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幻の鶏 土佐ジローは常識を覆すとんでもない鶏だった

普段、皆さんはどんな肉を食べますか?
やっぱり肉は和牛だろ!いやいや、黒豚のトンカツは最高だ!さっぱりと鶏のササミがいいのよね。
いろいろと意見は分かれるだろうともいます。
今回は鶏肉の中からとびっきりの素材をお届けします。

土佐ジローについて知ろう

高知県土佐ジロー協会の公式サイトから引用

土佐ジローは、高知県原産の天然記念物「土佐地鶏」(オス)と国内在来種の「ロードアイランドレッド」(メス)を交配した卵肉兼用の一代雑種(F1)です。

飼養管理は、高知県が作成した「土佐ジロー飼養マニュアル」に基づき、緑餌の給与や放し飼い、止まり木などを飼養条件とし、中山間地域における複合経営の一つとして昭和61年から普及を始め、高知県内のみで飼育されています。高知にしかいない希少価値の高い鶏は、肉も卵も濃厚な味わいが特徴です。

土佐ジローはそういう品種ではなく、特定の交雑種を土佐ジローと呼んでいるようです。
一般的に植物でも動物でも、最初の交雑種は優秀な品質になりやすく、流通の過程では多く用いられる方法です。
一代目の交雑種をF1と呼びます。これ以下の掛け合わせはF2、F3となりますが、遺伝的に固定されているわけではないので、同じ世代同士を掛け合わせても同じような子供になる可能性が低く、商用利用には向いてないようです。

土佐ジローは鶏ですが、取り扱われる時には地鶏として流通しています。

地鶏とは

農林水産省の公式ページより地鶏について抜粋

「地鶏」とは、日本の在来種の血を半分以上継いでいる鶏と定義されています。

日本の在来種は、明治時代までに国内で成立または導入されて定着した38種の鶏と定められています。地鶏肉の日本農林規格(通称、JAS規格)では、これら在来種の血液百分率が50パーセント以上で、出生の証明ができ、「75日以上の飼育期間」「28日齢以降平飼い」「28日齢以降1平方メートル当たり10羽以下の飼育密度」という飼育条件をクリアしたものを地鶏と呼びます。

地鶏は平飼いの鶏くらいの認識しかありませんでしたが、飼育条件としてはかなり厳しい条件があるようで、スーパーでも地鶏が高いのは頷けます。

土佐ジローを購入する

土佐ジローを実際に購入しました。
今回、土佐ジローを購入したのは土佐ジロー専門で飼育から販売、店舗での料理の提供まで手がけている「はたやま夢楽」さん。

勝手に購入、勝手に宣伝いたしております。
土佐ジローに魅せられて、土佐ジローの飼育や販売だけでなく宿泊施設やレストランでの提供もしているようです。
そんな「はたやま夢楽」さんからお肉を購入いたしました。
丸ごと一羽で4,320円(税込、送料込み)でした。

一羽ですが、土佐ジローは鶏としても小さいので、そのまま焼き肉にするなら大人2〜3人くらい、家族なら夫婦と子供で4人でちょうどくらいです。
食べ方は、焼肉や焼き鳥、唐揚げなど普段の鶏のようにして食べれば良いです。

今回は、焼肉用にいつもの焼肉屋さんで食べてる大きさに切ってみました。

切っている時に気がついたのですが、スーパーで買ってきた鶏でよくあるような独特の臭いが全然ありません。
新鮮なのもあるのでしょうが、レバーも特に臭み消しなどしなくても良さそうです。
土佐ジローの食肉用はオスなので、立派なトサカと精巣が入っていました。

いざ実食!土佐ジローをたべる

食べ方で一番簡単なのは、そのまま焼いてしまう方法です。
今回は焼肉用としてたべるので、カセットコンロに焼肉用の用意をして何も考えずに焼いていきました。

目の前にある肉をひたすら焼くだけですが、最初に焼けたのはササミでした。
ササミといえば、ダイエットの申し子というのでしょうか脂身の少ないことで有名ですね。
普段食べているササミは、何も考えずに焼いてしまうと脂が無いのでパサパサになってしまいます。
また、加熱時間が長いと固くなってしまうのも、ササミを食べていて欠点かなと思っていました。
ところが、土佐ジローのささみを食べた瞬間「これはササミではない!」と思わず言ってしまいました。
間違いなくササミなのですが、あのパサパサした感じもないですし、熱を十分に通してもいつものように硬いという感じではないです。
適度に弾力があり、サッパリしているのに旨味が噛むほどに出てきます。
これは塩だけでいいな。最初の一切れから俄然テンションが上がります。

次に食べたのはもも肉。
鶏のもも肉は適度に脂があって、ちょっと筋はあるものの柔らかくて唐揚げに好んで使っています。
土佐ジローのもも肉を食べた第一印象は、「もっと脂があってもいいんじゃない?」でしたが、この引き締まった肉質が逆に脂がないことで引き立つ!そんな印象を受けました。
とにかく、ぷりっぷりの食感と噛みちぎれるくらいの絶妙な硬さがベストな状態です。
その後は焼いては食べ、焼いては食べをひたすら繰り返して土佐ジローの美味しさを堪能しました。
そして、ついにトサカの登場です。
味わいというよりも珍味寄りですが、コリコリとした歯応えがクセになる感じです。
トサカは一羽にひとつしかないので、量が少ないのは仕方ないですが、もうちょっと食べたいと思う一品でした。
精巣もトサカに続いて食べましたが、ホルモンというよりはタラの白子みたいな濃厚なテイストです。
どの部位も旨みがあって、脂が少ないので焼肉の最後に感じるしつこさもありませんでした。

冷凍を後日食べた

さすがに一羽まるごとだと多かったので、冷凍しておきました。
真空パックではないので、冷凍の場合は7日前後を目安として食べると品質が損なわれずに食べられると思います。
今回は3日凍らせておいた土佐ジローを自然解凍してフライパンで焼いてみました。

味付けなしでフライパンで火を通しただけです。
シンプルに塩だけの方が美味しいですね。

大根おろしをのっけて食べるのもサッパリ系としてオススメです。

味変としては「大根おろし&ニンニクすりおろし」がいい感じでした。
焼肉のたれや醤油も悪くないんですが、特に醤油の場合は醤油の香りが土佐ジローの味をマスクしてしまう様で、個人的にはツケダレよリもフライパンで味付けて焼いた方が良いのではないかと感じました。

まとめ

土佐ジローは鶏という括りでは表現できない肉ですね。
鳥という分類ではあるものの、鶏以外とも勝負できる「男、土佐ジローここにあり!」みたいな男前な肉でした。

一羽丸ごとも用意してくれるようなので、ちょっと手に入れて違うアプローチで食べたくなりました。
素晴らしい土佐ジローに感謝して、ごちそうさまでした!

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