【米国株】上昇トレンド発生か?今は逆業績相場前の慢心相場だ!
●コロナ後から現在までの相場
相場は4つの相場で構成されています。
金融相場、業績相場、逆金融相場、逆業績相場の4つです。"逆"と付く相場は下げ相場となり、付かなければ上げ相場となります。
まずコロナで金利を下げ、超金融緩和をした結果金融相場となり、企業業績や景気が良くなり、業績相場へと繋がります。
その後インフレを抑制し、物価を安定させる為金利を引き上げると逆金融相場となり、引き締め効果により景気が下降して、企業業績が悪化して逆業績相場になります。
更に金融相場の後に中間反落、逆金融相場の後に中間反騰があります。
さて今はどの相場段階でしょうか。
今は中間反騰の途中にいると思われます。
では中間反騰はなぜ起きるのか?
この背景を理解できれば、今の相場の立ち位置がわかると思います。そして今が中間反騰の途中にいることがわかります。
⚫︎中間反騰はなぜ起きるのか
コロナ後の2020、21年は金融緩和によって企業の業績も良くなり、上昇相場となりました。
2022年に入ると"利上げが進みそうだ"の話が上がった時、株価は調整し始めました。
そして利上げを進めていき、景気中立レベルの約2.5%も超え、"更に金利が高くなりそう"の事から株価は下落していきました。
この金利が上がる事を嫌がり、株安になる相場の事を逆金融相場と言います。
そしていよいよ"金利が上げ止まるのでは"、"利上げを見送るのでは"の時にマーケットが安堵して相場が待ち直し、上昇する事を中間反騰と言います。
とは言っても、いきなり新規の買いが入る訳ではありません。今まで米株をショートしてきた人達の買い戻しから始まり、上記に記載した通り安堵から新規の買いが徐々に入っていき、上昇していきます。
今のマーケットを見てみると、利上げが終わりそう。〜月のFOMCでは利上げ据え置きだろう。の話題が大きく取り上げられていますよね。まさに中間反騰の様相を呈しています。
⚫︎現在は金融不安と中間反騰で混沌としている
2023年1月にショートカバーから始まり底堅さを見せている中、3月にクレディスイス銀行破綻のヘッドラインから金融不安が広まっていきました。現在はFRBが銀行を監視していき、潰さないように対応しています。この事からマーケットは安心し、株安圧力も薄れていき、相場は持ち堪えます。
そして背景には"金利を上げ止まるのでは"の中間反騰があります。相場が持ち堪えてる時に、中間反騰と重なり上昇し続けている状況です。
しかし銀行が破綻し、金融不安が広まった事で信用が引き締まっていき、逆業績相場へシフトする可能性が強まったと個人的には感じてます。
●底堅い米国株の正体
3月頃からナスダック100とS&P500が乖離し始めています。この乖離が進んだ背景にはGAFAMなどのビッグテック銘柄の上昇に依存しているからです。
3月には銀行破綻からの金融不安が広まり、マーケットの心理を冷やしました。しかし、『不安な中でも買いたい。何を買うか、、、。安全で優良銘柄を買うか』となり、ビッグテックを買う動きが見られました。
また金融不安が広まったことで"金利はそこまで上がらない"、"米国債利回りも下がった"が後押しし、ビッグテック買いに繋がったと見られます。
つまり米国株の上昇を引っ張っているのは一部の企業だけということになります。
10月以降の株式市場は、
『意外と売られないな。なら買ってみるか』
↓
『株価上昇し、発表される経済指標の良い所だけをピックアップするようになる。マーケットは慢心したような状況になり、上昇が加速する。』
↓
『リスクオフ材料がマーケットに広まり反落する。悲観的になる。』
↓
『ショートカバーで株価上昇。新たなポジティブ材料でまた慢心。』
の様に見えます。
一言で表すなら"株価が上昇してるから株を買う"という様な相場です。相場環境がすごく改善されてる訳ではないですが、改善されてる様に見えてしまっているのが現状です。
株式市場は常に景気を先取りしようとする動きがあります。ですが先取りの動きは常に正しいという事ではありません。先行性があるからこそ、誤った方向に向かいやすいということです。
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