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東京ディスティニーランド

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記事一覧

冷たいキーボード

別府に来て数日。たぶん思ったほど経過してないのだろう。わからない。東京にいるときほど混乱することはない。でもこうして、ふとよくよく思考してみるとやっぱり脳がバグっていると思う。わからない、のだ。わたしの毎日はまるで時間がループしているように未来と過去の区別がつかなくなってしまった。うまく説明できないのはわかっているけれど書いてみると、認識は可能なのだ。きのう何をしていたのか、知ることは可能。ああそ

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ねむこ2

ねむこ2

眠子とポトトとすべての犬は天国へゆく

女子高生沖田眠子は起きた。まだ眠かった。昨晩は夏休みの世界史の宿題をかたづけた。
カーテンをあけて晴天を確かめる。喉を鳴らしながら体を縦に伸ばした。
「カーテンを閉めたのもわたし。カーテンを開けたのもわたしだった」
眠子は小さな声でそう言うと、キッチンへ向かい、手早く朝食の準備に入る。パンを一斤、戸棚からとりだして薄く包丁を入れ、一枚目にバターを、もう一枚に

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泣かない蠍は火の星になる

大阪での公演名をこれにした。おそらくもう動かさない。ある種の平穏と鬱の浮き沈みで生きている。投げつけるほどのストレスもないけど、カラダや心を動かしてないことには腹ただしい。さが、それって自分へのもの。自虐をわたしは他人へ向ける癖があり、それがいま不必要だとよわよわしく感じているんだろうね。

このよわよわしいのが大切です。強い意思だとそれはまた方向性を変えただけの攻撃になりがちだからです。

なん

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雑記

明日の配信のために今夜現場にてリハがある。さて何の演目をやろうと考えているわけだけれど
どうにも思うことがある。
配信
そのことへの抵抗はかなりなくなった。でももともとわたしの芝居って
その現場に誰がいるのか、どこでそれをやっているのかという
現場主義である。

別府でやるなら別府でしかできないこと
北海道なら北海でしか
ひとの家でやるなら
そのひとんちの物を小道具にするし、大声出せないところなら

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雑記

きのうはまるまる、祖母の相手をしていた。多分この先に書かれることは失礼な事なのかもしれない。祖母は99歳で来年で百となる。つい最近入院した。それが何でどのような入院だったのかをよく知らない。もっと掘り下げて聞けば教えてくれるかもしれないが父との会話が苦手でそれができていない。説明を聞いたような気もする。覚えてないのだ。うちの父は何度も同じ質問をされるのを嫌がる。今はどうだろう。昔はそうだった。それ

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短い雑記

ゲームの配送準備は整っているのだけれど、だいたい同時に本をつけるので本の作業に追われている。レイアウトなどが回数を重ねることで慣れてきた。送るひとによって内容を変えるというものの、全部違うわけでもないので慣れてきたのだ。だがそうなると、なんとしてでも他の人との違いをなおさらに出したくなる。わたしは世界に一冊しかない本を売りたいんだ。なのでここで挑戦に出る。本ごとにそのひとを主人公にした物語を一本入

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雑記

乙女の劇場まんだら、というのを書きます。暇つぶしというライフワーク。ライフワークっていつもスーパーの名前みたいって思うのです。乙女の劇場まんだらはわたしがこれまで登板というか板にあがったって書くとストリップみたいだが出演したことがある劇場について二人の登場人物の会話にたとえて実体験や噂や怪談やほんとはどうだったのか?とにかく想い出ぽrぽprなんでぽrぽprpあれ?ぽろ「ぽrpぽろぽろ、やっと打てた

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雑記

外で何かの音がする。虫なのか、猫なのか。風かも。テネットというクリストファーノーラン作品が映画公開されるのが楽しみ。また少し元気が落ちているけれど問題はない。首が痛い。あと視力低下に歯止めがきかない。あきらかに目が悪くなった。老眼のせいもあるみたいだ。もっとかわいくなりたくて化粧の方法を見直す。自力でやりたい。それが楽しい。ミレニアムが読み終える。後少し。そのあとはアルネの遺品を読む。そのあとはき

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しとねちゃんは女優に成る《15》

しとねちゃん15

序章 サラヴァディ姫とハリボテの城⑤

水泳部。
図書館。
朝の散歩。
ナスカ。

逃げ道は常に確保していた。いじめからの避難所。逃げないで戦ってもみたが味方ほぼなしの戦いに勝ち目はなかった。中学2年のとき、同学年の女生徒が王子駅始発電車の線路に横たわり死去した。いじめが原因で、イゼルローン小学校のときのその子の担任が抗議しに中学を訪れたが、特に大騒ぎにはならなかった。今ならマ

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しとねちゃんは女優になる《14》

しとねちゃん14

序章 サラヴァディ姫とハリボテの城④

どうだ。いっこうにサラバディ姫が登場しない。まるでケフカだかカフカだか、カフカか、の作品《城》のように。それもそのはず、ほとんど接点がないお姫様なのである。だが書かないわけにもいかない。その姫との出会いと舞台上での邂逅がなければ、女優というものへの憧れの種をわたしは持つことがなかったかもしれない。ところがそう安安と舞台関連の話題に移行でき

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しとねちゃんは女優に成る《13》

しとねちゃん13

序章 サルヴァティ姫とハリボテの城③

暗くなった!まあ、両親離婚のことはいい。よくはないけれど、ここでいくら書いても両親に直接「あれってなんだったの!?」って聞いたほうが速い。なのに聞けてないし、そういう家族の会話ってものが昔から皆無に近いのだ。
母はそれでもまだ話してくれるほうだが、うっかりすると念仏というか呪文を唱えだすし(何かの宗教を信仰している。山岳信?わたしが自撮り

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しとねちゃんは女優に成る《12》

しとねちゃん12

序章  サラスヴァティ姫とハリボテの城②

23歳。杵縁ヒロコの劇団「雪姫座」での俳優訓練法のひとつに《自己紹介》なるものがある。名前の通り稽古場で自己紹介をするだけの訓練だが、毎回稽古ごとにやらわれてゆくうちに喋ることがなくなってくる。ルールとして「自分に関係あると思うなら何を話してよい」となっているため、ただひたすら自分が興味あるものや好きなものについて語るのでもオッケーだ

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