日本企業のマニュアル 加賀屋 4回目

 前回体系だったフランス料理と標準化していない難しい日本料理の違いをお話ししましたが、さらに難しいのが料理人の教育です。
料理人になるために料理学校があります。でも現場では料理学校を出ていても使えないといいます。料理学校では基本的な調理を教えます。しかし現場では使う調理機器が異なるし、忙しさが異なるのです。
旅館では早朝からの朝食準備と調理、夕食に向けての仕込み、盛り付け、夕食の調理があります。基本的に昼食はありません。レストランでは朝食はないが、昼食、夕食があります。旅館は事前に予約数がわかるし、部屋のプランによって料理が決まっているのでそれに従って準備や調理をします。
レストランでは来店客数、料理の注文は分かりません。と業種、形態によって、厨房作業は大きく異なるのです。料理学校で基本的な料理技術を身に着けていても、業態による忙しさと厨房のレイアウトによる1日の作業の流れがわかりません。

ここから先は

3,909字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?