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なぜ食の会社であるフーディソンが人材紹介を行うのか?

はじめまして! フード人材バンク事業部のayaと申します。

フーディソンに入社して現在5年目となります。入社当時からフード人材バンクに所属しており、食の領域におけるキャリアコーディネーターとして業務を行っています。
関東生鮮チーム、企業開拓専任チーム等を経験し、現在は東日本飲食チームにおいてサブリーダーを任されています。

新卒から数年間はエステティックサロンで働いておりました。その後人材紹介会社でメールスカウトを行いましたが、直接のキャリアコーディネーター業務はありません。

入社した頃から今まで、お取引先様や求職者の方によく尋ねられることの一つに、「どうして紹介会社ではなく食品会社のフーディソンが、人材紹介をやっているの?」というものがあります。

わたし自身、最初の頃はぼんやりとしか理解できず、うまく答えられませんでした。

そこで、水産業界の知識も、人材紹介の経験もない状態で入社したわたしが5年間の中で感じ、感じるようになった「なぜ食の会社であるフーディソンが人材紹介を行うのか?」について、メンバー目線でお話してみたいと思います。


フード人材バンクとは?

一言でいえば「食領域における人材紹介サービス」です。
2017年に「魚人材バンク」として発足。
サービス領域を拡大するに伴い、現在の「フード人材バンク」の名称に変更されました。
当初は代表の山本直下でスタートし、約3名で行っていたサービスですが、現在では30名程度のメンバーが在籍し、大きく東日本生鮮、東日本飲食、西日本生鮮、西日本飲食と4チームに分かれて日々ご紹介を行っています。

フード人材バンク立ち上げのきっかけ

わたしが入社する前の話になりますので、伝聞となる旨ご容赦ください。
きっかけは、当社の代表である山本が、鮮魚店であるsakana baccaにおいて
加工人材を募集しようとした際、採用に苦戦したことから始まります。

当時、広告媒体や紹介会社の多くはホワイトカラーの人材や、飲食店での経験者に特化したサービスが中心でした。
そうしたサービスの中で魚屋で働ける人材を募集しても、応募してくる方の中に鮮魚店、スーパーマーケットでの鮮魚加工経験者はごくわずか。
そして、一口に「魚が切れる人材」といっても、飲食店での経験者様と
鮮魚店での経験者様、スーパーマーケットの鮮魚部門でのご経験者様では
それぞれ違ったジャンルのプロであり、お持ちのスキルの傾向が全く違います。
その為、せっかくご面接に来ていただいても、当社が募集していたポジションがその方の技術を活かしていただけるものではなく、お互いに残念な思いをする…ということが、何度も続いてしまったそうです。

これは自社だけの採用課題なのか? それとも業界として起こっている課題なのか?と、まずは他サービスでお付き合いのあった企業様にお話を伺っていったところ、どうやら業界全体で発生している課題であるのではないか、という仮説に至りました。

魚を切れる人材は確かに世の中に存在する筈なのに、そのスキルを持つ人材と、そのスキルを求める企業が出逢う場所は限られている。
当社の代表である山本は、前職で人材紹介会社の立ち上げ経験があります。
その知見を活かし、まずはすでにお付き合いのある企業様に向けた小規模なご紹介を行うことからサービスを開始。
少しずつ「生鮮の加工人材が集まるプラットフォーム」を目指してご紹介できる領域を広げていき、飲食の人材も含めた、食の職人すべての人たちのご紹介ができるサービスまで成長しました。

紹介事業を行おうとして食領域を選択したのではなく、あくまで食の領域における課題の一つに、専門技術を持つ職人の採用があり、それを解決するためのサービスとして始まったものが、今のフード人材バンクの源流です。

入社して感じたこと、今感じていること

入社当初に戸惑ったのは、聞いたことのない専門用語がたくさん飛び交うことです。

例えば、こんなことがありました。入社から間もない頃、先輩社員がとある
鮮魚の加工センターの方との打ち合わせに、同席させてくださいました。
先方の担当者様はセンター長をされており、鮮魚の加工技術者を探しています。

打ち合わせの中で、担当者様は「ピンボ」「フィーレ」「四分一」「セミドレス」等、耳慣れない単語を連発します。わたしにはなんのことかまったくわかりませんでした。
先輩社員は頷きながら、一日の平均的な作業量や、加工以外での求める能力等を「つまりこういうことですね、この場合はいかがですか?」等、提案を挟みながら話しています。

また、少し業務に慣れてきたころ、担当している求職者様について、企業様から「この方は市場には行っているの?」と尋ねられました。ご質問の意図が分からず、確認しますと持ち帰り、先輩社員に相談しました。どうやら、この方は鮮魚部門の責任者として、市場で業者から買付をしているのか? それともバイヤーは別にいて、店舗内での管理に専念されているのか? という意味のご質問だったようなのです。

その後、上司や先輩社員をはじめ、部署を越えて魚ポチのバイヤーやsakana baccaの店舗社員、あるいはこれから求職者様をご紹介する企業様に直接教えていただきながら、少しずつ学んでいきました。

学ぶのは鮮魚業界に限りません。精肉業界の用語、青果担当者様の業務範囲、飲食店様の業界理解。

はじめは「紹介を行うのに、こんなに業界特有の知識が必要なのかな?」
「わたしには覚えられないかもしれない…」と、とても不安だったのですが、理解できることが増える度に、企業様や求職者様とのやり取りがスムーズになります。

もちろん、今でもわからないことはありますが
「フード人材バンクさんは紹介の人なのに、職人のことを分かってくれてるね」
「仕事の説明がしやすくて助かるよ」
等の温かいお声をいただけることも多く、本当に嬉しく思います。

そして、そうやって企業様や求職者様の仰っていることが理解できるようになる度に、職人のみなさんをリスペクトする思いは強くなっていきました。

なぜ「食」の会社が人材紹介を行うのか?

フード人材バンクが発足し人材紹介サービスがスタートしたのは、フーディソンが第三者的な立場ではなく、当事者としての立ち位置にいたからだと思います。

フーディソンは「世界の食をもっと楽しく」というミッション、「生鮮流通に新しい循環を」というビジョンを掲げており、フード人材バンクのサービスミッションは「食の職人を憧れの仕事に」です。

魚をはじめ、様々な食べ物がわたしたち一般消費者のもとに届くまでには
様々な人の手が介在しています。
その担い手である企業や職人のみなさんが笑顔でいる世界を目指していきたいと思います。

ありきたりな言い回しになりますが、わたしも食の会社で働く一員として食の企業と食を扱う職人のためのサービスで誰かの力になりたい、と考えています。

フーディソンではさまざまな部署で一緒に働く仲間を募集しています。