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ポルチーニ茸

東京では今年ポルチーニ茸が中々手に入らないとイタリア料理店のシェフ達は言っていましたが、プーリアの我が家近辺では何年かに一度の当たり年でした。今朝も懇意にしているアグリツーリズモ(農園ホテル)の広大な敷地の中の林で湿った枯葉の道を2時間ほど散策すると夫のジョヴァンニはカサが大人の手のひらほどもある大きくて状態の良いポルチーニ一つともう少し小さい新鮮もの2つ、それ以外に数種類の食用きのこを大きなかごいっぱいに採って来ました。

日本名はヤマドリタケと呼ばれるポルチーニ茸。イタリア語の意味は「子豚」、意訳すると「子豚茸」になります。カサの部分が肉厚でコロンとした丸い姿が子豚を思わせるから、と言うことでしょうか。マツタケ同様栽培出来ないきのこで、スライスして乾燥したものが一般的に流通しています。イタリアでは冷凍のものもスーパーなどで手に入ります。
ただ生で食べられる機会は、極貴重です。
椎茸同様、干したものには生にはない強い香りと旨味が凝縮された風味がありリゾットにはむしろ干したものの方が適していると思いますし、大きめにカットされている冷凍のものは食感を楽しめます。タリアテッレなどの柔らかい卵入りのロングパスタとの相性は抜群です。

ただなんと言っても生で食べられる状態の良いものに巡り会えたら、是非一度は生で召し上がってみてください。薄くスライスして、さらに薄く削いだパルメジャーノ・レッジャーノやペコリーノなどの熟成のきいたチーズ、ルーコラなどと一緒にサラダとして食べるのが定番です。味付けは塩とオリーヴオイルのみ。生のポルチーニはナッツのような香ばしい風味があります。秋のこの時期にしかない青臭いほどの搾りたてのオリーヴオイル適量と熟成チーズの旨味、そしてミネラル分の多い海塩にちょっと苦味のあるルーコラがポルチーニの味と香りがさらに引き立てシンプルながら絶妙な相性。林の中を宝探しのように歩き回る価値は充分にある一品です。

日本ではイタリアから空輸で生のものも入っていますが、日本国内でも採れることがあります。きのこ採り名人としても知られる高桑シェフ率いる駒込のオステリア セルヴァジーナのスタッフは度々関東各地さらにはシェフの故郷である秋田まで足をのばしこの宝物探しをしています。運がよければ生のヤマドリタケにありつく事ができるかも知れません。
この店では東京産の牛乳を使ったモッツァレッラやブッラータなどのフレッシュチーズやタラッリなどプーリア仕込みの商品も製造販売しており地産地消と手作りのプーリアの精神を強く感じるお店です。
https://www.facebook.com/オステリア-セルヴァジーナ-駒込-プーリア料理-225020017638154/


大橋美奈子
Minako Ohashi
有限会社ダ・プーリア Da Puglia.Ltd.
〒155-0031東京都世田谷区北沢5-17-16
Contrada San Salvatore 77, Ostuni(BR)72017
minako@da-puglia.com
Mobile: +81 090-6536-0826 (日本)
    +39 349-585-9908 (イタリア)
NOTE:『南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から』 
     (FOOD104 マガジン内)
https://note.com/food104/m/m9a0da102c884

YouTube:【vlog】南イタリア・プーリア便り 
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メール・アドレス
minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
 そのジョバンニ・パンフィーノと,日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をしたり、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。
 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア 
http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール 
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア
大橋美奈子

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