
 左サイドには長谷川達也とメンバーが抜けたことを感じさせない陣容だ。ACLで活躍した成長著しい宮城天や遠野大弥も期待がかかる。

 結果から言えば2-0の完勝だった。
 山根→レアンドロダミアンのホットラインで前半早々に先制点をもぎ取ると、後半途中には交代で入った宮城天がサイドを破り、最後は登里のクロスから遠野大弥。
 大分トリニータにボールを握られるシーンもあったが、チームとしての底上げを感じたゲームだった。

Topic②:サイドバックの内への侵入は準備した形か。

 このゲーム目についたプレーがある。
 それは、サイドバック(山根、登里)がインサイドの高い(極端に言えば脇坂や橘田の)位置でボールを引き出すシーンや、ドリブルで当エリアに持ち上がるシーンが見受けられた。

 例えば、前半21分。
 登里が中でボールを引き出そうとしながら、谷口彰悟から縦パスが入り、そのタイミングで全体が連動をはじめる。
 この相手ボランチの脇(いわゆるハーフスペース)で前を向くためにサイドバックを有効活用しようと言う魂胆だろうか。
 JリーグではFマリノスが活用する一連のプレーだが、フロンターレ色になれば面白くなるのでは?と可能性を感じずにはいられなかった。

 また同35分の脇坂泰斗のプレー。
 ジェジエウの縦パスを右足アウトでコントロールすると、簡単に前を向いた。
 ベンチから鬼木監督も思わず「それでいい」と唸ってしまうことプレーだった。
 ハーフスペースで前を向くことができれば、攻撃の選択肢が無数に広がる。サイドを起点に仕掛けてもいいし、センターフォワードとコンビネーションで中央突破しても良い。このスペースでいかにして前を向くか、鬼木監督のこだわりが垣間見えた瞬間だった。

Topic③:キーマンは脇坂。チームにクオリティをもたらせるか。

 中断期間にフロンターレの中心人物を海外に流出したが、フロンターレの強さは健在だ。
 鍵を握るは、右の家長に加え、中央に君臨する脇坂の存在なはずだ。アンカーのシミッチは鬼木監督からも声が飛んでいたように判断が遅いシーンが多々見受けられてしまう。
 ここのボールを放すタイミングにより、チームのリズムが変わることを鬼木監督は強く意識しているはずだ。カギは受け手の準備と多少難しい局面でもボールを受けて曲面を変えてしまうクオリティだ。

 脇坂には非凡な才能があるし、前を向いた後のセンスにも卓越したものがある。
 ここからさらにフロンターレが勝ち星を上げ続けていくためにも活躍は不可欠だ。

それでは。

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