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名前も知らない波打ち際の君へ -老眼ギミ-姉妹GW2023の思い出

突然ですが、エッセイを書いてみようと思います。
きっかけは、占い師の友人から5/17までに何か気軽に始めてみるとよいよって教えてもらったのと、この前のGWに起きた出来事を文章で残しておきたいと思ったから。初めてなので読みづらいところもあるかもしれません。予め、すみません。

身内の話で恐縮ですが、私は姉が苦手です。それは多分、姉と私が真逆の性格だから。姉は子供の頃からスポーツ万能で人気者タイプ。対して私はインドア派で運動は苦手。姉は博愛主義者だが私は人の好き嫌いがあるし、姉がマックスコーヒーを選ぶなら私はレモンスカッシュ。姉はキョンキョンが好きで私は菊池桃子。(あ、年齢がバレそうw)親の気を引きたい子供の頃の私は姉がしたイジワルをよく告げ口してました。で、姉から「同じクラスにいても絶対に友達にならないタイプだよねー」って言われる始末。今でも忘れてません。この言葉。(しつこいw)

私は結婚していますが、姉はバツイチです。姉夫婦が離婚する経緯は色々ありましたが、当時の私にはすごくショックでした。多分、この頃から私は、大人になった姉の生き方にムムムと思い始めたんだと思います。思い返すと実家の色んな揉め事は姉きっかけが多い気がするし。それだけパワフル。こういう巻込み型のところも苦手です。

そんな姉と去年のGWに大喧嘩をしました。原因はうつ病を患ってしばらく経つ母へ対する姉の態度が許せなかったから。細かくは省きますが、この一件から私は姉と距離を取るようになってました。

そして今年のGW。犬を飼い始めた姉は海の近くに引っ越しました。姉にも私にも子供がいないので、うちの家族には愛でる存在がありません。そんなところにやってきた、このアホ犬はめちゃくちゃ可愛くて。そいつに会いたいから仕方なく姉の新居に遊びに行くか…という感じで、GWで確実に混雑してると思われる観光地近くの海辺の街を訪れました。(降りる駅を寝過ごして到着が1時間遅れましたけど。ザ妹気質。)

そうそう。姉はお金の使い方が豪快です。地元のお気に入りカフェに連れていかれてランチを食べたのですが、まず7千円のボトルワインを頼みます。え。二人だよ?これからまだ街を歩いたりするよ?そしてオムライス1とハンバーグセット2。え?二人だよ?いや、美味しいけど。と、姉はいつも外食の時に食べきれないかもと不安になるような量を頼みます。友達とかなら楽しいけど、身内だとハラハラするんですよね。ま、美味しくて全部ペロリだったけど。(食べたんかーい!)

で、スーパーでつまみを買って姉の新居へ移動。さらに飲み続けます。あ、酒好きなのは姉妹同じか。 で、私は思い切って去年のGWに起きた母と姉との出来事について聞いてみたんです。そしたら姉は、それがとてもショックだったと言いました。え、そうだったんだ。心の中で自分勝手な姉をずっと責め続けていたのをほんのり申し訳なく思いました。と、チラッと気まずくなった私たち姉妹は、近くの夜の浜辺へアホ犬の散歩に出かけます。

夜空には、ほぼ満月のお月様。海は静かでどこまでも続く吸い込まれそうな暗闇。人がいなかったら、犬のリードを外しちゃってもいいかもーなんて言いながら砂浜を歩いていくと、100メーターぐらい先の波打ち際に白っぽいロンTを着た人影が見えました。人がいるからリードは外せないねーって言いながら歩いていたら、その人影がどんんどん海に入っていくんです。

え?遊んでるの?ちょっとしたおふざけ?いやダイビング的なこと?と混乱。でもその人はどんどん海の中へ進んでいきます。これ、やばいやつだ。110番!バッテリーが12パーしかなくて不安だけど、通報!電話で状況を説明しながら暗い海を凝視しながら人影を目で追います。その人の頭が海に入って見えなくなったり出てきたり。瞬きしちゃうと見失っちゃいそうで老眼気味のお年頃姉妹は必死に目を凝らしました。

