見出し画像

【HondaJet】は何が凄いのか

今日記事をまとめたのは、本田技研工業(通称:HONDA)が開発したHondaJet

CMも有名なので、記憶に新しい人もいるでしょう。
実は、小型ジェット領域の出荷数では「4年連続で世界1位」の実績を持っていることは知っていますか?

ただ事業としてはまだ赤字。今後どういった事業戦略をうつのか気になるところです。
本記事では、そんなHondaJetの【何が凄いのか】【何が評価されているのか】をまとめました。

HondaJetとは

画像1

HondaJetとは本田技研工業が開発した、小型ビジネスジェット。(いわゆる「プライベートジェット」

法人よりも個人(主に富裕層)を対象にして受注を受けています。
日本では、お金持ちの社長や業界のお偉いさんが乗っているイメージですが、それは海外も同じ。

そんなプライベートジェット事業に参入することを2006年に表明。現在は世界1位の出荷数となっています。
それでは、HondaJetについて細かく見ていきましょう。

HondaJetの凄さ

画像2

HondaJetの凄さは、4つの先進技術に集約されます。
それぞれ紹介していきます。

①主翼上面エンジン配置

画像3

                                                             (※Honda公式HPより引用)

まず1つ目。HondaJetの最重要技術ともいえる「主翼上面エンジン配置」です。

これまでの小型ジェットは胴体後部にエンジンを配置していました。”空気の流れを妨げるものは設置しないこと”が航空機開発の定石ですから、胴体後部が最適な場所だったのです。

ただ胴体後部にエンジンを取り付けると、胴体内部に大きな支持構造部材が必要になる。
結果として、小型ジェットの室内空間が狭くなるといったデメリットがありました。

そこでHondaは主翼上面にエンジンを置くことを考案。
見事実用化に成功しました。

この成功によって得られたポイントは2つ

①ジェット機内部の空間を大幅に拡大
先ほど述べた、大きな支持構造部材が必要ないので、ジェット機内部が非常に広々としました。
座席空間の拡大はもちろん、お手洗いのための化粧室スペ―ス、更には荷室の大幅な拡大を可能にしたのです。

②騒音と振動の大幅な低減
これまでのプライベートジェットは機体そのものにエンジンがついていましたが、HondaJetはエンジンが胴体から離れています。
従って室内空間に伝達される騒音と振動を大幅に低減。あのホリエモンが絶賛するほどの、静粛空間を生み出しました。


②Honda独自開発の技術で、機体の空気抵抗を最小限に

画像4

航空機を開発する際には、「空気抵抗をいかに減らすか」が重要です。
HondaJetの特殊なフォルムは、「層流」(翼などの表面における空気の流れが、飛行にスムーズに寄与する状態)が保たれるように工夫されていて、速度と燃費向上に貢献しているのです。

燃費向上を実現すると、当たり前ですが「より少ない燃料でより遠くに行くこと」が出来ます。
この点で、競合他社との差別化が可能になります。

③複合材製胴体が生み出す機体の強さ

画像5

HondaJetに使用されているカーボン複合材は、軽くて強い優れた材料。軽量・高剛性化を一度に叶えました。

軽量・高剛性化が叶うと何が良いかというと、機体が軽くて強いので「高い高度を安定して飛ぶことが可能になる」んですね。

高度が上がると空気が薄くなり気圧も下がるため、機内を隔壁で密閉してエアコンで空気を送り込み、気圧を適度に保つ必要がありますが、この時に重要になるのが機体の強さ。

気圧の低い外側に向かって膨らもうとする力が働くので、その膨張に機体が耐えられなければいけないんですね。
HondaJetは複合カーボンでその課題を解決したというわけです。

もともと、旅客機よりも高く(もしくは低く)飛び、渋滞や気流の乱れを避けることが可能なプライベートジェット。

画像6

今回の複合カーボン技術で、更なる進化が期待されます。

④先進コックピットによって、パイロットも快適に

画像7

HondaJetのディスプレイはタッチパネルです。
これは実は世界初パイロットにとっても快適な環境となっているのです。

これら4つの技術が、HondaJetを世界1に押し上げた主な要因ではないでしょうか。
「速い・強い・心地よい・遠くまで飛べる…」
まさに航空機の夢が詰まったジェットなんです。

画像8

まとめ

さて、いかがだったでしょうか。
今日はあのHondaJetについてまとめてみました。
日本企業がこのように世界に挑戦している姿は本当にカッコいいですよね。他の企業も続いて、どんどん日本の技術を広げていってほしいなと思います。