2021年11月3日 ファストカジュアルその5
ファスト・カジュアルで必要不可欠な食のトレンド
最近ハンバーガー業態や特にチキンバーガーに参入する企業は多いのですが、トリキバーガーのように海外展開を考える意味では、日本の外食産業に影響の強い米国の食トレンドを正確に把握する必要があります。
<1>SDG'S
米国では蛋白質として牛肉を好みます。その牛にもSDGSの観点が必要です。顧客は環境にやさしい牛肉(サステイナイリビティ・ビーフ)sustainable beefを求めています。
http://nrn.com/nra-show/meeting-consumer-demand-sustainable-beef
通常の牛はトウモロコシなどに動物性蛋白質を混ぜた濃厚飼料で育てます(肉質が良く育成が速いので)。しかし、顧客は環境にやさしく育てた牛肉を求め始めています。環境にやさしいとは無農薬の牧草(grass-fed)で健康的な放し飼いで育てた牛(sustainably produced beef)を別にオーガニックビーフと言います。マクドナルドも長年秘密裏に取り組んでいますが困難にぶつかっています。マックは1989年に, 南米の熱帯雨林からの牛肉を調達しないと発表しました。2014年には Sustainable Beef検討会に参加しています。( Global Roundtable for Sustainable Beef) しかしその歩みは遅々として進みません。大きな理由はスケールと定義が不明確なためです。
さらに、一般的な牛飼育では病気にならないように抗生物質を与え、早く大きく育つように成長ホルモン剤を使用します。人間が使用するのと同じ抗生物質を与えると、耐性菌ができ、人間の病気治療に悪影響を与えます。また、成長ホルモン剤が残留した牛肉や乳製品を食べると、子供の成育が異常に早くなるという問題も生じます。
圧力グループには、CALPIRG Education Fund、Friends of the Earth、Center for Food Safety、Consumers Union、ブロガー/活動家のVani Hari(Food Babeとして知られる)などが含まれます。保健当局は、家畜における抗生物質の日常的な使用が抗生物質耐性菌の増加に寄与しており、 年間約23,000人のアメリカ人を殺していると推定しています。連邦規制は、混雑した飼育条件によって引き起こされる病気を防ぐ手段として、低用量の抗生物質の使用を許可しています。
CALPIRG Education Fund HP
https://calpirgedfund.org/
Center for Food Safety HP
https://www.centerforfoodsafety.org/issues/302/animal-cloning/press-releases/4962/consumer-coalition-calls-on-in-n-out-burger-to-fulfill-promise-to-reduce-antibiotics-use-in-beef
Consumers Union HP
https://www.consumerreports.org/cro/index.htm
カリフォルニア州は家畜への抗生物質の使用を制限する 法律を採択しましたが、それらの規則は2018年1月1日まで発効しませんでした。
マクドナルドは鶏肉に抗生物質を使用するためのタイムラインを設定しましたが、ハマーシュラグ氏は、連立が今春、牛肉と豚肉で同様の立場を取るようにハンバーガーチェーンを推進する株主決議を支持していると述べました。同様の株主決議は、ウェンディーズとバーガーキングの年次総会でも提案されるそうです。
一方、Subwayは、鶏肉は4月までに通常の抗生物質の使用をやめると述べ、すべての肉での抗生物質の使用をやめると約束しました。
Pizza Hut は保存剤と抗生物質不使用に取り組ンでいます。
チポトレメキシカングリル、シェイクシャック、パパジョンズ、チックフィレイ、パネラブレッドなど、他のチェーンは抗生物質を使わないと宣伝しています。
カリフォルニア州は家畜に抗生物質を与え続けることを禁止にします。
消費者は,低価格だけではなくより安全で健康的で環境に優しい外食を求めるようになっているのです。
健康的な食材が売り物のファストカジュアルFast-casualチェーンの チポトリChipotle Mexican Grill(メキシコ料理)を例に紹介しましょう。注文カウンターの前に立つと、目の前に料理が並んでおり、希望の食材を言うと組み合わせてくれます。目の上のメニューボードには使っている食材のこだわりを訴えているのです。
鳥
放し飼いで、抗生物質を投与していません、餌は動物性タンパク質を含んでいません。
豚
ストレスがないように広い場所で放し飼いで、抗生物質を与えていません。
牛
餌に抗生物質や成長ホルモンを混ぜていません。
乳製品
地元の農場から調達し、乳牛の食べる牧草には農薬(BHCベンゼンヘキサクロリド)を散布していません。
野菜
無農薬の旬の野菜を地元で調達しています。
と健康的であることを訴えているのです。
オーガニックやSDGSの考え方は魚でもあります。サーモンの場合、養殖でなく天然ものですが、その採取の方法が、一本釣りでないといけないのです。大きな網でとると食べられない小さな魚も取り、天然資源の枯渇につながるからです。
<
2>塩分規制
塩分は高血圧の大きな原因であり、肥満と重なると心臓に大きな負担を与えます。ニューヨーク州ではNY塩分規制の法制化が進んでいます。
http://nrn.com/government/ny-judge-grants-restraining-order-salt-law?NL=NRN-02_&Issue=NRN-02__20160301_NRN-02__194&sfvc4enews=42&cl=article_1_1&elqTrack=true
<3>炭酸飲料規制
子供の肥満の大きな原因であり、砂糖分の含んだ炭酸飲料の規制が進んでいます。
<4>栄養 オバマ大統領夫人ミシェルの活動
前大統領夫人のオバマ・ミシェルさんはホワイトハウスに家庭菜園を設け、子供たちの栄養問題に取り組んでいました。このころより、米国で子供の肥満対策が大きくクローズアップしています。
<政府栄養指針が5年前よりだされています。>
5年前HP
https://www.dietaryguidelines.gov/
連邦政府が最近発表した新しい食事ガイドラインは、消費者がすでにある程度食事に加え始めている変更を反映しており、短期的には変更される可能性は低いものの、国の食事パターンに長期的な影響を与える可能性があります。ガイドラインは、米国農務省と保健福祉省によって5年ごとに発行されます。2015-2020レポートのリリースは延期され、今月まで発行されませんでした。
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