海の中の人が見えなくなっちゃうかもしれないから、早く警察来てくれーって思ってたら、今度は救急から電話。再び状況を説明していたら、なんと、海に入っていた人が砂浜に戻って来ました。そして…こっちに来る?!「海から上がってきた人が!こっちに近づいてきます!命の危機を感じます!」と警察?救急?に話しながら、姉と私はビビりまくって、その人から離れようと、進みづらい砂浜を必死に早歩きします。(走ると刺激してしまうかもと思ってました)そんなうちらの急変についてくるアホ犬は楽しそうです。

すると海から上がってきた人が歩く方向を変えました。桟橋の方へ歩いていきます。遠くから見守っていた私たちは、警察―!早く―!の思いでいっぱい。そしてやっと到着した一人の警官がその人に近づいて職質を始めました。この間、8分ぐらい。でも体感は30分ぐらいだった。そしてもう一人の警官も到着。すいませーん!って話しかけましたが、変な奴近づいてきたみたいな感じで無視されますw(波の音で聞こえなかったのかな?)なにー(怒)って思った私は、発見者ですー!通報者ですー!って大声を張り上げて近づきます。それでも警官から発せられる「面倒なやつ来た」みたいなオーラを感じながらも状況を説明。そして個人情報をがっつり抜かれます。でも海に入っちゃったあの人をどうにかしてあげて欲しいので、個人情報を垂れ流しましたよ。はい。今思えば、こういう時の決まった段取りがあるんでしょうね。ま、こっちはそれどころの状態じゃないですけど。

で、次々に警官が集まってきます。バイク、パトカー、救急車が続々と。(この時に気付いたんですが、私のスマホは登録していない番号の着信拒否設定にしてて。警察と救急からめっちゃ着信が入ってました。なんかごめん。)そしてこの後どうしていいか分からない私たちは、犬好きの警官の人に再び話を聞いてもらい帰宅許可を得ました。安心して振り返ったら、波打ち際の人は素直に警官に従って救急車に入っていきました。よかった。ほんと。そして帰ろうと横断歩道を渡る時に、やんちゃな少年たちのバイクが数台、、、静かーに通り過ぎて行きましたね(笑)

と、これが老眼ギミ-姉妹のGWの忘れられない思い出です。

あそこの海岸のエリアのみなさーん!うちら老眼ギミ-姉妹が事件を未然に防いだよー!観光地を守ったよー!と、ここで静かに叫びたいと思います。あと多分、波打ち際の人が近づいてきたのは、うちらへ大事にしないでくれって言いたかったのかもな。おせっかいだったかもしれないけど!でも!人生の中では大事にしなきゃならないことってあるんだと思います!って、伝えたいです。

2日後ぐらいに、県警から電話がかかってきて。波打ち際の人は無事だという報告をいただきました。そしてご家族の方がお礼を言いたいと仰って下さったそうです。通常はお断りされますねって警官からおススメされましたので、その通りにしましたよ。でも、そんな風に言ってくれるご家族がいるなら、きっと大丈夫かな。

名前も知らない波打ち際の君へ
少し不謹慎ですが、あなたはうちら姉妹が歩み寄るきっかけを作ってくれました。なので、ちょっと変な言い方ですけど、ありがとうございますも伝えたいです。そして、あなたが生きててよかったって思える日が来ることを心から願って応援しています。ぼちぼち歩いていきましょ。進みづらい砂浜を歩くみたいに。

余談ですが、この波打ち際の人を必死になって目で追っていた時、イヤホンをした男性がランニングして通り過ぎたんです。で、姉のアホ犬が「わーい」って飛びつこうとしたら、チッみたいな態度をされました。そりゃ、犬好きじゃない人がいるのは分かってるけどさ……いや!ちょっと!波打ち際の人が海に入っていくところ、見えてましたよね!?そっちの方向から走ってたら、うちらより近いところにいたじゃん!!ってことは分かってたのに何にもしなかったってこと?!って、徐々に怒りが湧いてきました。気付かなかったって可能性はあると思うけど、なんとなく巻き込まれたくなくて無視した??みたいな気がしてきて。家に着いてから、ムキ―!っとなった老眼ギミ-姉妹でした。

あとお姉ちゃん。会ってる時にも言ったけど、アホ犬に口の中を舐めさせるのはやめたほうがいいと思うよ。見ている人はドン引きします。ムツゴロウさんじゃないんだから。

#創作大賞2023
#エッセイ部門
#姉妹

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