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人類が生み出した暗黒の特異点にして永遠に葬られるべき蛇蝎

人類は自らの繁栄を志し、あらゆる罪を犯してきた。

奴隷、戦争、虐殺、核兵器・・・

現在、満ち足りた生活を送っている我々は、血塗られた因縁を背負っている。

因果応報は世の常だ。

我々は、人類が紡いできた宿業を、いつか精算しなくてはならない。

人類の手は、その血で汚れている。

そんな人類が生み出した極大のダークマター。

それが今回紹介する映画だ。

やぁ、私だ。

うん、またなんだ。

「そんな映画誰が知ってるんだよ」な映画レビューの時間だ。

今回紹介するのはコレだ。

人類が生み出した暗黒の特異点にして永遠に葬られるべき蛇蝎

バイオハザードXだ

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作品解説

世界的に人気を博しているゲームを題材に、世界的ヒットとなった名作映画「バイオハザードシリーズ」

とは一切関係ないくせに、ビデオレンタルショップでさも「ワイもシリーズの一員ですよ?」みたいな顔をしてシリーズの中に並んでいる寄生虫の如き邪悪な存在がこの映画だ。

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「ほら、パッケージもそっくりでしょ?」そんなセリフが聞こえてくる。

この映画を一言で表すなら「虚無」だ。

B級映画と呼ばれている映画は、突っ込みどころがあるから愛される。

どれだけ面白くなくても、どれだけ中身がなくても、どれだけ役者の演技が大根でも、突っ込めるから見てて楽しい。皆で話題にできる。

ならば、B級映画から突っ込みどころを引いたらどうなるか。

それはまさしく「虚無」だろう。

たかだか98分という短い映画であるのに

その98分は無限に続く拷問のように感じられ

絶え間ない苦痛が視聴者を襲う。

そんな映画だ。

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この映画を構成する邪悪な要素

1:最初の60分はおっさん2人が歩いているだけ

物語には通常起承転結がある。だが、この邪悪は蛇蝎はそんな常識には囚われない。上映時間の60%以上を起で埋め尽くす。おっさん2人は囚人で、刑期軽減と引き換えに兵器?か何かを持ってくる任務を帯びているのだが、冒頭から60分間、この2人のおっさんが延々と歩き続ける様を見せつけられる。しかもその間「やっぱやめよう」「俺はやめないぞ」という不毛な会話をことあるごとに繰り返す。通常であればこういったシーンで視聴者の登場人物への感情移入を図るのだが、全く感情移入出来ない。イベントフラグを設置し忘れたのかと疑いたくなるほど何もイベントが発生しないのだ。正に「虚無」である。

2:パッケージの女性が出てくるのはラスト30分

バイオハザードシリーズの一員であることをアピールするためにパッケージ中央にデカデカと表記されている女性。この女性が登場するのは映画のラスト30分のみなのだ。しかも、この女性の名前は最後まで判明しない。こいつは一体誰なんだ。

3:パッケージに嘘しか書いてない

生物兵器に汚染された→されてません

地下に蠢くアンデッド→アンデッドではなく悪魔が出てきました

マスクなしでは呼吸さえ許されなくなった→許されてました

バイオハザード→バイオハザードが発生してませんでした

4:見せ場一切なし

上映開始から60分はただの「虚無」。ラスト30分でようやく話が動くような気がするが、アンデッドですらないただ気持ち悪いだけの悪魔(普通に喋る上に、声が加工されすぎて何言ってるかさっぱり分からない)が出てくるだけでやっぱり「虚無」。パッケージの女性(名前がわからないから呼びようがないのだ)と悪魔(せめてゾンビとかアンデッドであって欲しかった)が戦うシーンは一応あるのだが、彼らが戦っているのはまさかの画面端。戦闘シーンを画面端に追いやっておっさんの片割れが逃げ惑う姿をクローズアップするという「虚無」っぷりを見せつけてくれる。それまで構築してきたフラグ(のように視える何か)を全てかなぐり捨て、おっさんが脱出して映画は終了。最後の最後まで「虚無」に包まれている映画だった。

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視聴者が求めていたのはこんな絵面だった。

因果応報の果てに

人類は、その歴史の中で血塗られた因果を紡いできた。

因果は巡る。

現在に生きる我々は、先祖たちが作り出した因果を受けなければならない。

血塗られた因果の果てにあるのが、この映画を見ることなのだとしたら

なんと残酷な現実なのだろうか。


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