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「おひとり様消費」が今後主流になるわけ。~アフターコロナで飲食店が生き残る3つの条件~

今日は日経新聞1月28日朝刊より
『おひとりさま消費に勢い』という記事の解説をしてみたいと思います。
新型コロナウイルス感染症拡大が続く中で、
飲食や宿泊、娯楽などのサービス消費を1人で楽しむ消費者が増えています。
新型コロナ災禍の中、
昨年4月より飲食店では営業自粛や時間短縮要請などが続き、
来客数を大きく減らしています。
ただ「おひとりさま」での利用は最大2割増えています。
カラオケでも1人カラオケ、
ホテルでもビジネス出張以外での1人旅利用も増えています。
感染拡大以降、3人以上での飲食店やカラオケ、ホテル利用が一気に減りましたので、
「おひとりさま」利用の増加は目立っています。
カラオケ店では「テレワークプラン」。
カラオケルームで仕事ができるプラン。
ホテルでは「デイユース」でテレワーク利用、
というパターンも増えています。
もともと日本では、新型コロナ感染症が広がる前から、
「おひとりさま消費」は拡大傾向にありました。
日経新聞によると、
「19年度の1人利用の市場規模の見込みは、外食で7兆9733億円、
カラオケで470億円で、それぞれ15年度から前年比プラスが続く」
とあります。
外食全体の市場規模は26兆439億円(2019年1月~12月、日本フードサービス協会)ですから「おひとりさま」消費は3割を占め始めてきています。
外食業の「おひとりさま」消費をターゲットにして成功した例では
「大戸屋」が頭に浮かびます。
大戸屋は終日全席禁煙で電子たばこ・無煙たばこの使用も禁止。
東京都心部に出店していて関西には少ない。
野菜が多いヘルシーメニューが多い。
など女性を意識した運営が特徴ですが、
何よりも有名なのが
「1階に店舗を構えない」という方針です。
考えてみれば大戸屋は、大体2階にあります。
地下、という店舗もあります。
これは女性が1人で入りやすくるすためです。
1階の路面店では窓から女性が1人で食べている姿が見えてしまう、
これが恥ずかしい、という文化が当時はありました。
女性が1人で食事をしていると
「友達がいない」「社交性がない」「暗い」
と思われはしないか、と心配する女性もいました。
私の若いころ(30年ぐらい前)は
「1人で食事はできない」
「1人で食事に行ったことがない」
という女性も多かった様な覚えがあります。
大戸屋は、そういった内気な女性のニーズを受けて急成長しました。
女性だけでないですが、
スターバックスやエクシオールCAFEなどの
サードプレイス(自宅でも職場でもない自分の居場所)を標榜する喫茶店なども
ここ10年で一気に人気化をしました。
おひとりさま消費の1番良い所は
間違いなく誰にも気兼ねしないで時間を過ごせる事です。
何を食べても飲んでも、
誰も何も言わない。
女性の就業率(16歳~65歳)は、
男女雇用機会均等法が施行された1986年は
50%程度だったのが、昨年は72%まで上昇。
(ちなみに男性は83%程度)
多くの女性が仕事に就き、圧倒的に忙しくなったのがこの30年でした。
ランチは営業先の駅前の吉野家や大戸屋に入ってぱぱぱっと済ませる。
そして。
男性も女性も仕事絡みの接待や食事会がなくなり、
会社の行事としての飲み会もなくなりました。
昔は上司が会社の経費で部下や後輩にごちそうしていましたが、
今は割り勘で飲み会なので誰も行きたがらないですね。
料理も飲み物もカラオケも誰にも気兼ねなく、
自由に楽しみたい、という時代なんだと私は思います。
私も、1人カラオケも1人ビジネスホテルで資料作りもしょっちゅう行きます。
食事などはほとんど毎日1人です。
昔からですが。
新型コロナ災禍で、
会議やミーティングまで1人でパソコンに向かってやる事が増えてきました。
セミナーや研究会もWEB会議です。
今回のコロ新型コロナ災禍で、テレワークに慣らされる事で
ますます外食業はおひとり様消費が増えると予想します。
人間関係は、ますますドライになります。
というか、義理人情、会社の為に滅私奉公というビジネス文化は
日本特有の仕組みでもありました。
ベトナム人やネパール人は、
いくら仕事に苦しんで深夜まで残業しそうな同僚がいても
涼しい顔をして帰ります。
言われた仕事しかやりません。
アフターコロナは、外食業ではますますおひとり様消費が増えます。
おひとりさま消費が増える、という事は消費自体が減る、という事を指しています。
かつてファミリーレストランが、
「日曜日に家族4人(お父さん、お母さん、子供2人)でハンバーグを食べる」
というビジネスモデルだったのが、今では核家族が増え多くて3人。
4人掛けの席すべて埋まっても、4分の1は空席になる、という現象もあり、
低迷を続けた様に、
外食産業は、おひとりさま&テイクアウト
をもっと研究してビジネスモデルに落とし込む必要があります。
地域密着とホスピタリティのある接客。
激安店と、料理が差別化、ホスピタリティ能力の高いスタッフがいる店
このあたりがアフターコロナで生き残るキーワードになりそうです。
それでは。

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