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【食の本あれこれ~ブリア=サヴァラン著『美味礼賛』岩波書店】

食に関する古典、『美味礼賛』。著者のジャン・アンテルム・ブリア=サヴァランは、18世紀の法律家で政治家ですが、何にもまして『美味礼讃』を著した食通として有名でした。外交官だけあって洞察に富んだ方だったようです。

食べることは「美味しいものを食べること」が目的ではありません。苦い味の食べ物もあれば酸っぱい食べ物もある。また、大切な人が病気であれば、いくら贅沢な食事でも美味しい気がしないでしょう。また逆に、どこにでもあるようなものでも美味しく感じられる日もあります。「食」とは生きることであることを感じさせる本です。
なお、サヴァランをより深く理解するには、川端晶子 著『ブリア=サヴァランの美味学』(東信堂)がおすすめです。

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