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Cachi(カキ)

柿の熟れ具合が気になる今日この頃です。
我が家には筆柿のような先の尖った縦長のタイプ、丸い平たいタイプのものなど4種類あります。全て渋柿なので、ゼリー状に完熟させてスプーンで食べます。
油断すると鳥に先を越されてしまうので良い塩梅で収穫します。渋柿のヘタ部分に焼酎などをつけると甘くなると日本の方に教わりました。イタリアでは焼酎の代わりにグラッパを使えば良いのかとも思いますが、未だ試したことはありません。

イタリア語でも柿はCachi(カキ)と呼ばれています。1880年にナポリの近くのサレルノ地方に持ち込まれたのが初めとのこと。今でもカキと呼ばれているところを見ると日本経由だったに違いありません。
その後20世紀になるとシチリアや北部のエミリア・ロマーニャ州でも生産されるようになり、今では一般的な秋の果物になりました。お店には日本から輸入された品種(FUYU、KAWABATAなど)やイタリアで改良された品種(Loto di Romagna, Vaniglia della Campaniaなど)が色々と並んでいます。もっぱら生食用です。干し柿にする習慣はありません。地中海性気候の冬は湿気が多いので、作りにくいかも知れないと思います。
イタリアでは一般的に日本ほど果物の加工品やお菓子などのヴァラエティは豊かではありません。輸入された歴史が比較的短い外国原産の果物ですから、柿渋や柿の葉など実を食べる以外の「柿の文化」というのは伝わっていません。そこまで深く生活に根付いている植物ではないのです。

北部ピエモンテで豚熱が発生したことによって今年からイタリア産の豚肉、豚肉加工品は日本への輸入禁止となっています。生ハムもイタリア産のものは輸入業者さんの在庫も底をとっくについているでしょう。
生ハムといえばイタリアではパルマやサン・ダニエーレ産が有名ですが、もちろんプーリアでもどこでもそれぞれの地元に生肉を塩漬けにした豚肉加工品があります。
日本では食肉加工品はヨーロッパから学び歴史はまだ浅いですが、日本人持ち前の技術革新、品質向上努力で美味しいものが出来る様になってきています。チーズ然り、ワイン然りです。今までコスパでは負けていましたが、昨今の円安も追い風になり国産品をアピールするチャンスですね。
元々地産地消が原則のイタリアの食文化を学べば国産の食材を大切にすることに目を向けるのは至極自然なことに思われます。文化を学ぶという意味では技術的な事だけではなく、自然環境や歴史に基づく食物との関わり方の相違点も重要なポイントだと思います。

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minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
 そのジョバンニ・パンフィーノと、日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をしたり、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。
 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア 
http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール 
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア
大橋美奈子

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